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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆ 卒業式「合理的配慮」裁判上告中

2024年06月22日 | 「日の丸・君が代」強制反対

 ◆ 「合理的配慮」無視の卒業式について (大阪ネットニュース)

元大阪府立支援学校教員 奥野泰孝(グループZAZA)

 ◆ 裁判経過報告

 1月18日控訴審、敗訴。31日最高裁上告。3月28日に上告理由書、上告受理申立理由書を提出。5月10日に最高裁第一小法廷から、記録到着通知書届く(大阪高裁から記録が届いたのでこれから審理を始めるというもの)。
 上告理由では、「教育の自由」の観点から、憲法26条「教育を受ける権威」、23条「学問の自由」、13条「幸福追求権」を上げて訴えた。
 上告受理申立理由では、原判決への反論として次の点を強調した。

①申立人の着席は「合理的配慮として行われたもので、本件処分は裁量権の範囲を超え、濫用に当たる」。
②事情聴取や分限懲戒部会での扱いなどに手続き違反がある。

 引用した法令等は、●地行法29条1項、●憲法31条、●府職員基本条例26条2項・3項、●(府)職員の懲戒に関する条例4条2項、●教員の地位に関する勧告(ユネスコ1966年)のパラグラフ50。

 ◆ 支援学校の朝の光景

 肢体不自由の生徒の支援学校の朝のある一コマを紹介します。
 スクールバスから降りた車いすの生徒が、車いすを教員に押されて教室に向かいます。
 前から、次のバスを迎えに行く別の教員が来ます。その車いすの生徒は言葉で挨拶できないが、ニコニコして手を挙げ、前からくる教員に挨拶します。
 車いすを押している教員は前からくる教員に生徒を近づけ「おはようございます」と言い、相手の教員も「おはようございます」と言います。
 これは教員同士の挨拶ではないのです。教員は生徒の手ぶりの挨拶の補助として「言葉」を添えたのです。それを教員は生徒の言葉と受けとめ、生徒に向かって「おはようございます」と返したのです。
 相手が生徒の好きな先生なら、介助している教員は車いすをその先生にぶつけるくらいに近づけふざけたりします。生徒は好きな先生とのコミュニケーションを楽しみます。

 ◆ 「合理的配慮」

 「合理的配慮」という語は障害者権利条約の「reasonable accommodation」の訳ですが、二松学舎大学の荒井裕樹さん(障害者文化論)は「その人がその場に参加するために必要な環境調整」と解説しています。
 紹介した支援学校の朝の挨拶は、言葉が出せない生徒に代り介助教員が声に出して「おはようございます」ということで、コミュニケーションをより豊かに発展させる環境調整にあたると思います。「元気にあいさつしたい。ふざけて車いすで迫っていきたい」という生徒の気持ちを察して介助の教員が行動するのです。

 ◆ 卒業式での合理的配慮は?

 生徒が卒業式にしっかり参加できるように配慮し支援するのは。「合理的配慮」という言葉がなかった時から当たり前、のことだったのです。
 いろんな生徒が居ます。じっと座ってられない生徒。緊張すると発作を起こす生徒。トイレが近い生徒。起立できない生徒。それぞれに合わせて環境調整するのが教員の役目です。
 私は信仰によって起立斉唱できません。自分を裏切り否定することになるからです。教員としては、人権侵害の「強制」に反対だから立ちません。学校で「国歌斉唱」を無くすべきですが、生徒自身が立とうとするなら「国歌」でも支援をします。
 介助方法は、座って生徒の腰を支えるか立ってするか、安全な方を選びます。式の途中、生徒が、急に歩きだせば、生徒に付き添って、歩きます。無理に座らせようとはしません。それが教員としての配慮なのです。

『「日の丸・君が代」強制反対、不起立処分を撤回させる大阪ネットワークニュース』(第31号 2024年6月8日)

 


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