パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

9年目の3.11 避難解除しても帰還するのは高齢者だけ

2019年02月19日 | フクシマ原発震災
 ▼ 「五輪復興」と闘う! 3.11福島へ
      佐藤幸子さん
(ふくしま共同診療所建設委員会代表)


 ▼ 帰還強制に応じない
 もうすぐ9年目の3.11です。福島の原発事故は終わっていないのに、今オリンピックをテコにした復興キャンペーンー色です。
 政府・行政・東電は復興キャンペーンに原発再稼働原発輸出を使うとともに、住民向けには復興・帰還、オリンピック開催、健康調査などを使ってきています。
 でも原発輸出はベトナム、リトアニア、トルコ、イギリスと失敗しましたね。原発輸出のためにこそ再稼働に突っ走ってきましたが、結局どこの国も過酷事故を起こした国の原発輸出などにだまされなかったのだと思います。
 原発避難者に対して、除染したので放射能の危険はない、復興オリンピックも開かれるし住民は元のところに帰還しなさいと言うわけです。そして、自主避難者たちへの住宅無償提供の打ち切り(2017.3)と追い出しをして金銭的、経済的に追い詰めたわけです。
 自主避難者を含めた避難者数は2017年7月の段階で約3万人減って、約9万人になった。
 しかし、実際に避難解除したところに帰っているかと言えば若い人ほど帰ってないのが現実です。
 私が住んでいた川俣町の山木屋地区は2017年3月に避難解除されて学校も再開したけれども、2019年1月現在、小学校1年生の入学がこの5年間ゼロですから6年生5人だけです。
 中学校も1年生はゼロで2年生3人、3年生7人というのが現実なのです。
 帰らないという選択をしている人の方が多いというのがわかると思います。どこの地域もそういう状態です。
 帰還する人は高齢者だけで、高齢者はお互いに助けあって命尽きるまでがんばってもらうしかないんだとなる。行政に対して「どうすんの、あんたたち呼び戻したんでしょ。どういう施策をしているの。そこに若い人を巻き込まないで」と言いたいです。
 ▼ 復興したと思う人は少ない

 東京オリンピックの野球とソフトボールを福島市のあづま球場で開催するためのボランティア募集を福島県はやっています。
 “都市ボランティアで「おもてなし」をして福島県は復興していますよ”ということを海外に向けて発信するのが目的だと思いますが、復興していると思っている人は本当に少ない。
 ソフトボールやマラソンなどのイベントが原発被災地でも企画されて、子ども、学生が動員されています。
 3.11以後、2018年の7月まで福島原発事故のための施設になったJビレッジ(楢葉町の原発から20kmのサッカー練習施設)を聖火リレーの出発点にするというのも、とんでもない構想です。
 復興キャンペーンに「福島県民健康調査」も使われています。その発表は最初から結論ありきで、子どもの甲状腺がん人数は発表されるたびに増えていっても「放射能の影響は考えにくい」と言い続けている。
 2018年12月の発表では214人です。
 常磐線も2020年3月には全線開通させてオリンピックの後押しをすると言って、いま帰還困難区域にあるJR常磐線夜ノ森駅の解体を始めました。
 労働者の被ばくは大変なものです。動労水戸が闘っていることは心強いかぎりです。
 ▼ 福島の農業の困難さ

 私はもともと百姓なので農業の被害の大きさってのは身に染みているんです。福島で農業を続けたいっていう気持ちもわかるんで、それは大きな課題だと思うんですね。
 実際避難区域の近辺の農家の人たちはセシウム値を押さえるために資材を投入したり、果物の場合は幹の皮をはいだ上に高速洗浄をしたりという努力をしながらやっている。
 外で農作業をするので被ばくするわけで、それを覚悟でやっているのでしょうが、作ったものが安全なものだという証明を出せるか、危険値の限界が25ベクレルなんて言われたら買うだろうか疑問です。
 原発事故後福島県産のお米は放射能の全袋検査をしていますが、年間約1000万袋の検査費が60億円にもなることやセシウムの国の基準値(1㎏当たり100ベクレル)はクリアーしたという理由で全袋検査はやめると言っている。
 でも安全なものを提供するんであれば、いくらかかろうと全袋検査して、しかも基準値も下げる努力をすることの方が正しいやり方でしょう。ごまかしたり、あいまいにしたりして復興とするのかっていう話です。
 福一原発事故被害の影響と隠ぺいは県内を覆っています。あらゆることと福島の人たちは闘っています。
 今年も3月11日に福島で集会とデモをやります【午後1時~郡山市の開成山公園・野外音楽堂にて】
 9年目の3.11に、こんなことを二度と起こさないためも、福島の3.11を忘れない日として、全国から福島に来てください。
 (1/18談、文責:事務局)

『百万人署名運動全国通信』(2019年2月1日)

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