Luna's “Tomorrow is another day”

生活情報、人間、生きること…。新聞記事から気になる情報をスクラップ!

奈良妊婦死産:消防と病院で連絡不備 受け入れ出来ず

2007年08月30日 | スクラップ
 奈良県橿原市の妊婦(38)の胎児が救急搬送中に死亡した問題で、橿原消防署(中和広域消防組合)から最初に妊婦の受け入れを要請された県立医科大学付属病院(同市四条町)が、要請から約2時間のうちに、他の2人の妊婦を救急搬送で受け入れていたことが県の調べで分かった。病院に受け入れの余力がありながら、消防とのコミュニケーションの不備などで結果的にこの妊婦の受け入れが出来なかった。

 一方、大阪府警高槻署の調べで、この妊婦は妊娠24週(7カ月)で、胎児は胎内で死亡していたことが分かった。流産は22週未満で胎児が死亡する場合を指し、このケースは死産に相当する。病名は不詳。

 県によると、28日夜の同病院の産婦人科当直医は2人。1人は帝王切開手術後の患者の経過観察でつきっきりとなっていた。受け入れは、もう1人の当直医が対応した。

 消防から死産した妊婦の受け入れ要請がきた1分前の29日午前2時54分に別の妊婦が来院。通常分娩(ぶんべん)の患者で、同医大をかかりつけにしていた。このため、要請の連絡を病院の事務から受けた医師は「診察中のため後にしてほしい」と回答。事務員は「患者が入り、手術になるかもしれない」と消防に伝え、消防側は「断られた」と認識した。県の聞き取り調査に、医師は「断るつもりではなかった」と話している。

 一方、約30分後の午前3時32分。新たに同医大をかかりつけにしていた妊婦が、破水。この時点で産婦人科の病床は一つ開いていたため、入院した。さらに午前4時ごろ、近くの医院から、分娩後、大量出血した妊婦を搬送したいと要請があり、受け入れを決めた。

 この連絡の直後、死産した妊婦の受け入れ先が見つからなかった橿原消防から2度目の要請があった。事務員が「別の医院からの電話を医師につないだところ」と答えると、電話が切れた。大量出血した妊婦は午前5時ごろ医大病院に到着。産科の病床が満床だったため、他の科の病床で受け入れた。

 橿原消防からの3度目の搬送要請は、緊急度の最も高い3次救急に対応する同医大の救急救命センターに寄せられた。時刻は不明。センターの医師が症状を聞き取り、「全身状態が悪くない」と判断、2次医療機関で対応してほしいと断ったという。センターには一般病床で4床の空きがあった。

 結果的に、死産した妊婦は大阪府高槻市に搬送されることになり、その途中の午前5時9分、軽乗用車との接触事故に巻き込まれた。

【中村敦茂】




毎日新聞 2007年8月30日 13時55分







救急車流産:受け入れ不可能の病院産科医、分娩に追われ


 奈良県橿原市の妊婦(38)が大阪府高槻市の病院へ搬送中に救急車内で流産した問題で、受け入れを不可能とした9施設のうち、4病院が当時、わずかな人数の産科医で分娩(ぶんべん)などに追われている状況だったことが29日、毎日新聞の調べで分かった。全国的に問題とされている産科医療の体制不備には、分娩の取り扱いをやめたり、制限する産科が相次ぎ、分娩を続ける病院に負担が集中しているという実態が背景にあることが改めて浮き彫りになった。

 受け入れの要請は、午前3~4時の間で、4病院が、医師が足りず、受け入れの余裕がなかった。最初に要請を受けた奈良県立医科大付属病院は、2人の当直医が陣痛の患者の診察に当たっており、受付の職員を通じて、受け入れ不可能と回答。同病院には、3時半と4時ごろにも要請の電話があったが、大量出血の患者の搬送が予定されているなどの理由で受け入れられなかった。

 このほかは、
▽「当直1人と、呼び出した医師1人の計2人で、4件のリスクの高い分娩に対応していた」(大阪市の千船病院)
▽「当直が1人で、入院患者の分娩が始まっていた」(寝屋川市の藤本病院)
…などの理由だった。これらの病院では、分娩の取り扱い数が近年急増している。

 9施設のうち7施設が受け入れ不可能と回答していたが、残る2施設は「(搬送した橿原消防署から)連絡はなかった」とし、消防署の説明と食い違った。

 一方、今回は消防隊が一般の救急を原則的に受け付けない高次救急病院に要請したという不備もあった。大阪府和泉市の府立母子保健総合医療センターは「事務レベルで断った。通院患者や病院からの転送だったら受け入れていた」と明かす。




毎日新聞 2007年8月30日 3時00分







奈良妊婦死産:厚労省の早急な対応促す 与謝野官房長官


 与謝野馨官房長官は30日午前の記者会見で、奈良県橿原市の妊婦の受け入れ施設がないまま、救急車内で死産した問題について「大変残念な、悲しい結果になった。舛添(要一)厚生労働相もきちんと対応するとおっしゃっている。まず厚労省の対応がきちんとなされることをみていきたい」と述べ、厚労省の早急な対応を促した。

 また、与謝野長官は「せっかく母胎の中で子供が育っていよいよ出産という時になって、出産できる場所が見つからない、あるいは流産を食い止めるところが見つからないというのは日本の医療制度として欠けているところがある」と指摘した。【西田進一郎】




毎日新聞 2007年8月30日 11時05分 (最終更新時間 8月30日 13時51分)


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安保法制懇:憲法9条解釈の... | トップ | アフガン拉致 何よりも治安... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ルナのセルフコメント (ルナ)
2007-08-30 22:32:11
先の参院選で小泉元首相が応援演説をしたところ、以前人気が衰えていなかったことが明らかになった、という。

彼のキャッチフレーズは相も変わらず、「改革を止めるな」だった。

誰のための改革だったのだろう。小泉は露骨にアメリカのブッシュ大統領に顔を向けて日本の政治を行っていた。安倍は露骨に「戦後レジーム」への憎しみを表明する。

それなのに、なぜわたしたちは自民党に「頼り甲斐」を表明するのだろう。自分たちの生活がこれほどまでに押しつぶされているのに。

国民が狂っている。陰謀論で有名なベンジャミン・フルフォード氏はアメリカによる日本奴隷化計画なるものを著しているが、こんな国民の無知さを目の当たりにすると、それも(陰謀説が)本当かもしれない、と思いたくもなる。
返信する

コメントを投稿

スクラップ」カテゴリの最新記事