96時間(原題:Taken) 2009年 93分 フランス
脚本 リュック・ベッソン
前にも書いたが、ブルーレイドライブの調子を見るために、ブルーレイであるが故に借りた。で、最初に困った。
実はこの時3枚のブルーレイを借りていて、最初に見たのがこれだった。始まって、音声・字幕を変えようとメニューを開いたが、そこにあったのはフランス語と中国語だけだった。よく見るとフランス映画。このままではフランス語を聞きながら英語字幕を読まなければならない。とんでもないものを借りた。しかし、日本語吹き替えがないのならともなく、日本語字幕がないのは腑に落ちない。そもそもブルーレイなんて大容量なのだから日本語字幕も音声も入ってないのはおかしい。仮にそうであっても、パッケージに「日本語吹き替えはありません」旨の表示があるはず。そんなものはなかった。明らかにおかしい。
冷静になって、韓国製のプレーヤーがおかしいと思いだした。調べると、修理したあと全ての設定が「オリジナル」に変えられている。日本語モードが全てOFF。このせいか・・・と直すと、ちゃんと日本語メニューになり音声も字幕も日本語が表示される。さすが韓国製。日本製なら修理しても売った時と同じ設定にして送り返すだろうに、韓国では外国で売るモードにして返すらしい。日本法人が日本で売ったなら、日本モードにするのが当たり前という日本人的発想はないのだろう。やはりこれ、自分で買うなら選択肢には入れないだろう。
それ以外はまともに動いたのでもう返却した。私の確認の仕事は無事終了だ。
カリフォルニアに1人暮らす元CIA工作員のブライアン、今は引退してカリフォルニアで孤独な毎日を過ごしている。そんな彼の唯一の願いは、ずっと疎遠だったひとり娘17才のキムとの絆を修復することだった。そんなある日キムは友達と2人だけでパリ旅行に行きたいと実父に許可書へのサインを求めてくる。「ティーンエイジャーの女の子2人だけでパリ旅行なんて危険だ」とサインを拒んだが、元妻はそんなの当たり前、あなたが心配しすぎと取り合わない。子どもの気持ちも考え、ブライアンは定時連絡を入れる事を条件に許す。だがブライアンの不安は最悪の形で現実のものとなった。
パリに着いた無防備な娘2人は直後に拉致されてしまう。滞在するパリのアパルトマンに謎の一味が乱入。バスルームにいたキムはブライアンと携帯で話している最中で、窓越しに友人アマンダが拉致される光景を目撃する。ブライアンは彼女を励まし一味の人数や特徴を聞きだすが、やがて彼女の凄まじい絶叫を聞く。自らの手で娘の奪還を誓ったブライアンは、通話の音声から犯人一味はパリで勢力を拡大しているアルバニア系の人身売買マフィアであることをつきとめる。これまでの事例によると、事件発生から96時間が過ぎると被害者は救出不可能というデータがはじき出され、ブライアンは元妻の夫のプライベート・ジェット機で急遽パリへ飛ぶ。まず犯行現場で見つけたキムの壊れた携帯電話のメモリーをチェックし、一味の手先である青年を特定。さらにパリ警察の刑事から組織の縄張りを聞き出したブライアンは、秘かに売春が行なわれている工事現場へと向かった。キムのデニム・ジャケットを所持していた少女の証言から、拉致グループの隠れ家を割り出すが、そこにキムの姿はなく、麻薬中毒で息絶えたアマンダの死体を発見する。焦りを募らせるブライアンはなおも猛然とパリの裏社会の奥深くへと身を投じていくが、キムの救出可能なタイムリミットは刻一刻と迫っていた……。
息をもつかせないスピード感ある展開で、ドキドキしながら画面に祈った。娘のためなら何でもするという父親の執念(親ばかという人もいるだろうが)に感嘆するとともに、諜報機関で長年働いてきた人の能力にも驚かされる。
多くの人はこれを「映画だから」と思うだろうが、私はそう思ってない。この手の仕事をしてきた、それも長い間してきた人の能力はものすごいことを、ある番組で見て知っているから。実際にこれをやってのける人がいても驚かないし、これぐらいはするだろうなぐらいの気持ちもある。見ていない人は、そのつもりで見てもいいと思う。
加えて、平和ボケして世間知らずの女がいかにバカかという言うこともわかった。
娘はともかく、母親の態度には多くに人が腹を立てるだろう。私、普通ではあまり経験できないことも経験したから、こういう世間知らずの態度・発言を見ると「少しは社会勉強しなよ」と言いたくなる。もちろん私の体験とこの映画では雲泥の差だけどね。
と言うことで、世間知らずを認める人も見たらいいと思う。
ランク:スリリング。悪をぶったおす主人公が素晴らしい。
「あんたには恨みも何もない。これはビジネスだ。」
世間知らずの女(の子)に捧げる言葉