今年の夏ごろ、べトメディン(成分名ピモベンダン)が
動物用医薬品で、発売になりました。
(医薬品は以前より発売されています。)
適用は犬の慢性心不全で、
作用は①カルシウム感受性増強作用による強心作用と
②ホスホジエステラーゼⅢ(PDEⅢ)阻害作用による血管拡張です。
僧帽弁閉鎖不全(MR)による
発咳・運動不耐性のシーズー犬や
拡張型心筋症(DCM)による
腹水貯留・食欲不振・沈うつの柴犬などで
この薬の投与で、症状の明らかな改善が認められ、
クオリティ・オブ・ライフ(QOL)が明らかに向上しました。
頻脈や嘔吐などの副作用もなく、腎血流量の低下もないため
とても使いやすく、効果も実感できます。
投薬もビーフ・フレバーのためか、飲んでくれやすいみたいです。
高齢期に症状がなくとも、ワクチンなどで来院されたときに
MRによる心雑音を指摘される人も多いと思いますので、
MRによるうっ血性心不全の症状が出る前に、
投薬が必要な状態かどうか?や食事療法、生活習慣の改善などを、
診察・指導してもらってくださいね。
因みにうっ血性心不全の症状は・・・・
発咳
運動不耐性
頻呼吸
呼吸困難
沈うつ
食欲不振 などです。