パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

被侵略国ポーランド国民の前で、戦争責任を認め謝罪を続けると宣言したドイツ大統領

2019年09月27日 | 平和憲法
 ◆ 9月1日シュタインマイヤー独大統領ワルシャワ演説と日本

皆さま
 こんばんは。増田です。これはBCCでお知らせしています。重複・長文、ご容赦を!

 ネットで共同通信(9月2日付)「第2次大戦開戦80年で式典 ポーランド、独は過去謝罪…ドイツのシュタインマイヤー大統領は『あの戦争はドイツによる犯罪行為だった。その責任について許しを乞いたい』と演説し、謝罪した。」という記事を読み、誰か全文を和訳してくださっていないかと、検索してみたのですが見つけられませんでした。
 それで、英語に堪能な方にお願いして、ドイツ連邦大統領府HPから「ワルシャワの第二次世界大戦の記念式典で」の演説を添付(後掲)のように全文和訳してもらいました。
 ※動画:Beginning of World War II commemorated in Warsaw: Full ceremony | DW News
 約15分くらいのスピーチですが、何度も「stand barefoot」という言葉が出てきます。
 (38分50秒のあたり以降が独大統領演説)

 実際には、ちゃんと靴を履いてらっしゃいます(笑)から、この表現はキリスト教文化圏の人たちには「へりくだって、一歩下がり、慎むという態度」を意味することなのだろうと思い、クリスチャンの方に尋ねてみましたら、イザヤ書20章第2~5節には「イザヤを通して神が『裸足で歩け』と命じていますが、それは(徹底的に)『恥をさらせ』の意」ということでした。
 それにしても、キッパリと潔く「This war was a German crime. この戦争はドイツの犯罪です。」と認め
 「私たちは決して忘れません。決して忘れません、ドイツ人がポーランドに与えた傷を。決して忘れません、ポーランドの人々の苦しみを。決して忘れません、ポーランドの勇気ある抵抗を。私たちは決して忘れません、(ポーランド語で)ニグゼ・ニ・ザポニモム(決して忘れない)。」とし、
 「自由のために闘ったポーランドの人々に感謝します。犠牲者の苦しみを想い、深い悲しみをもって頭を垂れます。ドイツが犯した罪に許しを請います。私たちの永続的責任を認めます。」と謝罪し、永続的責任! を認めてスピーチを締める格調の高さ…
 対する「我が日本国」首相のアベ戦後70年談話「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」…決然と「謝罪を続ける」と宣言するドイツ大統領との、めまいがするような、この落差!?
 「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。」なんぞと強弁して、今に禍根を残す韓国植民地化戦争だったことをごまかす、卑しさ、下劣さ、醜悪さ…無駄に長く「巧言令色鮮仁」の見本のような格調の低さ…
 まさに、ハンギョレ新聞(日本版)8月22日、『[コラム]「引きこもり国家」へと進む日本』(コ・ミョンソプ論説委員)の仰る通りです。
 「安倍の本心は、今年の8・15敗戦記念式(※日本では「終戦記念」とする)で改めて明らかになった。
 安倍は2012年の第二次執権以後、7年間一度も侵略と戦争の加害者としての責任を認めず、日本国民の「犠牲」だけを称えた。反省とお詫びの言葉は一言も言わなかった
 A級戦犯を祀る靖国神社に過去と違うことなく供物を捧げた安倍の後に従う極右政治家50人が、靖国を訪れて過去の栄光に向けて参拝した。自分の行為が生んだ過誤を認め、そこに責任を負うことが成熟の証とするならば、日本政治こそ成熟の入り口から果てしなく滑落する未成年状態にとどまっている。」(※増田)
 「自分の行為が生んだ過誤を認め、そこに責任を負うことが成熟の証」を証明する独大統領の演説に比し、マッカーサーからは1951年5月5日のアメリカ上院軍事外交合同委員会で「日本人は、まだ12歳」と言われていました。彼からは「なんだ、あれから68年経っても『日本人は、まだ12歳』じゃないか」と言われそうな…
 私たちが「あの植民地化戦争は日本の犯罪です。」「私たちは決して忘れません。決して忘れません、日本人が韓国(朝鮮)に与えた傷を。決して忘れません、韓国(朝鮮)の人々の苦しみを。決して忘れません、韓国(朝鮮)の勇気ある抵抗を。私たちは決して忘れません」
 「自由のために闘った韓国(朝鮮)の人々に感謝します。犠牲者の苦しみを想い、深い悲しみをもって頭を垂れます。日本が犯した罪に許しを請います。私たちの永続的責任を認めます。」とソウルで、日本軍性奴隷被害者や徴用工被害者の形を前にして、スピーチできる首相を持てる日は、いつ来るでしょうか
 …その間にも高齢の被害者らは一人、また、一人と亡くなっていきます…

