よく使われる重要な季語に絞った、簡潔で使いやすい歳時記です。季語約1000(傍題約2200)を精選し、実作の手助けとなるわかりやすい名句を、各季語につき3句以上、例句として掲載しました。また、読みにくい語には原句にないルビも付しています。「句会をやってみよう!・俳句Q&A・古典の名句・俳人の忌日一覧・俳句のクイズ」と、初心者に嬉しい付録も充実。文庫版で一番文字が大きく、索引も読みやすく一新した新版。
角川書店 編
何を思ったか、俳句をつくろうと思い立った時期があった。
結局、歳時記を買っただけで終わってしまったわけだが、作句ではなく、観賞として読んでみると、非常におもしろくてためになる。
初心者向けに俳句をつくるためのアドバイスがなされているが、それよりも掲載されている秀句を読みふけった方がよっぽど勉強になるのだろう。
自分がつくるかは別として、観賞として充分楽しい時間を過ごすことができた。
以下、気に入った俳句を、各季節で三句挙げて、感想としたい。
春
彼岸会の墓に文句のありつたけ林紀之介
花曇城を小さく見せにけり宮津昭彦
木瓜の朱の少しみだらに咲き満てり竹中多恵子
夏
そらす背に夏の怒涛を聴きにけり仙田洋子
水着着て肘のほか掴む処なし中根美保
栗咲く香死ぬまで通すひとり身か菖蒲あや
秋
鐘ついて十万億土霧うごく福永法弘
色鳥やむしろすがしき朝の飢金子潮
つきぬけて天上の紺曼珠沙華山口誓子
冬
寒昴身のすきとほるほどひとり椿文恵
冬銀河かくもしづかに子の宿る仙田洋子
泣けば瞳に寒燈の矢の殺到す有馬籌子
新年
初暦めくれば月日流れそむ五十嵐播水
姫始め闇美しといいにけり矢島渚男
寝正月自問自答をくり返し下村非文
評価:★★★★★(満点は★★★★★)
歳時記っておもしろいですよね。この歳になって初めてその良さを知りました。
これからもちょくちょく読んでいきたいです。
角川さんは文庫で歳時記が出てるので、持ち運びがしやすいので、助かります
また、本屋さんに出掛けた時是非探したいと思います!