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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都庁前通信 2020年2月20日号

2020年02月23日 | 暴走する都教委
  《河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 都庁前通信》
 ● 学力テストでパソコン使用へ
   企業を儲けさせるのが目的?


 小学6年生と中学3年生を対象に2007年以来毎年文科省が行ってきた全国学力テスト競争をあおり、点数の取れない子を排除しかねない(実際にいくらも事例がある)学力テストは、都や各市町村が行う学力テストも含め、弊害が大きい
 この全国学力テストに関して、萩生田文科大臣は1月31日の閣議後の記者会見で、「早期のCBT(出題と解答にパソコンを活用する方式)化を図る必要がある」と述べた。
 政府が2023年度までに全小中学校へ「1人1台パソコン配備」を目指していることや、学校での「働き方改革」の観点からという。
 「1人1台パソコン整備」方針は突如、昨年末に閣議決定し、19年度補正予算で2318億円を計上。
 政府の方針では、パソコン購入に対する補助額は1人当たり45000円で、学校内の通信環境は半額補助、パソコンの保守管理は市区町村が負担という。
 そもそもICT・情報機器の活用は義務教育課程での基礎学力ではない。子ども一人ひとりの資質と能力を大切にして、伸ばしていくことを意識し、人格の完成を目指すことがとりわけ義務教育段階では重要だ。
 ICT・パソコン学習でその時間を削ってはならない。


  《1月30日都教委定例会傍聴報告》
 ● 「働き方改革」と言いながら、子どもや教員に新たな負担増ばかり


 ● 「来年度教育庁所管事業予算・職員定数等について」

 「来年度予算はICT、オリ・パラ教育、働き方改革に使う予算が多くなった」(前年度比8.9%増)と報告者。そこで、ICT、オリ・パラ教育について見ていきたい。
 ◎ICT(情報通信技術)
 「ICT技術を積極的に活用した『TOKYO スマート・スクール・プロジェクト』の取組により…主体的・対話的な学びを深化」すると謳う。『TOKYO スマート・スクール・プロジェクト』とは、都立学校に「1人1台のモバイル端末を実現」し、「エビデンスベースの指導を展開」する。エビデンスベースとは、根拠に基づいたとの意。「Society5.0 に向けた指導方法の確立」として、研究校を指定する。区市町村にも「補助を行い、小中学校のICT整備を支援」するという。都教委は教育を企業に売り渡したのだ。
 ICTを使うために教員は忙しくさせられ、ICT教材を販売し、ICT環境を保持する企業が学校に入ってくる。「主体的・対話的な深い学び」どころか、より一層、子どもたちの教員との触れ合いが奪われる。スマート・スクール推進校に指定されたある学校では、教職員のすべてが、これに反対したという。それでも、「推進校」にされるのだ。
 ◎オリ・パラ教育
 「東京都オリンピック・パラリンピック教育の集大成として、子供たちが…競技を直接観戦し、その感動をかけがえのないレガシーとして築いていくため、…観戦チケットを確保するとともに、暑さ対策も含めた観戦時の安全対策を実施」「都立高校生のボランティア意識を高め、実際の活動へとつなげるため、全都立高校参加のボランティア・サミットを開催するとともに、生徒が実施するボランティア活動を支援。また、中高生の東京2020大会におけるボランティア体験の機会を確保」等を謳う。
 「その感動をかけがえのないレガシーとして築いていく」は都教委の勝手な感動の押しつけではないか。暑さ観戦については、熱中症や交通事情への心配が校長たちから多く寄せられている。区市によっては、低学年の観戦を止めたところもある(新聞報道)。しかし、都教委の上記文言からは、その具体策は見えてこない。命にかかわることであり、新聞報道もされているのに、教育委員からの発言も一切ない。
 高校生のボランティア・サミットの1回目が18年11月3日に開催されたとき、参加希望者がいなくて、生徒会長が本人の意思ではなく参加せざるを得なかった等の話を聞いた。都教委はその反省もせずに、再び、「全都立校」に参加を強制するのか。
実態を見ようとも、当事者の声を聴こうともせずに都教委が作った事業内容である。

 ● 「学校における働き方改革の成果と今後の展開について」

 調査項目に時間外労働「0時間」はなく、1か月あたりの時間外労働が「45時間以下」「45時間超~80時間以下」「80時間超」の、3区分での調査結果の報告だった。「45時間以下」とは、1日2時間の時間外労働は問題なしという前提だ。
 月当たりの時間外労働が「45時間以下」の割合は、一番多い小学校教員で 55,7%。
 昨年度と今年度の時間外労働の比較では、最も時間外労働の多かった特別支援学校副校長では、過労死ラインの1か月あたり「80時間超」は昨年の57,7%から今年度は25,3%に減少。
 週当たり削減時間は、印刷や片付け等、教員を補助するスクール・サポート・スタッフを配置した地区・学校では4時間30分、「学校マネジメント強化モデル事業」(副校長を補佐する非常勤職員を配置など)をした学校では、特別支援学校で12時間35分。
 部活動指導員を配置した中学校は1時間33分。
 都教委はこれらを「成果」として報告した。

 来年度の取組として、都立学校では「全校で学校閉庁日を5日以上設定」「学校マネジメント強化モデル事業の実施規模を46校に拡大」等をあげる。都立学校は259校あるのに、今年度、学校マネジメント強化モデル事業をしたのは14校。なぜ、全校で実施しなかったのか。過労死の危機感を持たなかったのか、と思う。
 学校マネジメント強化モデル事業等で時間外労働を減らすのではなく、必要ではない仕事の検討・整理(=子どものためにならない文書作成等を都教委は指示しない)、教員定数の増、30人以下学級の実施等、時間外労働をしなくて済む方策を出すのが、都教委の職務であり責任である。都教委が次々に打ち出す事業や「〇〇指定校」もやめることだ。
 都教委のなすべきは、教育の原点ともいうべき「子どもたちが人格の完成をめざす」ことができるよう、その環境や人的体制をつくることだ。それをしたら、日本の子どもたちが国際比較で低い、自己肯定感も持てるようになるはずだ。
『河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会』(2020/02/20)

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