2009年度作品。中国映画。
日本でも高い人気を誇る『三国志』を、ジョン・ウー監督が映画化した『レッドクリフ』の第2弾!
曹操率いる大軍と対峙した連合軍。曹操軍は疫病で亡くなった兵士たちの死体を舟に積み、連合軍のいる対岸へ流し始める。その死体に触れた連合軍の兵士から次々と疫病が感染し、劉備軍は兵と民のために撤退を決意するのだが…。
監督は「男たちの挽歌」のジョン・ウー。
出演はトニー・レオン、金城武 ら。
アクションは一流だけど、ストーリーは二流以下、それがジョン・ウー作品に対して、僕が持っている偏見だ。
それはヒットした「レッドクリフ」シリーズでも変わらない。
赤壁の戦いに至るまでの描写はいくらかだれるし、特別盛り上がるようなエピソードがあるわけでもない。
有名な十万本の矢の話も、ふうんそうなんだ、と思うだけで終わってしまうし、「苦肉の計」も中途半端だ。
一言で終わらせるなら、すべての話の内容が薄いのである。
ジョン・ウーは一つの話をふくらませて、それをおもしろく見せるのがヘタクソなのだろう。
特にダメダメだな、と思ったのが、映画のラストで曹操を殺さなかったことだ。
もちろん史実の関係上、曹操が死んでいけないことはわかる。
けれど、あそこまで徹底的に追いつめておきながら、なぜ殺さないのか、本当に疑問でならなかった。
あそこで生かしたら、後々の禍根が絶対残る。平和を本気で思うなら、曹操を殺すか、せめて捕らえるくらいするのが筋だ。
それができないなら、あんな方向にストーリーを持っていくなよ、と思う。
せっかくの完結編なのに、終わり方がああではがっかりだ。おかげで映画の印象は悪い。
だが相変わらず、この監督、アクションだけは見事だ。
黄蓋らによる火攻めのシーンは相当金をかけているらしく迫力があったし、火矢を中心とした攻防戦もなかなか見応えがある。
夜が明けてからの野戦も楽しむことができ、アクションシーンへの力の入れようは画面越しからはっきりと伝わってくる。
なんじゃそりゃ、とラストで思ってしまったので、どうしても辛口になってしまう。
だが、このアクションシーンだけは、すなおに賞賛をしたい。
評価:★★(満点は★★★★★)
前作の感想
「レッドクリフ Part I」
出演者の関連作品感想
・トニー・レオン出演作
「傷だらけの男たち」
「ラスト、コーション」
・金城武出演作
「ウォーロード/男たちの誓い」
「傷だらけの男たち」