私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

『今はじめる人のための俳句歳時記』

2014-08-03 22:07:05 | NF・エッセイ・詩歌等

よく使われる重要な季語に絞った、簡潔で使いやすい歳時記です。季語約1000(傍題約2200)を精選し、実作の手助けとなるわかりやすい名句を、各季語につき3句以上、例句として掲載しました。また、読みにくい語には原句にないルビも付しています。「句会をやってみよう!・俳句Q&A・古典の名句・俳人の忌日一覧・俳句のクイズ」と、初心者に嬉しい付録も充実。文庫版で一番文字が大きく、索引も読みやすく一新した新版。
角川書店 編




何を思ったか、俳句をつくろうと思い立った時期があった。
結局、歳時記を買っただけで終わってしまったわけだが、作句ではなく、観賞として読んでみると、非常におもしろくてためになる。

初心者向けに俳句をつくるためのアドバイスがなされているが、それよりも掲載されている秀句を読みふけった方がよっぽど勉強になるのだろう。

自分がつくるかは別として、観賞として充分楽しい時間を過ごすことができた。


以下、気に入った俳句を、各季節で三句挙げて、感想としたい。



彼岸会の墓に文句のありつたけ
林紀之介

花曇城を小さく見せにけり
宮津昭彦

木瓜の朱の少しみだらに咲き満てり
竹中多恵子



そらす背に夏の怒涛を聴きにけり
仙田洋子

水着着て肘のほか掴む処なし
中根美保

栗咲く香死ぬまで通すひとり身か
菖蒲あや



鐘ついて十万億土霧うごく
福永法弘

色鳥やむしろすがしき朝の飢
金子潮

つきぬけて天上の紺曼珠沙華
山口誓子



寒昴身のすきとほるほどひとり
椿文恵

冬銀河かくもしづかに子の宿る
仙田洋子

泣けば瞳に寒燈の矢の殺到す
有馬籌子


新年

初暦めくれば月日流れそむ
五十嵐播水

姫始め闇美しといいにけり
矢島渚男

寝正月自問自答をくり返し
下村非文


評価:★★★★★(満点は★★★★★)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (タカヤン)
2014-08-04 19:10:27
曾祖父が俳句の先生していた影響からか、歳時記とか読むの好きです
角川さんは文庫で歳時記が出てるので、持ち運びがしやすいので、助かります
 また、本屋さんに出掛けた時是非探したいと思います!
返信する
コメントありがとうございます (qwer0987)
2014-08-04 21:26:36
タカヤンさん、コメントありがとうございます。
歳時記っておもしろいですよね。この歳になって初めてその良さを知りました。
これからもちょくちょく読んでいきたいです。
返信する

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