■ 天皇・皇后の成婚・即位記念コンサートについて
皆様
繰り返しで恐縮ですが、4月28日に予定されている天皇・皇后の成婚50周年、即位20周年を祝うコンサートについて感じることをお伝えします。
今回の企画は、
①産経新聞社という特定の報道機関等と共催で、
②日本を代表する経済団体の後援を受けて、
③NHKが、天皇・皇后の成婚、即位の節目を祝う催しを、「報道対象」として扱うのではなく、催しの「主催者=当事者」に加わる点で、先例のない重大な問題をはらんでいると思われます。
もう少し敷衍しますと、
④昨日のやりとりでも、NHKは日時は未定ながら、いずれコンサートは放送する、といっています。しかし、コンサートの開催費用ならびに番組制作費用の一部に受信料が充てられるとなれば、天皇制について様々な信条を持つ視聴者の思想・内心の自由を侵すおそれをはらんでいます。
⑤後援団体である経済団体が開催費用(番組制作費用に通じます)の一部を負担するとなれば、事実上、スポンサー付きの番組となり、これはこれで大いに問題のある先例になると考えられます。
皆様はどのようにお考えでしょうか?
今からでも、皆様が参加される会あるいは個人として、この件を議論していただき、多くの団体・個人が開催日までに何らかの意見表明をすることが必要ではないかと感じていますが、いかがでしょうか?
ETV番組改編問題に関するNHKの説明の中に、「このテーマ(天皇が絡む問題)の扱いは難しかったため、慎重を期した」という釈明がたびたび出てきます。これは過去のことではなく、これからも天皇制が絡む問題は摩擦を避けて正面から取り上げないという風潮が続く(あるいは強まる)ことを予想させます。
この件をマスコミは問題視する気配はありません。
しかし、天皇にまつわるテーマについて市民は常に祝意を強制され、物をいいにくい風潮がまかりとおる現実(学校現場では処分が繰り返される現実)は、成熟した民主主義、国民主権の対極にあると同時に、ジャーナリズムの「非当事者原則」、政治的独立の原則と根本的に相容れないと思われます。
今回、NHKが天皇・皇后の成婚、即位の節目を祝う催しの「主催者=当事者」に加わるのをマスコミばかりか私たちも黙過することは、こうした風潮を無風のまま見過ごし、助長することにならないか、私は危惧しています。
ご参考までに昨日、私が参加する「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」と「NHK問題を考える会(兵庫)」が連名で福地NHK会長宛に提出した申し入れ書を添付させていただきます。重複の方はご容赦ください。
醍醐 聰
『醍醐聰のブログ』
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/
「天皇・皇后成婚50周年・即位20周年記念コンサート」
の企画に関する質問ならびに参画の取り止めを求める申し入れ
NHK会長
福地茂雄 様
NHKおよびNHK交響楽団は来る4月28日に日本クラシック音楽事業協会、産経新聞社との共催で、日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会の後援を受けて表題のようなコンサートを開催すると発表しています。しかし、私たちは視聴者の受信料で運営される公共放送NHKがこのような催しの主催者に加わるのは重大な問題であると考え、以下のような質問と申し入れを行います。これを真摯に受け止め、慎重に検討の上、4月13日までに文書で後掲の宛先へご回答くださるよう、お願いいたします。
1. NHKが天皇・皇后の成婚・即位の節目に因んで、それも特定の報道機関との共催で、また日本を代表する経済団体の後援を受けて、祝意を表する催しを開催したことは過去に例がありません。今回、こうした形の催しを企画することになったいきさつをご説明ください。
2. 今回の企画は放送法第9条以下に列挙されたNHKの業務のどの項のどういう業務に該当するのかご説明ください。
3. 主催者が発表した<イベント・インフォメーション>によれば入場無料となっていますが、諸々の開催費用はどこから捻出されるのでしょうか? 受信料の一部で賄われるのでしょうか? それとも他の主催者あるいは後援団体が負担するのでしょうか?
4. このコンサートは後日、NHKのいずれかのチャンネルで放送されるのでしょうか?
