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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 自衛隊の「市街地行進訓練」に抗議申し入れ

2024年06月26日 | 平和憲法

東京都板橋区長 坂本 健 殿

☆ 抗 議 申 入 書

2024年5月17日
改憲・戦争阻止!大行進板橋実行委員会(大行進板橋)大石高義
とめよう戦争への道!百万人署名運動東京北部連絡会(百万東京北部)五條敦

 私たち日本国憲法を護り、我が国を戦争をしない国として維持したいと考える者は、近時板橋区が自衛隊に対して行っている便宜供与は他の自治体と比べて突出しており、大問題だと考えています。
 たとえば、自衛官募集業務のために区が住民基本台帳から対象者のデータを抽出・印刷して自衛隊に提供していること(大行進板橋は、一昨年11月11日、昨年10月23日の二度にわたって区長に対して中止を要請する申し入れを行いました)、陸上自衛隊練馬駐屯地開催の第1師団創立62周年、練馬駐屯地創設73周年の記念行事のポスターを区庁舎た掲示したことなどです。
 その上で今回、私たちが抗議する事象は、下記の市街地行進訓練についてです。

 東日本大震災から13年を迎えた3月11日、陸上自衛隊練馬駐屯地を出発した第1師団第1普通科連隊の部隊が、「防災訓練」と称して、迷彩服に戦闘靴、ヘルメットの軍装でリュックを背負い、東京都区部の住宅地などを「行進」しました(翌日付『東京新聞』(山手版)に「13グループの計約300人が、駐屯地から23区の区役所などを目指して最大約6時間かけて歩いた」とする記事が掲載されました)。
 文京区、豊島区、北区、板橋区、練馬区で活動している私たち大行進板橋、百万東京北部のメンバーは、11日当日、練馬駐屯地を出発するグループや板橋区内の住宅地を行進するグループの様子を目の当たりにし、知人からの情報やネット上の記事、投稿などで3つのグループがそれぞれ北、板橋、練馬の各区役所に立ち寄ったことを確認しています。

 今回の訓練について、陸上自衛隊第1普通科連隊は、早くも3月11日午後2時58分に、『X』の公式アカウントに「連隊は大規模震災が発生した際、車両が通れない場合を想定して徒歩で区役所等に前進し、速やかに各区等と連携を図るための行進訓練を実施しました」と投稿しています。
 しかし、私たちはこの説明を鵜呑みすることはできません。「大規模震災が発生した際、車両が通れない場合」には、建物の倒壊や火災、そして避難場所や自宅に向かおうとして混乱する群衆も相まって、自衛隊員といえども徒歩での行進は困難を極めると想定されるからです。
 また、区と連携を図ると言いますが、わざわざ区役所まで行進してどんな活動を担うのか、その内容が明確ではありません。
 こうしたことから、私たちは、今回の訓練には、「防災」をロ実としながら、多くの市民が軍装の自衛隊の部隊がまちなかに存在することを当たり前の光景として受け入れ違和感を覚えなくなるようにさせ、有事ばかりか平時においても市街地における自衛隊の行動の自由度を確保・拡充しようとする目的が隠されていると考えます。
 自衛隊の部隊が隊列を組んで市街地を行進する姿は、戦闘訓練そのものです。「23区唯一の普通科連隊」の所在地である練馬駐屯地は、首都における戦争出撃拠点です。そして、練馬駐屯地の部隊は、反戦デモなどを鎮圧する治安部隊でもあります。

 今から12年前、2012年の7月16~17日に、今回と同じ陸上自衛隊の第1普通科連隊が夜間の「災害訓練」を実施した際にも、半数の区が受け入れを拒む中、自衛隊員に宿泊場所を提供した板橋区に対して、百万東京北部は、抗議の申し入れを行いました。
 それにもかかわらず、今回もまた、板橋区が自衛隊の要請を安易に受け入れ、目的も効果も定かでない訓練に協力してしまったことに、強く抗議します。

 また、これほど重要な事態に際して、事前に区民に対する広報が一切なかったことも大きな問題です。
 今回、一部の区議会議員が区庁舎に出入りする自衛隊員を拍手で送迎したようですが、私たちには情報がなく抗議行動を行うことができませんでした。こんなことは絶対に容認できません。
 坂本健区長には、『板橋区平和都市宣言』(1985年)に謳った恒久平和主義の理念に基づき、区民の生命や権利を尊重する立場から、「平和都市板橋」の区長として区政に取り組み、北村西望氏が制作した「平和祈念像」の前を自衛隊が行軍するという異様な光景を二度と繰り返すことのないように求めます。

 こうしたことから、今後、板橋区が意味も目的も定かでない自衛隊の訓練に一切協力することのないよう強く要求すると同時に、以下の事項について文書での回答を求めます。

1.今回の自衛隊の「防災訓練」に際して庁舎立ち寄りを受け入れた経緯、すなわち、

①自衛隊から区への連絡(いつ要請があったのか、それはロ頭でなされたのか文書でなされたのか、区役所に立ち寄る理由や訓練の内容についてどのような説明があったのか等)

②区としての対応の検討(どの部局で検討しどのレベルで決裁したのか=区長決裁か否か、議会の会派や区議に知らせたのか/知らせていなければそれはなぜか、他区と情報交換を行ったのか等)、

③自衛隊に対する返答(いつどのような返答をしたのか、それは口頭で行ったのか文書で行ったのか、受け入れに当たってどのような条件を付けたのかまたはつけなかったのか等)

2.区役所立ち寄り当日の自衛隊の行動、すなわち

①いつどこから何人の部隊が庁舎に入ったのか

②自衛隊の部隊は庁舎内のどこでどのような「訓練」を行ったのか、「訓練」に際して区に対してどのような要請・要求が事前にまたは当日にあったのか

③区としては、どの部署のどのレベルの職員が何人でどのように対応したのか

④部隊の滞在時間はどのくらいだったのか

3.自衛隊が区役所に立ち寄ったことによる影響、すなわち

①庁舎を訪れていた区民などは突然軍装姿の自衛隊員に遭遇してどのような反応を見せたのか、苦情や抗議はなかったか、あったとしたらそれはどのような内容だったか

②区の職員は自衛隊員の立ち寄りを承知していたのか、区の業務に支障は生じなかったか

4.今回、なぜ事前に区民に対する広報を行わなかったのか

5.区として、今回の自衛隊部隊の区庁舎への立ち寄りをどのように総括しているか、すなわち、

①今回の自衛隊の「防災訓練」の受け入れが、今後、災害時に区が自衛隊と連携して行うべき災害対策を検討していく上でどのような成果がありどのような課題が見出せたか

②事前に区民に対する広報を行わなかったことをどのように評価しているか

 以上について、2024年6月18日までに回答されることを求めます。万一それができない場合は、できない旨とその理由をご回答ください。

以上

『とめよう戦争への道!百万人署名運動 東京北部連絡会ニュース 第194号』(2024年5月30日)


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