2012年2月5日、登山家の芳野満彦氏が、心筋梗塞にて亡くなった。
80歳だった。
画家としても活動しており、晩年の自身の個展での写真↑
そこで芳野満彦氏著書の「新編 山靴の音」を、読んでみた。
高校2年のときに、冬の八ヶ岳で悪天候につかまり、遭難。
(同行した友人は、凍死)
九死に一生得たが、凍傷で両足先を失った。
医者には「松葉づえか義足がないと、一生歩けない」と診断されたが、
(何せ両足共に、かかとから12cmしかない・・・・)
半年後には歩けるようになり、二年後には岩登り(登攀)をはじめている。
歩くことでは人に負けるので、手を上手く使って
足のハンディをカバーできる岩登り(登攀)に、情熱を燃やし
積雪期前穂高4峰正面壁、積雪期剣岳チンネ正面壁、滝谷グレポンなど
多くの初登攀を、記録する。
また日本人初のマッターホルン北壁の登攀を、成す。
あらゆる困難に打ち勝てたのは、
芳野氏の精神力の強さと根性の凄さ、故である。
人生には何度も岐路がありますが、どうも私は楽な方ばかり
選択してきてしまったのかもしれない。。。。
楽な道を選んでも、得るものは少なく
厳しい道を、選択しなければと思う。
残りの人生、もっと精神力をつけて
「なにくそ!」という気持ちを持って、生きたい。
「新編 山靴の音」書籍的には、それほど面白くはない。
芳野氏を、知ったきっかけは・・・・
芳野満彦氏をモデルに描いた新田次郎著の「栄光の岩壁」であった。
多少の脚色はあるにしても、優れた作品に昇華され、
抜群に読み応えがある。
数ある新田次郎の作品の中で、実在のモデルがいる
「孤高の人」 (モデル 加藤文太郎)
「銀嶺の人」 (モデル 今井通子)
「栄光の岩壁」 (モデル 芳野満彦)
この3作品は、新田次郎の作品でも突出しており
登山をする人なら必読です!!
(登山が好きな人なら、すでに読んでいると思いますが・・・・)