 コ・ミョンソプ論説委員の結論は以下でした。
 「安倍の退行を阻止しなければ、日本は真の正常な国家になることはできず、世界普遍の道徳的一員になることもできない。安倍の暴走は韓国には経済的脅威だが、日本国民にははるかに根本的な脅威である。日本国民が目覚めなければ、日本は安倍の妄想とともに永遠の未成年の孤立状態に閉じ込められるしかない。韓国国民の安倍反対闘争が持つ超国家的意義がここにある。一斉不買運動を軸とした韓国の反安倍闘争が日本国民の覚醒を促し、韓日の市民社会の共闘に上昇すれば、この闘争は東アジアに新しい平和秩序を創出する原点になれるだろう。」
 アベ(日本会議)一派と心中して、このまま「果てしなく滑落する」のは御免こうむりたいし、なんとか、「安倍の退行を阻止し」、日本国として、被害者たちがご存命のうちにきちんと謝罪し補償し、赦していただきたいのですけど…
 なお、独大統領演説にある「ヨハネ・パウロ2世のペンテコステ・イブの説教」はヴァチカンHPの以下のURLにあることも教えてもらいました。
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  ドイツ連邦大統領府HP
◎ ワルシャワの第二次世界大戦の記念式典
ワルシャワ/ポーランド、2019年9月1日

 私の母国語であるドイツ語で皆さんに挨拶するのがこれほど難しいと思う場所は、ヨーロッパには他にありません。
 ドゥダ大統領閣下、私はここに慎みと感謝の気持ちで立っています。あなたは、あなたの仲間のポーランド人と共にこの日を記念するため私を招いてくださいました。
 80年前のこの日、私の国、ドイツは隣国のポーランド、つまりあなたの祖国に侵攻しました。数百万人のポーランド人を含む5000万人以上の命を奪った残酷な戦争を放ったのは私の同胞でした。
 この戦争はドイツの犯罪です。

 この場所の歴史がそれを証明しています。戦争の初日からドイツ人はワルシャワを攻撃しました。何年もの間、ドイツ人はこの街で荒れ狂いました。街全体を破壊しました。住民を追放しました。男も女も子どもたちも殺害しました。ポーランドを、その文化を、都市を、人々を、生きとし生ける物を、全滅させようとしました。
 殺戮はまずビエルンで始まりました。この街のたどった運命をよく知らない人が私の国ではまだ多いのです。ドゥダ大統領閣下に伴われて私は今朝、ドイツの侵攻による最初の犠牲者となったビエルンの人々を弔問いたしました。
 この戦争について語るとき、しばしば「計り知れない」と表現されます。ドイツがヨーロッパにもたらした苦しみは計り知れない、というように。この苦しみを測ることができないというのは本当です。しかし「計り知れない」からといって、犠牲者の苦しみを分かち合う努力をしなくていいことにはなりません。
 過去は決して過ぎ去ったのではない。いや、むしろこの戦争からの時間が経つほど、記憶がより重要になるのです。銃声が消えた時に戦争は終わりました。しかしその影響は世代を超えて引き継がれる遺産なのです。
 これは痛ましい遺産です。しかし私たちドイツ人はそれを受け入れ、それを引き継いでいきます。
 ここにドイツ連邦大統領として、ドイツ首相とともに、ポーランド国民の皆様に宣言します。
 私たちは決して忘れません。
 決して忘れません、ドイツ人がポーランドに与えた傷を。
 決して忘れません、ポーランドの人々の苦しみを。
 決して忘れません、ポーランドの勇気ある抵抗を。
 私たちは決して忘れません、ニグゼ・ニ・ザポニモム
※(決して忘れない)。
 ※ポーランド語

 ドイツの旅人が最初にポーランドへ来たのは千年以上も前です。彼はオットーといいます。巡礼のオットーは裸足になってポーランドに入りました。平和と謙虚のしるしです。
 私も今日はポーランドの人々の前に裸足で立っています。人間として、ドイツ人として、大きな歴史の重荷を抱えながら。
 過去を書き直すことはできません。いかなる言葉も痛みを癒せません。いかなる行為によっても失われたものは取り戻せません。しかし私は裸足で皆様の前に立っています。ポーランドが私たちに与えてくれた和解の精神に励まされながら。
 そちらにはポーランド出身の教皇、ヨハネ・パウロ2世の十字架があります。ここで教皇は40年前のペンテコステ・イブにおいて説教をなさいました。
 「主が御霊を送られると、新しいいのちが誕生します
  また、あなたは地の面を新しくされます
  この地を新しくされます」

