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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

緊急事態宣言(3回目)再延長で5/27スガ総理ぶら下がり取材、発信力不足

2021年06月02日 | 平和憲法
  =たんぽぽ舎です。【TMM:No4209】「メディア改革」連載第64回=
 ◆ 特高顔での慇懃無礼な態度で危機感なし
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

◎ 最近の報道各社の世論調査で、菅義偉政権の内閣支持率の下落が止まらない。毎日新聞(22日)は31%、朝日新聞(17日)33%。前月比で10ポイント近く下がった。首相就任時、約70%あった支持率が、8カ月で安倍晋三政権末期の水準の30数%前半になった。
 まさにつるべ落としだ。

 新型コロナウイルス対応で失敗が続き、東京五輪開催と秋までにある衆院選挙のことしか頭になく、ワクチン接種率は先進37ヵ国中最下位(世界では129位で3%に満たない)という状況に民衆の憤りは収まりそうもない。
 菅氏はモリ・カケ・サクラ・カワイの各疑獄事件で安倍氏の共犯者で、東北新社の総務省接待・贈収賄事件で長男の菅正剛氏と共に刑事告発され、「叩き上げの苦労人」「世襲反対の実務家」は偽看板と完全にばれた。
 自民党内では「次の選挙の顔」になれるのかという不安が広まっている。
 菅氏が不人気の主な理由は、政策の失敗だけでなく、国会や記者会見での発信力の不足だ。
 特高顔、蛇のような目で、官僚が用意した台本を棒読みする姿に、民衆はうんざりしている。民衆にメッセージを送るのがこれほど下手な首相を見たことがない
 菅氏は5月21日に沖縄県への緊急事態宣言追加を決めたのに、記者会見をスルーした。
 安倍時代から、コロナで同宣言を発出・解除した場合、首相は必ず会見を開いていた。代わりに応じた官邸玄関ホールでの番記者のぶら下がり取材で、「なぜ会見をしないのか」と記者に聞かれたがまともな回答はなかった。
 FBの投稿を参照してほしい。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100022241222173
◎ 首相は5月27日、関係閣僚との会合で3回目の緊急事態宣言を再延長に踏み切る方針を固めた後、ぶら下がり取材に応じ、「東京、大阪など(新規感染者の)減少傾向が見られるものの、全体として予断を許さない状況だ」「28日に専門家に意見を伺う」などと述べた。
https://www.asahi.com/articles/ASP5W6G0YP5WUTFK00R.html
https://www.tokyo-np.co.jp/article/107011?rct=politics
 ◆ 「専門家に諮る」を繰り返し自身の言葉はゼロ

◎ 菅氏と記者たちの質疑応答を文字にした
[―(官邸の首相番記者の代表)緊急事態宣言の延長について伺いたい。

 ○菅首相:先ほど、関係大臣が集まり、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置について議論を行いました。(略)各都道府県の取扱いについては、まず専門家に諮った上で決定いたします。当然、その期間とか、そうしたものも一緒です。いずれにしろ、感染拡大防止に全力を尽くしていきたいと思います。
―総理、NHKのシマノと申します。専門家の皆さんに諮るのは、現在、9都道府県に出ている宣言の延長のことか。
 ○菅首相:今私申し上げましたように、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置、こうしたことの取扱いについて、お諮りするということです。
―緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の解除はないということか。

 ○菅首相:取扱いについて御相談するということです。

―総理、朝日新聞のトネガワと申します。さきほど総理は「感染状況は予断を許さない」と言われましたが、これは、緊急事態宣言の延長は避けられないということか。 
 ○菅首相:まあ、いずれにしろ、その状況というものを明日の分科会におかけするわけでありますから、そういう中の、ご意見を伺った上で判断する、そういうことです。
―朝日新聞のトネガワです。感染防止対策についてお伺いします。現在の対策から新たに強化したり、逆に緩めたりすることはあるか。また、現在、映画館や美術館の休業要請は自治体に委ねられているが、政府のお考えを教えてください。
 ○菅首相:そうしたことについても、明日専門家の意見を伺った上で決定したい、こういうふうに思っています。
 (女性=小野日子内閣広報官だろうか=の声で、「はい、ありがとうございます…」と述べ、首相は一旦立ち去ろうとする)
―朝日新聞のトネガワです。仮に、緊急事態宣言等が再延長になった場合、国民生活に大変大きな影響を与えると考えられるが、再延長になった場合の総理はご自身の責任についてどう考えるか)
 ○菅首相:いずれにしろ明日ですね、専門家の、委員会の皆さんにお諮りするわけでありますから、お諮りした上で、意見を伺って、判断する、そういうことです。
―総理、NHKのシマノです。緊急事態宣言の解除を(専門家に)諮るということもあり得るのか。
 ○菅首相:いずれにしろ(笑う)、政府としては分科会にかけるということになっていますから、そこで専門家の意見を伺った上で判断するということです。
 (はい、ありがとうございました。) ]
 (官邸HPの文字記録をもとに浅野が作成)


 ◆ この機に記者団の質問に笑って答える無責任首相

◎ 菅氏が、繰り返される緊急事態宣言延長に関し、政治責任などを問われた場面で、笑ったのには驚いた。笑っている場合ではない。
 菅氏は5月13日のぶら下がりでも、コロナ・ワクチンの高齢者向け接種をめぐり、7月末完了の目標達成が一部自治体で困難な見通しとなっていることについて、「報告を受けた時、私も実はショックだった」笑って答えた
◎ 28日のテレビ各局の情報番組はぶら下がりのビデオを流した。
 フジテレビ「バイキングMORE」で、坂上忍MCらが「国民に真剣に訴えようという姿勢が全く見えない。国民が危機感を持たないのは、菅さんの発信の姿勢に原因があるのでは」と批判した。
 同じフジの「めざまし8」では、谷原章介MCが「珍しく人間的な面を見せた」とコメント。
 「政治ジャーナリスト」の田崎史郎氏は「政府は専門家の意見に従うという仕組みにしているから、菅総理は何も言えない」などと無責任に解説。番組は「田崎氏の取材より」というタイトルでパネルを度々出した。
 田崎史郎氏は「専門家に諮って、明日(28日)の記者会見で話すということだ。それなのに記者は何度も同じ質問をしている」と記者を非難した。
 昨夜のぶら下がり取材の動画を見れば、菅首相の回答がいかに的はずれで、無責任かがわかる。朝日新聞の記者らの質問は適切で、「専門家に諮る」と答えるだけの首相は最悪だ。
 専門家に従うだけなら、政治家は不要だ。

 田崎氏はTBS「ひるおび」にも出演して、菅氏をかばう発言を繰り返した。
 政権のマウスピースである「ジャーナリスト」もいらない。

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