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文科省の「学校の働き方改革」推奨例は、管理強化策でしかなかった

2020年02月15日 | こども危機
  =文科省「学校の働き方改革フォーラム」で表面化した実態(金曜アンテナ)=
 ◆ 透けて見える管理統制強化


登壇した司会の妹尾昌俊氏(右)と、「優良事例」の教委幹部、校長ら(撮影/永野厚男)

 文部科学省の狙う“学校の働き方改革”は、管理職候補教員の授業時数減や、教員の業務の数値化等、管理統制強化だ。
 同省が1月31日、500人近い教育委員会関係者や校長らを集め、東京都千代田区内で開催した「学校の働き方改革フォーラム~優良事例大集合!広げよう実践の輪」で、こんな実態が明らかになった。
 登壇した横浜市立羽沢(はざわ)小学校の田屋多恵子(たやたえこ)校長は「高学年で音楽と家庭科は専科教員に、外国語活動(6年は体育も)をチームマネージャーに担当させ、担任教員に5年生で45分×5コマ、6年で同8コマの空き時間を作った」と発表。
 ここまでなら多忙化解消策だ。

 しかし田屋氏は“チームマネージャー”なる教員が「担任を持たない管理職候補だ」とも述べた。
 多くの都道府県等の教委は管理職(副校長・教頭)候補である主幹教諭等の授業時間を軽減し、定期的に学校を離れ研修を受講させるが、卒業式の”君が代”起立強制の職務命令発出等、統制目的の“服務研修”を実施する教委もある。
 広島県立府中(ふちゅう)高校の古前勝教(ふるまえかつのり)校長は、”見える化”と称し、「教科授業は10、3年正担任は5~7など数値化し、学期ごと・教員ごとの『業務量調査集約表』を作成している取組事例」を発表。
 だが、パネルディスカッションでコーデイネーターの妹尾昌俊(せのおまさとし)氏が「この調査自体が負担でないか」という、参加者の質問を読み上げると、古前氏は調査に時間がかかることを認め、「教員はこの調査を嫌がっている」と答えざるを得なかった。
 また、新潟市教委の和泉哲章(わいずみのりあき)学校人事課管理主事は2018年9月に正式導入したスクールロイヤー制度について「学校に改善を求めることもあり、必ずしも学校の側に立つわけではない」と述べた。
 文科省や教委が実施する“調査”のうち“君が代”実施状況、職員会議での決定方法等、政治色の濃い調査は廃止を求める声が少なくない。
 だが同省人選の登壇者12人は、誰もこれには触れなかった。

永野厚男・教育ジャーナリスト

『週刊金曜日 1268号』(2020.2.14)


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