 ポーランドの人々はこの大陸を、地上世界を新しくしました。
 御霊はポーランドの人々に宿り、人々の御霊は自由を求め鉄のカーテンを引き裂いたのです。人々の御霊は和解のため、ドイツに再出発という贈り物を授けました。人々の御霊は再生を望み、共に新しい平和なヨーロッパを築きました。人々の御霊を、いまこそこの広場から世界へ広げていくのです。
 ここに眠る無名戦士たちが証明しています。ポーランド国民が示した勇敢さと自由への不屈の愛、今日ここに集まったヨーロッパの多くの誇り高い国々の中で輝やいています。
 40か国以上から集まった代表の方々も証言してくださるでしょう。皆様の父祖もこの戦争で戦い、苦しみました。しかし今日、ひとつの未来への希望は過去の対立がもたらした亀裂よりも強いことを示しています。
 そして今日、この広場で、ドイツの大統領が皆様の前に立って話すことが許されるという事実。これこそ和解の生きた奇跡を示しているのです。
 和解は私たちドイツ人にとって望外の恵みですが、私たちはその期待に応える決意があります。私たちがその責任をどのように果たしていくか、どうか私たちを見守ってください。
 ヨーロッパは私たち全員の責務です。
 ヨーロッパの連合に私たちは未来を見出します。これまでの何世紀にもわたる戦争、荒廃、敵意と憎しみから導いた教訓です。ヨーロッパでは人々が最悪の経験をしてきましたが、最高の未来へ新たなスタートを切りました。
 ヨーロッパの連合がより所とするべきものは人道主義、啓発主義、自由、公平、そして言語的・文化的多様性です。このヨーロッパは現在も、そしてこれからも、「希望プロジェクト」なのです。
 私は、私の国がこれからのヨーロッパに対して特別な責任を負っていることをよく知っています。これまでの歴史にもかかわらずドイツがヨーロッパで新たな力に成長することが許されたのですから、私たちドイツ人はヨーロッパにもっと貢献しなければならないのです。ヨーロッパの安全保障に、ヨーロッパの繁栄のために、そしてもっと多くの声を聞いてヨーロッパの結束につくすべきなのです。
 私たちドイツ人はこの責務を受け入れる決意があります。そして謙虚に担っていきたい。歴史をふりかえればドイツ人がヨーロッパで最も幸せである理由をたくさん見つけられます。しかし、ドイツ人が良きヨーロッパ人だと考える理由はまったく見つかりませんでした。
 私たちには、大西洋を越えた友好関係も築いていく責任があります。この記念日にあたり、私たちはだれもがアメリカ合衆国に対し感謝をしています。東西の同盟諸国ととも合衆国の軍事力によって国家社会主義が打ち砕かれたのです。アメリカ合衆国が示した理想と価値観による力は、先見の明と寛大さを伴ってこの大陸の新しい、より良い未来への道を開きました。
 (ペンス米)副大統領閣下、これこそ私たちヨーロッパの人々が賞賛し、信頼する貴国の偉大さです。貴国は自由と民主主義の圧倒的な強さを世界に示しました。その中でも特に私たちドイツ人に。貴国にとってもヨーロッパの統一は常に重要でした。貴国は相互尊重に基づいた真の友好関係を望んでいたのです。
 今日、このように重要な根拠でさえ自明とまでは見られなくなったようです。だからこそ、大西洋をはさむ両側の力強い発展をもたらした過程をいつでも思い起こすべきです。世界は変動し確実性が失われつつ中、私たちの共通基盤を守ろうではありませんか。
 私たちは、ヨーロッパがより強く、より自信を持つ必要があることをよく知っています。しかし私たちはまた、ヨーロッパが合衆国から離れて強力になってはならない、まして合衆国と対立してはならないことも知っています。ヨーロッパは同盟国を必要としています。合衆国もまた同盟国を必要としていると確信しています。いまこそ同盟関係をさらに強めるときです。「西側」がただ西の方角ではないことをこれからも世界に示していくときなのです。
 ドイツ人が考える私たちの責任はまだあります。国粋主義の再来を絶対に許さない。二度と「ドイツよ、ドイツよ、すべてのものの上にあれ」と叫んではならない。二度とある国家が他の国家の上であったり、ある人が他の人より上であったり、ある人種が他の人種の上にあったりしてはならない。二度と理性が失われてはならない。二度と憎悪や利己主義が人々の間に拡がってはならない。
 私たちの父も母も過去から学びました。同胞の墓を護りつつも、和解を探し求めました。そしてともに未来への新しい道を見つけました。その道は良き隣人を育て、共に未来を築いていく、平和への規約とあらゆる人の権利を法的に確立する道でした。親愛なる友人の皆様、和解の精神を守り、私たちを結びつけてきた道を歩み続けようではありませんか。
 ここにドイツ人の来訪者として、私は裸足で皆様の前に立っています。

 I look gratefully to the Polish people's fight for freedom.
 自由のために闘ったポーランドの人々に感謝します。

 I bow in grief before the victims' pain.
 犠牲者の苦しみを想い、深い悲しみをもって頭(こうべ)を垂れます。

 I ask for forgiveness for Germany's historical guilt.
 ドイツが犯した罪に許しを請います。

 I recognise our enduring responsibility.
 私たちの永続的責任を認めます。


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