ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

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今日の見もの(クローンは故郷をめざす)

2011年12月06日 22時00分32秒 | 見もの

クローンは故郷をめざす
2009年 110分 日本

NHKーBSの映画は、面白そうだったら見ることにしている。理由はノーカットであるということ。画質もいいし、時間がなければ録画しておいて見ればいい。知らない映画の、それもお金出してまでは借りないだろうと言う映画も多い。とんでもんない掘り出し物もあるから、タイトルに興味があったらとりあえず録画している。実は先日、面白そうな映画があって、それを録画しようとしていて忘れていた。その次にあったのがこの映画で、今度こそ撮り逃さないようにと意識して予約していた。昨日それを見たのだが、深く考えさせられる内容だった。見ていてひどく切なかった。

双子の兄弟がいた。のぼると耕平。元気で勝ち気な耕平に対し、優しくおとなしいのぼるはいつもやられて泣いていた。

ある日釣りに行った耕平は、行ってはいけないと言う深みにまで入っていく。止めるのぼるだが耕平は言うことを聞かない。ふと気づくと耕平の姿はなく、探し回るのぼるは決心して溺れた耕平を助けようと水に入っていく。手の甲にけがをしながらも自力ではい上ってきた耕平だが、そこにのぼるの姿はなかった・・。

自分のせいで弟が死んでしまったことは、彼の心に深いトラウマとなった。

成人した彼はアストロノーツとして宇宙ステーションの仕事に携わっていたが、危険と隣り合わせの仕事故、クローン・プロジェクトにも登録していた。母の死とともに自分も事故にあい死んでしまった耕平だが、科学者の力で再生させられる。しかしすべての記憶を詰め込まれた彼は、子どもの頃の記憶が強くでてしまい、失敗であった。科学者たちは失敗作に安楽死を選択し、かつて違法に孫娘のクローン再生を試みた天才科学者の助けを借り、再度クローン再生を試みる。今度は完璧であった。そんな彼は、かつて失敗作として葬られたもう一人の自分の存在を知り、それを探す旅に出る。昔母親と兄弟で住んだ田舎の家は廃屋となっていたが、そこに彼は一人目のクローンの死体と宇宙服を発見する・・。

うちにもちびがいるが、子どもが死ぬのは悲しいという言葉で言いきれるものではない。そんなシーンが出てきて、また生きることの葛藤、生とは何か、死とは何か、親の愛を求めたい気持ちや自分の行動への呵責、後悔・・、そんなシーンの連続で何度見るのを止めようかと思ったことか。それでも止められなかった衝撃的な映画だった。

いつも書いている「映画=2時間の夢の時間」とは違うが、忘れられない映画の一つとなろう。自分の印象としては、2001年の宇宙の旅の精神版というところか。

今度ちびは東京へ行く。2週間ほどなのだが、無事に帰ってきてほしいと願うばかりだ。危険な場所でもなく、たった二週間でもう一度会えるんだから何の心配もない。なのだが、この映画を見た後なので、なぜかしら心配で仕方ない。途中で止めたかったのも、半分はそれだ。しかし、、、この映画は深い。

ランク:細かいところまで全部わかる訳じゃないが、名作の香りがする。
    深く考えさせられる映画だ。楽しい気分にはならない。
    精神状態注意。ホント、切ない・・。

2006年度サンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞した中嶋莞爾のオリジナル脚本を中嶋莞爾が自ら監督して映像化。

モントリオール・ファンタジア映画祭最優秀撮影賞
ニューヨーク・アジア映画祭最優秀ビジュアル賞受賞

DVDを買うなら下記のメイキングまで入った特別版がいいみたいだ。

日記@BlogRanking

これ以外にも見ているし、書きたいこともたくさんあるが、今はなかなか書けない状況だ。まぁ焦らずにぼちぼち進むのがいいことなんだろうなと言い聞かせている。


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