私たちの会は以下の理由により、NHKがこの催しに参画するのを撤回するよう申し入れます。
1. 主催者が発表した<イベント・インフォメーション>によれば、この催しは「天皇・皇后 両陛下は今年、ご成婚50周年、そしてご即位20周年をお迎えになられます。記念コンサート実行委員会ではこれを記念して、国内外で活躍する音楽家が集まり、クラシック音楽にご造詣の深い両陛下をお祝いするコンサートを開催します」と記されています。
しかし、天皇制は戦後わが国の政治、社会、教育の中で極めて政治性、思想性を帯びた問題であり続けたことは周知のとおりです。こうした状況の中で、NHKが天皇・皇后の成婚あるいは即位から何周年という節目を客観的事実として報道するのならともかく、天皇・皇后の成婚50周年、即位20周年に祝意を表する催しの主催者に加わることはNHKに求められる政治的公平、不偏不党と相容れません。
2. 今回、NHKが天皇・皇后の成婚50周年、即位20周年に祝意を表する催しの主催者に加わるとなれば、今後、NHKが天皇制に関わる番組制作にあたって政治的公平、不偏不党を貫けるのか、視聴者に重大な疑念を抱かせることになります。
3. 今回のような催しは放送法第9条以下で定められたNHKのいかなる業務にも該当せず、放送法から逸脱した企画であると考えられます。
4. 前記1で記したとおり、天皇制はわが国で現在もなお、極めて政治性、思想性を帯びた問題です。そうした中で、天皇・皇后の成婚・即位の節目を祝う催しの主催者にNHKが加わり、開催費用あるいはこの催しの番組制作費用を受信料の一部で賄うとなれば、それは様々な思想・信条を持つ視聴者の思想の自由、内心の自由を侵害することになり、思想および良心の自由を定めた憲法第19条に違反します。
5. かりに今回の催しの開催費用が他の主催者あるいは後援団体の負担で賄われ、後日、この催しがNHKのいずれかのチャンネルで放送されるとなれば、それはNHKの番組制作費用(の一部)を営利企業あるいはその連合団体の資金で賄うことを意味します。これは受信料を支柱とすることで放送の自主独立を貫こうとするNHKの理念と相容れない先例となるものであり、公共放送NHKの視聴者として容認することはできません。
皆様
繰り返しで恐縮ですが、4月28日に予定されている天皇・皇后の成婚50周年、即位20周年を祝うコンサートについて感じることをお伝えします。
今回の企画は、
①産経新聞社という特定の報道機関等と共催で、
②日本を代表する経済団体の後援を受けて、
③NHKが、天皇・皇后の成婚、即位の節目を祝う催しを、「報道対象」として扱うのではなく、催しの「主催者=当事者」に加わる点で、先例のない重大な問題をはらんでいると思われます。
もう少し敷衍しますと、
④昨日のやりとりでも、NHKは日時は未定ながら、いずれコンサートは放送する、といっています。しかし、コンサートの開催費用ならびに番組制作費用の一部に受信料が充てられるとなれば、天皇制について様々な信条を持つ視聴者の思想・内心の自由を侵すおそれをはらんでいます。
⑤後援団体である経済団体が開催費用(番組制作費用に通じます)の一部を負担するとなれば、事実上、スポンサー付きの番組となり、これはこれで大いに問題のある先例になると考えられます。
皆様はどのようにお考えでしょうか?
今からでも、皆様が参加される会あるいは個人として、この件を議論していただき、多くの団体・個人が開催日までに何らかの意見表明をすることが必要ではないかと感じていますが、いかがでしょうか?
