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趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME7 XIX : The Deparature of Boromir

2006-01-11 00:27:47 | Tolkien・HoME
トールキンさんはまだここでFOTRとTTTを分けるとは考えていなかったそうですが‥

角笛や叫び声を聞いて,トロッターはトラブルが起きた事を知ります。急いで駆け下りるとボロミアが木の下で横たわっていました。「私は指輪を奪おうとした。」とボロミア。「すまない,できるだけの償いはした。」少なくても20人のオークの死骸が周りにありました。「奴らは彼らを連れ去った。Elfstone,ミナス・ティリスに行って,人々を助けてくれ。私はできるだけの事をした。」そして彼は亡くなりました。
トロッターはとても困惑,とにかくボロミアをどこかに埋めなければ‥,そして彼はレゴラス,ギムリと一緒に,枝を集めてひつぎを作り,ボートに置きます。トロッターはボートが1艘無くなっている事に気付きます。そしてサムもいなくなっていました。彼はレゴラス,ギムリと話し合い,メリーとピピンを捜す事にします。

(そして同時期に書かれたと思われる,続きの話)

トロッターは倒れているオークの体型や武器から,北の霧ふり山脈のオークと察知します。モリアのオークか? 実は彼らは実際,サルマンの部下のモリアのオークで,ガンダルフが死んだ知らせをサルマンに届ける所で,かつ,フロドを含むホビットをアイゼンガルドに連れていくよう命じられていたのでした。

(おっと,正式版と微妙?な違いがありますね~(笑))

ここでメモ
トロッターはアモン・ヘンで何かを見る事にするか? もし見るとすれば,(1)1羽の鷲 (2)老人がフロドの様に鏡を見ている所 (3)木の下に隠れているオーク達

クリストファーさんは,お父さんの新聞コピー落書き(実は第2次大戦初期の日本のマレーシア攻撃を示す記事の見出し(汗))から,これらの下書きを書いた時期を割り出し,1941-1942年の冬と見ています。またそこから,お父さんは一旦1939年にモリアで一旦筆を止め,2年のブランクの後に再開したと推測しています。

下書き続き。

トロッターは丘を駆け上がり,足跡を調べますが,殆どが岩場または落ち葉の為,レンジャーに取ってもホビットがどちらへ行ったかを見るのは簡単ではありません。しかし頂上からそんなに遠くない所に小さな泉があり,そこの湿った地面から,捜している物を見つけました。そこから彼(フロド)の濡れた足が岩場を登っている事がわかります。トロッターは椅子に上がり,彼が何を見たのか,と,思います。東には雲がかかり,下の方にオークが隠れています。そして,遠くに鷲を見ます。そして老人が歩いているのが見えます。彼の衣服は灰色のようでしたが,風が吹いて,中に輝く白い物がちらっと見えました。(その後,オークの襲来,ボロミアの発見に続く‥)

(しかしトールキンさんは,結局トロッターは椅子には到達せず,丘の上から見たのは,キャンプ地と,川と森だけという事にしてしまいます。何故フロドがアモン・ヘンからいろいろ見えたのに,アラゴルンには(結局正式版でも)見えなかったのか,トールキンさんは何も説明してないそうですが,クリストファーさんは,アモン・ヘンの力+指輪の力があって,フロドには見えたのではないか,と推測しています)

次の下書き。

トロッターは,一部のオークは霧ふり山脈つまりモリアのオークであると気が付きますが,他のオークは体が大きく,武器も違い,白い金属にルーン文字で「S」と書いてあるので,どこのオークだろうと問いかけます。ギムリはサウロンの「S」だろうと言いますが,レゴラスは「彼はルーン文字は使わない」と言います。トロッターは「S」はサルマンの「S」だ,それにしても,彼はロスロリアンの警戒もくぐり抜けたのだな,サルマンは単にサウロンの為だけに働いているのか,彼自身何か企んでいるのか,わからない,と,言います。するとギムリが「なぞなぞをしている暇はない。」

ボロミアの髪の色は当時「金茶色」(映画と一緒だ(笑))だったのだそうです。正式版は,ほとんど黒(dark),でしたね。

Ondorでは,ボロミアのボートは滝を越え,オスギリアスを通り,アンドゥインの複雑な河口を経て,大海に向かい,Belfalasの沖で幾千の海鳥達が弔歌を歌ったと,長く記されました。‥しかしこのバージョンでは,トロッター達は弔歌を歌わなかったそうです。(汗) ただし,その弔歌の最初のドラフトはこの頃の下書きの紙の中にあったそうです。(ここでは出てこないのかな)

トロッターは,キャンプ地にはホビットの足跡を見つけられませんでしたが,ボートが1つ消えている事から,「まずフロドが指輪をしてここに来て,サムに会った‥いや,サムはフロドの心を知っていたのだ:彼は知識ではなく愛情から察知していたのだ。そして,彼が出発する前に捕まえたのだろう。」しかしギムリが「それにしてもオークを見て怖かったにせよ,挨拶の1つもなしに去るなんて,ひどいじゃないか。」 トロッター「そうは思わぬ。サムは正しい。彼(フロド)は我々をモルドールで死なせたくなかったのだ。1人で,そして秘密裏に行きたかったのだ。丘の上で何かが起きたのだ。全てはわからないが,ボロミアは力で指輪を奪おうとしたのだ。」 これにはレゴラスとギムリは仰天。さらにトロッター「彼(ボロミア)を悪く思ってはならぬ。彼は勇敢に代償を支払い,告白したのだ。」

(さすが「元ホビット,ペレグリン・ボフィン」(笑) サムの心を読めるんですね!)

その後,鉛筆で下書き。

ボロミアの悪い行いをトロッターに言わせるのはよくないかな。
彼らはボートを引き上げる。オークを追って西へ向かう。トロッターのプランはサルン・ゲビアを下り,ローハンに入って馬を借りる事だ。
レゴラス,鷲を見る
彼らは丘を上がってくる老人に会う。誰かわからないがどこかで見たような。。サルマンではないかと怪しむ。

(それでトロッターが丘の上からじいさんを見るシーンがあったのか。。でもガンダルフに会うのがはょっと早いぞ!(笑))

そして,トロッターがボロミアの事をバラさない版です。

「彼(フロド)が我々を離れた後に何かが彼に決意させたのだ。彼は急に恐れや疑いを克服した。それはオークと出遭ったからという事ではないと思う。」トロッターは何を考えたのかは言いませんでした。ボロミアの最期の言葉を彼はその後ずっと(ever)秘密にしておきました。(正式版では,"ever"ではなく"long"だそうです)

彼らはボートを引き上げ,不必要な物や持って行けない物を一緒にそこに置きました。(はぁ~,この行為が映画版FOTRの最後のアラゴルンのセリフ,"We travel light."になるんですね!)
トロッター,ギムリ,レゴラスは,オーク達の足跡はホビットとも人間とも違って,育つ物を踏み潰すと言います。トロッターは「ローハンに出れば馬を手に入れる事ができるだろう。もし私の考えが合っていて彼らがアイゼンガルドに向かっているのなら,彼らは

‥ここで突然文章が切れています。(汗) クリストファーさんによると,「続きがない!」という事です。

話のキレはよくないと思ったのですが,この章に入ったら,やはり本当に話が切り替わり,TTTなんだなぁ~と実感しました。

次はいよいよ,ローハンのメンバー登場です。


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