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趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

ベオウルフ (Beowulf and Grendel)

2008-06-01 19:35:16 | 映画
本の感想を書いた直後にまた感想(笑)‥‥って,こちらは映画の感想です。ただし,映画のベオウルフと言っても,アンジェリーナ・ジョリーが出ていたヤツではなく,ジェラルド・バトラー主演のヤツです。今年の初めにDVDを買っておいたのですが,今回,原作?を読了したので,めでたくDVD鑑賞しました。

え?何故「?」が付いてしまったかって? この映画は,原題が"Beowulf and Grendel"である事でもわかりますが,かなりGrendelに着目しているので。おそらく,違う原作が存在するのだと思います。(読んだ事はありませんが,Grendelに着目した本があります)また,この映画には,前半のGrendelのお話のみ収録されています。日本語版の解説には,第1弾と書かれていましたが,第2弾のドラゴン編が制作される可能性は,ないような気がします。

で,とりあえず感想ですが。
まず,風景が美しかったです。全く人の手が入ってないような,海辺と広大な緑の草原と,荒涼とした大地。ロケ地はアイスランドだそうです。以前から思っていたのですが,物価が異常に高くなければ,是非行ってみたい国です。

そして,映画自体は,‥‥プリミティブ!(^^;) 最初の方に,BeowulfがHygelacと話をしているシーンがあるのですが,何だか海辺でキャンプ生活をしている一部族のような感じでした。でもGeatって,王国のはずでしょ?(汗) そして,Dene王国には,Heorotの館はあるのですが,これが,まるで漁師小屋。(^o^;) 一応LOTRに出てくるローハンの黄金館のような雰囲気はあるのですが,‥‥。で,人々は,それなりの服装だし,もちろん鎧兜や武器もあるのですが,そういう物を作っている町か村があるような気配が全くありません。

昔,中国とイスラム圏は早くから文明を持っていて,お互いに交易していたのですが,ヨーロッパは文明が遅れていて,アジア圏と交易できる文化を持てるようになるまで,かなり時間を要した,と,お友達から聞いたのですが,まさに,ゲルマン民族大移動当時の,野蛮で遅れていたヨーロッパが表現されているのかな?と思いました。(そういう意味では,時代考証的には成功と言えるのかも)

私の読んだ原作には出てこない,GrendelがDene人を憎むようになった理由が描かれていました。子供だった彼の目の前で,お父さんが,領地の魚を取ったという理由で,Hrothgarの軍勢(数人ですが)に殺されてしまったのですね。ただ,Hrothgarは,幼いGrendelは殺しませんでした。その後成長したGrendelは,ただ恐ろしいだけではなく,優しくてお茶目な面もある,怪物というよりは「人間」として描かれていました。

また,これも原作には出てこない,Selmaという女性(人々は「魔女」と言う)が,他のDeneの人々からは1歩離れた所に暮らし,Beowulfに助言を与えて,心を通わせていました。英雄モノ映画には,やはりどうしても「女」が必要という事なのでしょうか,ただ,このSelmaには,Beowulfと心を通わせる以外に,もう1つ重要な役割があるのですが。(汗)

Grendelのママが復讐に登場するシーンがあるのですが,そこだけやたら原作に忠実でした。もちろんアンジェリーナ・ジョリーではありませんよ。(笑)

ジェラルド・バトラーと言えば,オペラ座の怪人が有名ですが,私は,憂いを秘めた仮面の男より,300とかのように体育会系の真っ直ぐに戦う男の方が絶対似合っていると思ってます。(笑)(私ったら,300の感想を書いた時も,同じ事書いているんだね(爆)) また,調べてみたら,この映画は,300の1つ前の出演作品になるんですね。

で,感想はどうよ(笑)なのですが,先ほど書いた通り,風景がこの世のものとは思えないほど美しいし,時代考証とか,あのベオウルフの話を,映像にしたらこうなるのかな,と,イメージが掴めたという事ではまあまあだったかなと思います。ただ,もうちょっと魅力的にできたのではないかなあ?というのが正直な感想ですねぇ。。


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