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HoME9 XI : The Epilogue (6)

2007-07-17 23:56:41 | Tolkien・HoME
いよいよ,長い年月(^^;)をかけたHoME読書も今日が最後です。
以前にも書きましたが,狙ったわけでもないのに,某箒少年物語の最後の巻発売をあと4日後に控えた日に,指輪物語の最後の下書きを読んだというのは,何かとてもイミシンな運命のいたずらを感じます。

2つ目の下書きでは,サムパパが読み聞かせるシーンはないんですね。エラノールは字読めるので。この後,本の方には,アラゴルンが送ったとされる手紙のコピーが載っています。

トールキンさんの手紙の131には,そのエピローグでのサムについて,述べられているようです。以下におおよその内容。

<手紙>
ホビット庄の掃蕩以降,主にサムの働きによってシャイアは復興。しかしフロドは,病が癒える事はなかった。彼は自分を犠牲にしてシャイアを守った。サムは主人への愛を取るか,ローズを取るか迫られる。彼はやがてある日,フロドと共に最後の旅に出る。その途中,これから発とうとしているエルフやガンダルフに会う。フロド,ビルボと彼らは,西の海に向かい,二度と戻らない旅に出る。このアーサー王伝説的なエンディングは,はっきり死を意味するものでも,復活を期待させるものでもない。

サムは家に帰り,夫人と長女エラノールが出迎える。その後子供達と一緒の短いエピローグがある。彼は何度も庄長となり,忙しい日々を送り,ビルボの時代から続く本を書き上げるのに苦労している。最後に,彼は,家の外で,妻とその平和な暮らしを語るが,ドアを閉じる時,彼は海のため息を聞く。
</手紙>

。。。だそうで,トールキンさんが本当に意図したラストは,わざわざ17年後と,最初の時間の取り方にも合わせて,「海のため息」だったという事がわかりますね。しかし,その後の話をちらつかせる事は"so universally condemned"(よっぽど,皆に「やめて~~~」と言われたんでしょうねえ(汗))だったので,やめる事にしたそうです。"One must stop somewhere."と,未練たっぷり。(笑)

さらに彼はこの決断を仕方なく受け入れつつ,1955年,ROTK出版後に手紙173番で,「何かサムとエラノールの話がちゃんと終わってないようで,すっきりしないけど,エンディングをぶち壊しにするような物は,追補編でしか入れられないんだ。」

最後までどうしても諦め切れないトールキン先生の姿が目に浮かぶようで,思わず,I love Tolkien!!! なのでした!


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2 コメント

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読了おめでとうございます! (ぐら)
2007-07-18 23:03:53
ついに読み終わられたんですね!
おめでとうございます(?)&お疲れ様でした!
私まで読んだ気にさせていただいて、楽しかったです。そのうちにえるさんの感想から気になったところだけでも自力で読めたらいいなあと思ってます!

終盤の物語は、どんどんシビアで寂しくて悲しいものに変えられていったんですね・・・
悲しいけれど、だからこそ心に響いたのかなあとも思います。最初に読んだ時は本当にショックでしたけど・・・
エピローグがカットされたのも、残念だけれど理解はできますね。あのラストの後にあったらやっぱり違和感が。
でも結局追補編にもサムと子供たちの会話の形では載らなかったのが残念です。せめてこういう形で読めたことはクリストファー氏に感謝したいですね。
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やっと終わりました (える)
2007-07-20 00:29:51
ぐらさんこんばんは!
いや~ホントに長かったです。気が付けばダントツで最大のカテゴリーに。。
私は,歴史小説好きで,慣れているので,何となれば,レゴラスが中つ国を発つ日の話まで収録されていても構わなかったりして。。(笑)
でも確かに,歴史小説は最後まで読むと興ざめ(笑)な事が多いですね。普通の小説としては,あそこで終わるのが正解ですね。

こんなスゴイ小説の下書きがずっと読めてとても楽しかったですね。クリストファーさん,ホント偉大な方ですね!
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