パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

人権の普遍性に完全に無知な自民党幹部

2013年12月09日 | 人権
 ◆ 憲法と国際人権規約違反の自民・城内氏 「人権高等弁務官に謝罪させよ」
 毎日新聞(12月6日付朝刊)では、ナビ・ピレイ国連人権高等弁務官が記者会見で、特定秘密保護法案に懸念を表明した事に対し、昨日、城内実外交部会長が自民党外交・国防合同部会において、「人権高等弁務官に謝罪させよ」と発言したと報じています。
 この城内実議員の発言は、日本が批准している条約を遵守すると遵守義務を謳っている憲法98条を全く理解していない憲法違反の発言であるとともに、「秘密保全法」を提案し成立を強行しようとしている政権党である自民党の外交・国防の責任者が、国際人権規約と国連における人間の安全保障のための人権システムについて、完全に無知であることを自ら表明した発言です。
 世界人権宣言65周年の12月10日を目前にした人権週間に、第2次世界大戦の侵略国日本の政権党と複数の野党が、人権弾圧法を成立させようとしている暴挙は、国際法を逸脱するものであり、世界人権宣言にも敵対する暴挙です。
 2013年12月6日 毎日新聞 5面記事:
 ◆ 自民・城内氏「人権高等弁務官に謝罪させよ」

 自民党の強権的対応はこの日、外交分野にも飛び火した。
 矛先が向けられたのは「『秘密』の定義が十分明確ではない」と特定秘密保護法案に懸念を表明した国連の人権部門のトップ、ピレイ国連人権高等弁務官だった。
 「なぜこのような事実誤認の発言をしたのか、調べて回答させるべきだ。場合によっては謝罪や罷免(要求)、分担金の凍結ぐらいやってもいい」。
 党本部での外交・国防合同部会で、安倍晋三首相に近い城内実外交部会長が怒りをぶちまけた。ピレイ氏は2日の記者会見で「表現の自由に対する適切な保護処置を設けず、法整備を急ぐべきではない」とも語っており、議員からは「そもそも内政干渉」「弁務官という立場は失格だ」など強硬意見が相次いだ。
 5日の合同部会は、中国の防空識別圏を中心に議論する予定だったが、党側の意向で急きょ議題に。国連では従軍慰安婦問題で日本批判がたびたび持ち上がり、自民党を刺激してきた。
 中堅議員は「慰安婦問題でも『日本はけしからん』と検証せず発言することが少なくない」と日頃のうっぷんを晴らした。
 国連総会が指名する弁務官への罷免要求は現実的ではない。発言を理由に分担金をカットするのも先進国の対応としてはあり得ない。国会の内外で高まる同法案への反対論に対するいら立ちが背景にあるとはいえ、議論は脱線気味だった。
 社説: 秘密保護法案、参院審議を問う
 「民主主義と人権の危機」
 反対の声を無視


 特定秘密保護法案の姿があらわになるにつれ、反対や疑問の声が全国にうねりのように広がった。
 市民団体やNGOなどのほか、各界の人たちが声を上げ始めた。反対の声は国際社会からも届く。
 共通するのは、この国の民主主義と、主権者である国民の人権が、危機に直面しているとの思いだ。
 3日、法案に反対する「学者の会」の代表者が東京都内で記者会見した。廃案を求める声明の賛同者が、呼びかけからわずか1週間で2000人を超えたというのは驚きだ。学者の会は。ノーベル賞受賞者の増川敏英名古屋大特別教授や、白川秀樹筑波大名誉教授らが結成したものだ。
 声明は、指定される特定秘密の範囲が政府の裁量で際限なく広がる危険性を指摘。特定秘密を提供したもの、取得したもの双方に過度の重罰を科すと批判する。
 また、民主政治は市民の厳粛な信託によるものであり、情報の開示は、民主的な意思決定の前提だと説く。法案は、この民主主義原則に反するものであり、市民の目と耳をふさぎ秘密におおわれた国、[秘密国家]への道を開くと指摘する。
 批判の矛先は、与党の政治姿勢にも及ぶ。広く市民の間に批判が広がっているのに、何が何でも成立させようとする姿への違和感だ。
 法案の抱える欠陥と、議会制民主主義の下で最低限必要な議論さえ放棄した国会の惨状に対する学者たちの怒りが強くにじむ。
 ・ ・ ・
 海外からも批判が出ている。
 国連の人権保護期間のトップであるピレイ人権高等弁務官は法案について「政府が不都合な情報を秘密として認定できる。何が秘密かも明確になっていない。表現の自由や、情報入手の権利への適切な保護措置が必要だ」と述べた。
 外国にも秘密保護法制は存在するが、情報公開や厳密な秘密指定のチェックと両輪をなすのが通例だ。バランスを欠いた法案の構成が、基本的人権の観点からも看過できない。そういうメッセージと受け取れる。
 市民のデモ活動をテロになぞらえた自民党の石破幹事長のブログでの発言は、法律が成立した場合の政府・与党の運営に大きな不安を残した。だがその懸念に正面から答えることはなかった。
『今 言論・表現の自由があぶない!』(2013/12/6)
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/25667527.html
コメント    この記事についてブログを書く
« 12・14国際人権集会 | トップ | 司法の独立知らないの 非常識... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

人権」カテゴリの最新記事