湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ボロディン:歌劇「イーゴリ公」~韃靼人の踊り

2017年05月16日 | ボロディン
○スヴェトラーノフ指揮NHK交響楽団(KING,NHK)1999/2/26、27live・CD

ソリストの美音表現に傾聴。N響木管素晴らしい。落ちついたテンポに重量感ある安定した響きの管弦楽、N響のメリットが晩年スヴェトラの指向と合致して、偏った臭いの無いしっくりくる表現を生んでいる。舞踏表現が激しくなると往年の激しさを取り戻さんとするように派手な音響とテンポが煽られるものの音色は醒めて明るい。フレーズの収め方やアゴーギグなどわりと節度を感じるのも晩年らしい。設計が崩れず明確なのだ。爆発的に突っ走る力は過去ほどには無いが、意外と厳しい縦の整え方にはイワーノフのような西欧指向が感じ取れる。イワーノフのベートーヴェンを思い出させられた。弦楽器の音はいいのだがテヌートが短く伸びが無いのが気にはなる。でもこれは楽団特性だし恐らく音符を短く切りリズムを明示する指示だろうのでこれでいい。ボロディンの構造性がよく浮き彫りにされているところはこのオケをもってだからこそだろう。いつのまにか派手な太鼓にのって音楽は熱狂していく。もちろん制御はきっちりなされている。スヴェトラルバートとクレッシェンドで終わり。観客はまあまあの反応。聞きやすくていいと思う。○。合唱は無し。

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