ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

日々の記録。見たり、聞いたり、買ったり、食べたり。

今日の見もの(めくりめくる)

2012年05月29日 22時22分35秒 | 見もの

めくりめくる/拓 (著)
市立図書館蔵

このマンガ、初めて表紙を見たときに驚いた。倉敷駅のそのままの姿が写真と見まごうばかりに精密に書き込んである。倉敷を舞台にした青春マンガだろうと思ったが、なぜか買うタイミングを逃してぐずぐずとしていた。友人が買っていて、その時に「これってどこの制服だろうね」って話になり、たぶんそのものずばりではまずいから変えてあるだろう、高橋大輔君の出た学校の古い制服じゃないかななんて話をした。郷土の話ではあっても、勤務しているのが隣町なので、倉敷の高校の制服には詳しくないのだ(友人も含めて)。

その彼も言っていたが、『この作品だけは買い支えてあげないとね』と私も思っている。倉敷市観光キャンペーン採用作品みたいだけど、その倉敷市のために買ってあげたいとか広めてあげたいなんて気持ちはない。私の住んでいるその町の風景の中を、仮想の中ではあっても、この子たちが生きていることがうれしい。特定の主人公がいるわけでもなく、特別なストーリー展開でもない。日々ありそうなそんな話がずらずらと書き綴られている。アマゾンのレビューなんかでは、「悪くはないがつまらない」「ものたらない」「別に倉敷が舞台である必要はないでしょ」なんて書き連ねてある。でも私はそうは思わない。

自分の住んでいるこの場所に、現実の人間ではないにしろ、生きて生活して、笑ったり遊んだり、悩んだり恋している人がいることがいいのだ。それが見られるのがいいのだ。阿智神社に行ったら二人の絵馬を探すだろう。あるはずがないけど、そこに彼女たちの存在を感じたい。美観地区でちくわを食べ、堤に桜を見に行って、そのたびにこのマンガを思い出すだろう。あの彼女は、あの時の青年は、今何をしているのだろう。そう考えるのがうれしく楽しい。ここに住んでいる私たちだけの特権だな。

「これを読んだ後に『倉敷に行ってみたい』とは思わなかった」なんて書いている人もいる。いいんだよ。観光PRのための、ためだけの、マンガだとは思ってないから。

なんでこんなことを長々と書いているかというと、ラベルでわかるように図書館で借りられるようになっているのを発見したからだ。館内閲覧だけではなく貸し出し可能なのだ。試しに県立で検索してみたが、そこにもあるけど禁帯出扱いだった。私も、これに関しては貸し出しはしなくて館内で読むだけの方がいいと思う。みんなで買ってあげたい本だから、無料貸し出しはどうかと感じているのだ。

上が美観地区の橋上で、下が酒津公園の用水路(だろう)。ここ、小学生あたりが水着で遊んでいるのはよく見るが、高校生が制服で遊んでいるのは見たことない。でもありそうだ。たっったこれだけの絵だけど、私にとっては大きなやつを部屋に張っておきたいぐらい気に入っている。この作者、非常に絵がうまいよね。

さて内容だが、上述のように奇想天外な展開もなく、人を引きつける興味深さもない。だけどイヤな感じも全くしない。ほのぼのとゆったりと、時にはきゅんとする青春の一ページに触れられて、私はすごく好きになった。

郷土の皆さん、是非これを買い支えて、応援していきましょう。この町に住んでいる私たちにこそできることですよ。

ランク:倉敷で生きているみんなで買い支えましょう。

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