パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

⑥【2024.7.21「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会資料】(6/16)松田

2024年08月10日 | 「日の丸・君が代」強制反対

 ◆ 『「君が代」強制は子どもの権利条約違反!』を世論としていく展望
   「君が代」調教NO!裁判とD-TaC 運動の報告

元大阪市立中学校教員 「君が代」不起立被処分者 D-TaC 松田幹雄

 【「君が代」調教NO!裁判の経過】

1999年8月 国旗国歌法制定
2011年6月 大阪府国旗国歌条例制定
2012年2月 大阪市国旗国歌条例制定
2012年5月 大阪市職員基本条例制定
2014年4月 大阪市立中野中学校に転勤 3 年生担任
2015年3月 卒業式で不起立 事情聴取 上申書・上申書(2)提出
2015年5月 戒告処分
2015年7月 大阪市人事員会に処分取消を求めて審査請求 D-TaC 結成
2020年6月 大阪市人事員会が棄却の裁決
2020年12月 大阪地裁に提訴 「君が代」調教NO!松田処分取消裁判と名づける
2022年11月 大阪地裁判決 請求棄却
2022年12月 大阪高裁に控訴
2023年7月 大阪高裁判決 控訴棄却
2023年8月 最高裁に上告
2024年1月 最高裁が上告棄却

 【1999 年国旗国歌法制定時に考えたこと】

 国旗国歌法制定時、攻防はありましたが、まだ、式場に「日の丸」も「君が代」もない学校(大領中学校)に勤務していた。国旗国歌法制定後の文部省事務次官通知(大1999年9月を読んで、今後自分が置かれるだろう立場について考えた。
 「君が代」をしっかり歌わせることが職責とされるなら教員を続けられない。「日の丸」「君が代」が卒業に位置づけられ、「君が代」指導をせざるを得なくなったら自分はどうするのか?教員の役割は、「日の丸・君が代」の歴史や国・文部省が卒業式に位置付けている理由等について、生徒が考えていくための前提となる事実として伝えること、そして、どう考え、どんな態度をとるかは生徒自身が考え、決めること、という姿勢を崩さないことだと整理。
 「君が代」指導の問題を伝えるために、『寸劇:「指導」っていじめ?』を制作、学校で「日の丸」「君が代」の歴史、国・文部省が卒業式に位置付けている理由等を生徒に伝える学習教材づくりに取り組んだ。
 その後、簡単な読み物「資料:卒業式・入学式の国旗国歌について」としてまとめた。

 【国旗国歌条例下の「君が代」強制】

 2014年4月、58歳で転勤した中野中学校で7年ぶりに担任になった。2015年1月23日付市教委通知(①生演奏で生徒がしっかり歌うことができるよう指導②教員の起立・斉唱が教育効果を高めることを通知③校長に教職員の起立・斉唱職務命令を出すことを指示)に対して、校長に「①どう指導するのか②生徒たちに『君が代』斉唱について、いつどんな場で、どんな内容で行うのか③この通知は、教職員に考えることをやめさせ、子どもたちにもとにかく言われたとおりにすることを求める教育を推奨するものではないか」と質問。
 質問に答えず、起立・斉唱だけを求めた校長大市教委の姿勢を告発し、事情聴取の際、不起立の理由を説明した上申書、続いて上申書(2)を提出した。その内容について審査せず、子どもたちへの「君が代」指導のあり方を問題にせずに戒告処分を決めた人事監察委員会や教育委員会会議を批判した。

 【裁判とD-TaC 活動の中で見えてきたこと】

 人事委員会への審査請求とともに支援組織D-TAC を結成してもらった。D-TaC(Democracy for Teachers and Children~「君が代」処分撤回!松田さんとともに~)は、松田処分撤回とともに、「君が代」指導のあり方等を問い、学校に民主主義を実現することを目的にした。
 隠された「君が代」の意味を中学生に伝える学校前ビラまき、「君が代」指導のあり方を問う大阪市教委との市民交渉、校長・教職員に子どもの権利条約に沿う「君が代」指導への転換を求めるメール送信等の活動を行ってきた。
 裁判の名前を“「君が代」調教NO!松田処分取消裁判”とし、子どもの権利条約、国際人権自由権規約という国際法を根拠に処分取り消しを求めた。
 「君が代」不起立・不斉唱の動機として、生徒に対する人権侵害(子どもの権利条約違反)に手を貸す行為であるためできない(良心的不服従)、これは国際人権自由権規約違反だと主張。
 処分にお墨付きを与える最高裁判決の「慣例上の儀礼的所作」論に対して、戦前の教育勅語・学校儀式を中心とする教育の目的・実態について証拠提出するとともに、「日の丸」に向かって「君が代」を起立・斉唱する卒業式の「儀礼」が、戦争動員のために学校にもちこまれたものであるという歴史的事実を明らかにして、反論した。

 裁判とD-TaC 運動は、「日の丸・君が代」による「調教教育」の構造を明らかにした。
 学習指導要中に国旗・国歌の大切さ、それらを尊重する態度の育成を記載する一方、「日の丸」「君が代」の歴史、「君が代」の歌詞の意味の変遷等は一切記載しない。記載のないことを理由に、文科省・地教委は「君が代」指導資料を一切つくらず、教職員研修もしない。事実に基づく情報を子どもたちに伝えようとすると指導要領の趣旨(国旗・国歌尊重の態度育成)に反すると押さえつける。それを通じて、大日本帝国憲法下の教育の実態を隠し、卒業式を、天皇のため、国のために尽くす皇国臣民育成を目的とした戦前の学校儀式と同様の調教の場に変えてきたということだ。

 【D-TaC のこれからの運動 『「君が代」強制は子どもの権利条約違反!』を世論としていくために】

 D-TaC は、6月13日、結成9周年集会(総会)を開催し、名称、目的を一部変更し、活動を継続・発展させることを確認した。
 新しい名称は「Democracy for Teachers and Children~『君が代』調教やめて~」(略称:D-TaC)。D-TaCでは、以下のような活動を考えている。

(1)「君が代」の意味や歴史を教えてもらえないのはおかしいと子どもたちが気づくための活動

◆次のことを子どもたちに聞いてみることから

★「君が代」の歌詞の意味を説明できる?
★「君が代」の歌詞の意味は、戦前大大日本帝国憲法下と戦後大日本国憲法下で変わってる?
★古今和歌集に載った「君が代」の元歌大古歌は「君が代」ではなかったんだけど、知ってる?
⇒「卒業式 国旗 国歌」「君が代 意味 変化」「君が代 指導 教職員のみなさまへ」などで検索してみようと紹介。

(2)「君が代」強制は子どもの権利条約違反!の認識を広げ定着させていく活動

◆教育委員会への質問行動

『「君が代」の歴史や歌詞の意味の変遷について、正しく情報提供しないことは子どもの権利条約違反では?
「君が代」を起立・斉唱したくないと申し出た児童・生徒に対して起立・斉唱を迫る行為は子どもの権利条約違反では?』

◆学校に、子どもの権利条約に沿った「君が代」指導を求める活動大学校メール等

◆「君が代」を起立、斉唱したくないという意思を持つ子どもや保護者の支援(いっしょに学校申入れをする等)

(3)卒業式のあり方を問い、「日の丸・君が代」のない卒業式をめざす活動

◆教育委員会への質問行動

『学習指導要中の特別活動の中の儀式的行事では「厳粛」であることが規定されていますが、この規定の理由は?』
『卒業式を卒業証書授与式と称している学校があるが、許される?その理由は?』

 


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