ETV番組改編問題に関するNHKの説明の中に、「このテーマ(天皇が絡む問題)の扱いは難しかったため、慎重を期した」という釈明がたびたび出てきます。これは過去のことではなく、これからも天皇制が絡む問題は摩擦を避けて正面から取り上げないという風潮が続く(あるいは強まる)ことを予想させます。
この件をマスコミは問題視する気配はありません。
しかし、天皇にまつわるテーマについて市民は常に祝意を強制され、物をいいにくい風潮がまかりとおる現実(学校現場では処分が繰り返される現実)は、成熟した民主主義、国民主権の対極にあると同時に、ジャーナリズムの「非当事者原則」、政治的独立の原則と根本的に相容れないと思われます。
今回、NHKが天皇・皇后の成婚、即位の節目を祝う催しの「主催者=当事者」に加わるのをマスコミばかりか私たちも黙過することは、こうした風潮を無風のまま見過ごし、助長することにならないか、私は危惧しています。
ご参考までに昨日、私が参加する「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」と「NHK問題を考える会(兵庫)」が連名で福地NHK会長宛に提出した申し入れ書を添付させていただきます。重複の方はご容赦ください。
醍醐 聰
『醍醐聰のブログ』
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/
2009年4月3日
「天皇・皇后成婚50周年・即位20周年記念コンサート」
の企画に関する質問ならびに参画の取り止めを求める申し入れ
NHK会長
福地茂雄 様
NHK問題を考える会(兵庫)
代表 貫名初子
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
共同代表 湯山哲守・醍醐聰
代表 貫名初子
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
共同代表 湯山哲守・醍醐聰
NHKおよびNHK交響楽団は来る4月28日に日本クラシック音楽事業協会、産経新聞社との共催で、日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会の後援を受けて表題のようなコンサートを開催すると発表しています。しかし、私たちは視聴者の受信料で運営される公共放送NHKがこのような催しの主催者に加わるのは重大な問題であると考え、以下のような質問と申し入れを行います。これを真摯に受け止め、慎重に検討の上、4月13日までに文書で後掲の宛先へご回答くださるよう、お願いいたします。
質 問
1. NHKが天皇・皇后の成婚・即位の節目に因んで、それも特定の報道機関との共催で、また日本を代表する経済団体の後援を受けて、祝意を表する催しを開催したことは過去に例がありません。今回、こうした形の催しを企画することになったいきさつをご説明ください。
2. 今回の企画は放送法第9条以下に列挙されたNHKの業務のどの項のどういう業務に該当するのかご説明ください。
3. 主催者が発表した<イベント・インフォメーション>によれば入場無料となっていますが、諸々の開催費用はどこから捻出されるのでしょうか? 受信料の一部で賄われるのでしょうか? それとも他の主催者あるいは後援団体が負担するのでしょうか?
4. このコンサートは後日、NHKのいずれかのチャンネルで放送されるのでしょうか?
申し入れ
私たちの会は以下の理由により、NHKがこの催しに参画するのを撤回するよう申し入れます。
1. 主催者が発表した<イベント・インフォメーション>によれば、この催しは「天皇・皇后 両陛下は今年、ご成婚50周年、そしてご即位20周年をお迎えになられます。記念コンサート実行委員会ではこれを記念して、国内外で活躍する音楽家が集まり、クラシック音楽にご造詣の深い両陛下をお祝いするコンサートを開催します」と記されています。
しかし、天皇制は戦後わが国の政治、社会、教育の中で極めて政治性、思想性を帯びた問題であり続けたことは周知のとおりです。こうした状況の中で、NHKが天皇・皇后の成婚あるいは即位から何周年という節目を客観的事実として報道するのならともかく、天皇・皇后の成婚50周年、即位20周年に祝意を表する催しの主催者に加わることはNHKに求められる政治的公平、不偏不党と相容れません。
2. 今回、NHKが天皇・皇后の成婚50周年、即位20周年に祝意を表する催しの主催者に加わるとなれば、今後、NHKが天皇制に関わる番組制作にあたって政治的公平、不偏不党を貫けるのか、視聴者に重大な疑念を抱かせることになります。
3. 今回のような催しは放送法第9条以下で定められたNHKのいかなる業務にも該当せず、放送法から逸脱した企画であると考えられます。
4. 前記1で記したとおり、天皇制はわが国で現在もなお、極めて政治性、思想性を帯びた問題です。そうした中で、天皇・皇后の成婚・即位の節目を祝う催しの主催者にNHKが加わり、開催費用あるいはこの催しの番組制作費用を受信料の一部で賄うとなれば、それは様々な思想・信条を持つ視聴者の思想の自由、内心の自由を侵害することになり、思想および良心の自由を定めた憲法第19条に違反します。
5. かりに今回の催しの開催費用が他の主催者あるいは後援団体の負担で賄われ、後日、この催しがNHKのいずれかのチャンネルで放送されるとなれば、それはNHKの番組制作費用(の一部)を営利企業あるいはその連合団体の資金で賄うことを意味します。これは受信料を支柱とすることで放送の自主独立を貫こうとするNHKの理念と相容れない先例となるものであり、公共放送NHKの視聴者として容認することはできません。
以 上
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