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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

放射能汚染地域の「毒砂」とは何か。

2019年02月21日 | フクシマ原発震災
 ◆ 「毒砂」2 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 「毒砂」のタイトルの小冊子は、一人の男が測定器を片手に、敢然と福島県郡山市の放射線を踏査した記録である。
 県庁職員だった安西宏之氏がフクシマのあと退職。「懸かれたように測定した」悲痛な記録、とこの欄(五日)で紹介した。
 原発から四十数キロ、それでも一・四二マイクロシーベルトの地点もあった。調べれば調べるほど、汚染状況は深刻さを増す。ひとり汚染に対峙(たいじ)する頼りなさと恐怖によって、安西さんは心身ともに衰弱して、独居の遺体で発見される。
 「わたしらは侮辱のなかに生きています」との言葉を彼は引用している。
 それは大江健三郎さんが代々木公園での「さようなら原発全国集会」の発言に引用していた、中野重治の初期の作品『春さきの風』の女主人公の声だった。
 私と共通の読書体験が安西さんの篤実な人柄を共感させた。
 「毒砂」とはなにか。
 「安西さんがここは(汚染が)高いところですよ、と言う場所はたしかに、黒っぽい不潔な泥-乾いていたり、湿っていたりしていましたが-がある場所でした。いわば吹き溜(だ)まりのような場所です。それを表現して毒砂とは、よくいったもの、と思います」
 調査に同行した原子力資料情報室共同代表の山口幸夫さんの話。

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『東京新聞』(2019年2月19日【本音のコラム】)


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