◆ 生徒の学習権保障の"君が代"不起立訴訟、減給以上の処分は取り消す
2010年3月の定年退職直前の卒業式まで計4回以上の"君が代"不起立で、東京都教育委員会から「戒告~停職の累積加重処分」を受けた近藤順一・元八王子市立夜間中学校教諭が懲戒処分取消を求めた裁判で、東京高裁(園尾隆司裁判長)は2月26日、地裁判決を追認。近藤さん・都教委双方の控訴を棄却した。
判決は都教委の10・23通達、校長の職務命令等を合憲とした上、「原告(近藤さん)の強固な意思に基づく不起立の行動は、指導や職務命令に従わないとの姿勢が顕著。悪質度合いが大」との理由で戒告処分は是認した。
だが「不起立で式典進行が妨害されるものとはいえず、不起立の意思の堅固さは原告の思想信条に基づく」との理由で、減給・停職処分は12年の最高裁判決を援用し、取り消した。
一方、損害賠償請求は「生徒・父兄(ママ)らの厳粛な式典への期待と、これに対する原告の行為とを対比すると、処分が国家賠償法上違法ということはできない」と退けた。
閉廷後、近藤さんは「直接、人格的に接触する教育の場で、教員が一律起立斉唱すれば、児童生徒は一つの内容しか示されず、公正な判断力・批判力を獲得する学習の自由が侵害される。憲法19条に加え、23・26条違反も問題にしている。最高裁に上告する」と語った。
永野厚男・教育ライター
2010年3月の定年退職直前の卒業式まで計4回以上の"君が代"不起立で、東京都教育委員会から「戒告~停職の累積加重処分」を受けた近藤順一・元八王子市立夜間中学校教諭が懲戒処分取消を求めた裁判で、東京高裁(園尾隆司裁判長)は2月26日、地裁判決を追認。近藤さん・都教委双方の控訴を棄却した。
判決は都教委の10・23通達、校長の職務命令等を合憲とした上、「原告(近藤さん)の強固な意思に基づく不起立の行動は、指導や職務命令に従わないとの姿勢が顕著。悪質度合いが大」との理由で戒告処分は是認した。
だが「不起立で式典進行が妨害されるものとはいえず、不起立の意思の堅固さは原告の思想信条に基づく」との理由で、減給・停職処分は12年の最高裁判決を援用し、取り消した。
一方、損害賠償請求は「生徒・父兄(ママ)らの厳粛な式典への期待と、これに対する原告の行為とを対比すると、処分が国家賠償法上違法ということはできない」と退けた。
閉廷後、近藤さんは「直接、人格的に接触する教育の場で、教員が一律起立斉唱すれば、児童生徒は一つの内容しか示されず、公正な判断力・批判力を獲得する学習の自由が侵害される。憲法19条に加え、23・26条違反も問題にしている。最高裁に上告する」と語った。
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