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サルから人類への進化と今回見つかった大型類人猿
◇「人類への進化、アフリカで」
世界最古級となる約1000万年前の大型類人猿の歯の化石を、東京大などの研究チームがエチオピアで発見し、23日付の英科学誌ネイチャーに発表した。この時期の類人猿の化石のほとんどは欧州で見つかっており、アフリカでサルから進化した類人猿が欧州へ渡り、再びアフリカへ戻って人類に進化したと考える説が有力だった。チームの諏訪元・東京大総合研究博物館教授は「サルから人類への進化がアフリカで進んだ可能性が高まった」と分析している。
チームは、エチオピアの首都アディスアベバの東約170キロにある1100万~1000万年前の地層「チョローラ層」から、犬歯1本と大臼歯8本を見つけた。歯のサイズは現生のゴリラと同程度で、特徴も似ている。このためチームは「ゴリラの最古の祖先である可能性が高い」と結論。見つかった地層の名前や、エチオピアの古い呼び名の「アビシニア」にちなみ、この類人猿を「チョローラピテクス・アビシニクス」と名付けた。
サルから人類への進化は、原始的な類人猿が大型類人猿に進化した後、ゴリラなどが枝分かれし、約700万~600万年前に最古の人類が誕生したと考えられている。原始的な類人猿の化石はアフリカで多く見つかっているが、大型類人猿の化石はほとんどが欧州で見つかっていた。【永山悦子】
毎日新聞 2007年8月23日 東京朝刊
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