世界侵略: ロサンゼルス決戦
Battle: Los Angeles
(北米以外では『World Invasion: Battle LA』)
2011年 116分 アメリカ
9月17日公開で現在ロードショー中なので、これから見る予定で読みたくない人はここで止めてください。
この映画には興味があった。最新作なのでそう簡単には見られないと思っていたが、なんと19日には見ることができた。元々は4月に公開予定だったのが、押し寄せる波で人が飲み込まれるシーンもあったりと、3月の震災を考慮して9/17からの公開になったみたいだ。
事前の知識として:
1942年2月25日。ロサンゼルス上空に未確認飛行物体が出現、米軍が応戦する騒ぎとなった。後に「ロサンゼルスの戦い」と呼ばれたこの騒動は、大きな被害を出さないまま収束する。その後、同様の飛行物体が1965年にブエノスアイレス、1983年にソウル、1991年にロンドンで確認されるも、その実態は分からないままであった。
2011年、流星群が各大陸の沿岸部近海に降り注ぐ事件が起きた。NASAの科学者さえ事前にその存在を把握できず、またその流星群には中心に何か人工物らしきものがあったり、ばらけることもしないし、大気圏突入時には減速するなど、自然現象ではないことがわかってきた。
ベテランの二等軍曹ナンツは事情で退役届を出していたが、この非常事態を受けLAの基地に召集される。だがこのたたき上げのベテラン海兵隊員は、公表されて無くても事態がたんなる気象現象ではない事に気づいてくる。ついに相手は無差別に攻撃してきた。これは演習ではない。戦争だ。彼らは未知の敵と戦う事になるが、敵を把握できない人類は一方的にやられる展開となる。前線に投入され民間人を助けようとするナンツたちもどんどんやられていくのだが・・。
先に公開された米国での評価は芳しくないが、私には非常に面白かった。手に汗握るスリリングな展開で、未知の敵からの侵略は恐怖そのものだった。その中で自分たちの力で地球を(人類を)守ろうとする軍人の行動が高らかに歌い上げられる。人間とはすごいものだ。仲間とは絆とはと、いかにもアメリカっぽく歌われる。その善し悪しは見る人にまかせるにして、恐怖、迫力、リアリティが素晴らしかったと書いておこう。
未知の敵は強いがエイリアンやプレデターのように超人的な存在ではなく、ちゃんと通常兵器が役に立つし、相手の科学力が勝っているにしても、手も足も出ないとはなっていない。勇敢に戦えばそれなりに効果はある。しかし奇襲されると、最強のアメリカ軍でもこうなるのかとも描かれる。そんな戦闘シーンの恐怖よりも、私は別の恐怖を感じていた。
以前にこんなことを書いていた人がいた。
「アメリカ(政府?軍?シークレットガバメント??)は、意図を持って映画を作らせている(その意志にそった映画が作られている)」と言うような内容だった。
かつて宇宙人は友好的だった。未知との遭遇からETぐらいまで、相手は友好的な宇宙人だった。スターウォーズでさえ、一部のダークな人を除けば、どんな人種でも、外観でも、善を行う立派な人たちであった。それは上の『意図(意志)』で、宇宙人は友好的だと言う概念を植え付けることを目的とした映画が作られていたからだ。しかし今は違う。宇宙人の本性がわかるにつれ、宇宙人は悪いやつ、侵略者という刷り込みをしておかなければいけない。だからそんな映画ばかりになってきた。インデペンデンス・デイ、宇宙戦争、そしてこの映画・・。こうやって刷り込みをしておかないと、来るべき本当の宇宙人との接触、戦いの時に困る。ちゃんと備えておかないと・・。
そんなことを話す人がいた。
それが真実かどうか不明だが、私にはそれが真実めいていて、これを見ながらホントに怖かった。来るXデーは間近なんじゃないかと、恐怖に震えた。
皆さんはそうは思わないだろう。単純に映画として楽しめばいいし、それがいいと思う。
ウィキには『アクション映画であると同時にモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)映画としての要素も含まれている』と書いてある。『モキュメンタリー(英: Mockumentary)は、映画やテレビ番組のジャンルの1つで、架空の人物や団体、虚構の事件や出来事に基づいて作られるドキュメンタリー風表現手法』だそうで、有名どころでは「第三の選択」や「食人族」、NHKのタイムスクープハンターもこれに属するようだ。
それならそれでいい。私の持つ本能的恐怖はきっと間違いだろう。それが一番いいことだ。その方がいい。これは単なる娯楽映画だ。
ランク:ぜひ映画館でお楽しみください。私は怖くて仕方ない。