
2009年度作品。アメリカ映画。
400年前、ヴァチカンは科学者たちを弾圧。科学者たちは、秘密結社イルミナティとして密かに活動し、ヴァチカンへの復讐を誓った。そのイルミナティが今、復活を遂げた。彼らは、4人の枢機卿を拉致し、ローマ市内の4つの教会で、順番に殺害すると予告。恐ろしい計画を阻止する方法は、ただ一つ。ガリレオの著書に隠された、4つの教会の場所を示す暗号を解くこと。ヴァチカンから助けを求められたラングドンは、400年間眠る暗号を解き、ヴァチカンを救えるのか。
監督は「アポロ13」のロン・ハワード。
出演はトム・ハンクス、ユアン・マグレガー ら。
この映画はツッコミどころが多すぎる。それは冒頭から最後に至るまで、すべてにわたってそうだ。
たとえば、根本的すぎるので言ってはいけないかもしれないけど、なぜ四元素に合わせた殺人をしなくてはいけないのかが、どうも僕にはよくわからない。だってそれは殺人者の自己アピールとしても、あまりに意味がないことではないか?
そういった根本部分に引っかかりを覚えたため、最初からうまくストーリーに入っていくことができなかった。
おかげでそれ以降の内容も、ツッコミどころにばかり目が行き、ストーリーをしっかり楽しめきれなかったきらいがある。
ストーリー展開や、謎が判明し追いかける流れ、ディテールなどで、何で? と問い返したくなる部分が多いような気がする。原作を知らないというのもあるけど、つくりは雑にしか見えない。
もっともそれらの欠点は前作でも言えたことではある。
しかし前作は衒学的な部分がバカっぽくて、そのバカっぽさがそれなりに楽しめるものにはなっていた。
だが本作にはそんなバカっぽさもないため、ツッコミがいがない。
確かに楽しめるようにつくろうとしてるのはわかるし、エンタメとしてまとまっているけれど、個人的にはいろいろ気に入らない。
それでもあえて、良かった点をあげるなら、科学と宗教の相克を描いている部分だ。
カトリック内部での葛藤や、科学者の宗教に頼りたくなる悩みにもちらりと触れられていて興味深い。
個人的にはあまり評価しないけれど、そういったいくつかの面で光るものがある作品ではある。
評価:★★(満点は★★★★★)
前作の感想
「ダ・ヴィンチ・コード」
製作者の関連作品感想
・ロン・ハワード監督作
「ダ・ヴィンチ・コード」
「フロスト×ニクソン」
わざわざ四大元素をなぞらえて暗号を作ったのは大昔に弾圧されていたイルミナティですので、正しくは「なぜイルミナティの集会所を示す暗号に合わせた殺人をしなくてはいけないのか」ですね。
何かしらのテーマ性に沿って儀式的な殺害方法をとる事件を"見立て殺人"と言いますが、
その目的は大別すると
・猟奇・狂信的な人物による世間へのアピール(今作であればイルミナティ信奉者によるキリスト教への報復、教会の敗北の誇示)
・上記に見せかる事で真犯人の人物像・目的を撹乱する為のめくらまし(今作の真相はこちらでしたね)
ターゲットの殺害自体が目的なら無意味で無駄な手間でしかありませんが、
意図せず人を殺めた際に愉快犯の犯行に見えるよう誤魔化したり、真犯人を走査線上から外す事を目的として使われます。エンタメに富むので推理作品では頻繁するトリックでしょう
今作が物語の都合上ツッコミ所が多くなっているのは同意見だったのですが、感想を読んだ限りあなたの読解力にも問題が多々見られるようでしたので、今後他の方が誤解なさらぬよう注釈を残しておきますね。