◎コンヴィチュニー指揮ベルリン放送交響楽団(MEMORIES)1955/4/21スタジオ・CD
音質きわめて良好なモノラル。けっして巧いオケではないし解釈自体は四角四面のコンヴィチュニー、彼なりの即物主義というか唯物的客観性が発揮されイマジネイティブでは全くなく実にリアルな音の交歓で、純粋に音を表現しているだけで、そこに情緒が醸されるのはやっと緩徐部に入ってからである。3楽章以降の凄絶なアンサンブルの力強さはとにかく聞き物だが、表現の振幅という部分では実直の一言だ。ベルリンのオケにしかできえない部分もあり、重心が低く縦に重く苛烈な発音でこのソヴィエトソヴィエトした曲をドイツのやり方で整え異常な緊張感をもって表現している。ちょっと独特の魅力がある演奏で、スヴェトラとかとは対極にあるようでいて、地力の強い演奏振りには共通する部分もある。力感が録音リマスタリングで増強され聞きやすい。透明で機械のような演奏、という近現代東側指揮者の一種「現代音楽指揮者的なイメージ」とは離れており、そこが魅力でもあろう。ロシア情緒はほとんどない、ドイツだ。この曲の演奏をまじめに聞こうと思ったらひょっとしたら第一にきくべきものかもしれない、変なフィルターがかかってないから。
音質きわめて良好なモノラル。けっして巧いオケではないし解釈自体は四角四面のコンヴィチュニー、彼なりの即物主義というか唯物的客観性が発揮されイマジネイティブでは全くなく実にリアルな音の交歓で、純粋に音を表現しているだけで、そこに情緒が醸されるのはやっと緩徐部に入ってからである。3楽章以降の凄絶なアンサンブルの力強さはとにかく聞き物だが、表現の振幅という部分では実直の一言だ。ベルリンのオケにしかできえない部分もあり、重心が低く縦に重く苛烈な発音でこのソヴィエトソヴィエトした曲をドイツのやり方で整え異常な緊張感をもって表現している。ちょっと独特の魅力がある演奏で、スヴェトラとかとは対極にあるようでいて、地力の強い演奏振りには共通する部分もある。力感が録音リマスタリングで増強され聞きやすい。透明で機械のような演奏、という近現代東側指揮者の一種「現代音楽指揮者的なイメージ」とは離れており、そこが魅力でもあろう。ロシア情緒はほとんどない、ドイツだ。この曲の演奏をまじめに聞こうと思ったらひょっとしたら第一にきくべきものかもしれない、変なフィルターがかかってないから。