湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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プーランク:三重奏曲

2009年01月16日 | フランス
○フェヴリエ(P)カジエ(O)フザンティエ(B)(EMI/brilliant)CD

この演奏を含むプーランク集を私は少なくとも三つ持っている。組み合わせを変え全集化しCDになり、更にはbrilliantが超廉価ボックスにまとめるという、このクラスの演奏家のものにしては(逆に知名度が高ければ廉価化されるというのもわかるけれどそこまででもないのに)珍しい。演奏はいずれもフェヴリエが絡んでおり、フランス・ピアニズムの生き字引のようなこの人はしかし特異なスタイルを持っていて、けして激せず遅いテンポで、タッチやアーティキュレーションの細部にのみ独特の変化をつけていく。上品である。ラヴェル的というか、およそプーランクの芸風からは遠い人のイメージがあり、じっさい世俗性のなさがマイナスと思いきや、他二人はじつに素朴な演奏をなし悪い意味でもないのだがフランスの田舎楽団のソリストを聴いているような味わいがある。だからアナクロで腕も超一流というわけではなく音に雑味があり(アンサンブルはそのくらいがいいんだけどね)、地味でもある。全般、素朴で統一されているという意味ではピアノトリオには珍しいまとまりがある。録音は不安定な感じがする。○にはしておく。フェザンティエはシャトー・ラ・バソネリー・・・バソンがバッテンマークに交差したラベルのワイン・・・の醸造家としてのほうが有名か。しょうじき、音的にそれほど陶酔させるような要素はここではなかったけど。

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