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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

大津の中2自殺 父親への単独インタビュー

2012年12月26日 | こども危機
 <いじめからあなたを守りたい> ◆ 大津の中2自殺 父親が語る:(TOKYO Web)
 大津市で中学二年生の男子生徒がいじめで自殺した事件。「真相を知りたい」と父親(47)が起こした民事裁判を通じて新事実が明らかになり、大きな波紋を広げている。
 父親は悲しむばかりではなく、いじめの再発防止へ動き始めたところだ。本紙の単独インタビューに応じ、こう訴えた。
 「いじめをなくすにはまず、大人が変わろう」
 (細川暁子、大津支局・山内晴信)

 -いじめの実態が明らかになり、世間に衝撃を与えた。
 「息子の死後、人づてにいじめがあったと聞いた。すぐ学校にアンケートを取るよう求めた。『数人に殴られていた』などの記述には、吐き気がした。全校生徒約八百六十人のうち三割が書いてくれた。ここまで情報が集まるとは思っていなかった。正義感の強い子どもたちが真実を伝えてくれたおかげだ」
 -アンケートが重要な証拠となった。
 「自殺直後にアンケートを実施したり、遺族に開示したりするのは全国的にも珍しいケースだった。結果的に実態が明らかになり、警察の捜査や市の第三者委員会の設置につながった」
 -学校の事後対応は悪くなかったのでは?
 「学校は私に口外しないように確約書を書かせて、内容の一部を隠していた。真実がうやむやになれば、加害生徒から謝罪と反省の機会を奪う。それでは再発防止にならない。開示の指針を明確にするように、文部科学省には要望書を出した」
 -事件が連日報道されると、ネット上には真偽不明の情報が次々と掲載された。
 「私たちの意図とは無関係に世の中が動き、怖かった。ネットで『大津』と検索すると、家族への中傷や加害者とされる生徒の情報が出てきた。事件と無関係の人の情報が書き込まれ、逮捕者が出た。爆破予告で電車が止まったり。『私たちが迷惑をかけている』と思った。だから、家族と学校の子どもたちを守るためにも、発言を控えてきた」
 -市の教育長が学生にハンマーで殴られる事件も。
 「本音を明かせば息子へのいじめを知った時、私も相手を殴りたいと思った。家を調べて近くまで行ったことも。だが、結局インターホンも押せなかった。私は息子に『人が嫌がることをしてはいけない』と教えてきた。大人が暴力をふるったら、子どもに顔向けができない。報復ではなく、話し合うのが大人だ
 -間違った行動を取る大人も多い。
 「長引く景気低迷や貧困問題、格差の拡大など、将来への閉塞(へいそく)感が高まっている。大人がいら立ってはいないか。そんな親を見ると、子どももいら立つ。子どもは大人の鏡。学校は社会の縮図だ。大人は苦手な相手とは距離を置けばいい。だが学校という閉鎖空間では、子どもたちに逃げ場はない」
 「評価を気にして保身に走る大人もいる。学校や教育委員会が情報を隠し、いじめに向き合わない。そんな姿に、子どもは一層、不信を募らせる」
 -いじめから子どもを救うには。
 「答えは難しい。亡くなる六日前、息子の『けんか』で私は学校に呼ばれた。『いじめられてるんか』と聞いたが、息子は『じゃれてるだけや』と答えた。ほんまは助けてほしかったんやと思う。自戒も込めて言えば、SOSを見逃さず『必ず守る』と態度で示すことではないか」
 「人間関係にトラブルはつき物。いじめは、社会全体の問題だ。まずは、大人が自らを律する必要がある。子どもに、信頼される存在でなければ。息子には『人に優しい社会になった』と報告したい。いじめで自殺する子が二度と出ないように、私は命の尊さを伝え続けたい」
『東京新聞』(2012年12月21日【暮らし】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2012122102000130.html
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