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「地中に落とし穴を作る」新種の食虫植物が見つかった! どんな獲物をどう食べているのか? [現代ビジネス 8/28(日) 6:47配信]
食虫植物の「花形」
ウツボカズラ。それは160種以上もの個性あふれる仲間を擁する食虫植物の花形だ。 つる植物の彼らが空中にぶらさげる捕虫袋は、「世界で最も形態的に複雑な葉のひとつ」とまで評される。彼らは、ときには花に似た誘引物質を発しながら落とし穴式に昆虫を騙し捕らえる。
【画像】植物研究のスター選手シロイヌナズナでで見つかった「新しい器官」とは?
獲物となる昆虫は、ウツボカズラが根を下ろす土壌に欠乏しがちな栄養を多分に含んでいる。それを消化吸収して、生長と繁殖に役立てるのだ。
ウツボカズラの多彩な生き方は、今年3月に刊行した拙著『食虫植物: 進化の迷宮をゆく』でも大きく取り上げた。しかし、そこで紹介したレパートリーは、早くも時代遅れになってしまったかもしれない。地中に罠を張る新種のウツボカズラが発見されたためだ。
プディカウツボカズラ(Nepenthes pudica)と名付けられたその種は、ボルネオ島(カリマンタン島)で発見された。
ウツボカズラ科の種多様性の地理的な中心がまさにこのあたりで、インドネシア・ブルネイ・マレーシアの3国が相乗りするこの島一つに、知られているだけで40種ものウツボカズラが自生している。 「知られているだけで」というのは2022年になってもいまだに新種が見つかるからで、プディカウツボカズラがその最後の一種となる可能性はほとんどないだろう。そして、その種数が将来的に50程度で頭打ちになるのか、はたまた100の大台に到達するのか、予想するのは難しい。
ボルネオ島に自生するプディカウツボカズラ。左が地上部。樹木の根元から生えているツルがそれで、平らな葉を何枚も着けるが、その先に作られるべき捕虫袋は見当たらない。右がプディカウツボカズラの根元を掘ったもの
驚きの光景
ボルネオ島に自生するプディカウツボカズラ。左が地上部。樹木の根元から生えているツルがそれで、平らな葉を何枚も着けるが、その先に作られるべき捕虫袋は見当たらない。右がプディカウツボカズラの根元を掘ったもの
プディカウツボカズラは、そのボルネオ島のインドネシア領、標高1100~1300mの山地多雨林で見つかった。ここで実施された野外調査の最中、パラツキー大学のルボス・マエスキー(Ĺuboś Majeský)博士らは、あまり見慣れないウツボカズラを発見した。その個体群は一見して、捕虫袋をまったく作っていないように見えたのだ。 しかしよく調べてみると、数は少ないものの、伸び上がるツルにきちんと捕虫袋を着けているからウツボカズラには違いない。さらによく観ると、個体の根元あたりから、少し変形したような捕虫袋が土から突き出していることもある。 何かの拍子に埋まってしまっただけかもしれない──。 当初、博士はそう考えた。ツルについた捕虫袋が少ないのだって、偶発的な現象かもしれない。ウツボカズラを育てた経験がある人ならば、きっと誰だってそう考える。栽培の現場では、明らかにスペースの足りない隙間に捕虫袋が成長し始めてしまうことも、手塩にかけたウツボカズラがまったく捕虫袋を作らないことも、日常茶飯事なのだ。 さて、地上部を見るかぎりあまり壮観とはいえないにしても、博士らが見つけたウツボカズラが少し変わったものである可能性は十分に残されている。記録が必要だ。地下部のようすも確認したい。博士らは写真撮影のため、個体の根元を覆っていたマット状のコケを剥(は)いだ。 そこで博士らの目に飛び込んできた光景は、驚きをもたらしたに違いない。地下から顔を出したのは、ウツボカズラの捕虫袋だったのだ。周囲の個体の根元を掘っても同様だった。 完全な地中に捕虫袋が埋まっている。これが、地下に罠を張るウツボカズラ発見のあらましだ。 人類による昆虫採集の場面では、地中生活性の昆虫を捕らえるのに「地中トラップ」とよばれる類の罠を設置することがあるようだが、このプディカウツボカズラは、それを人知れず実践してきたわけだ。
写真は、ウツボカズラの捕虫袋とそこに落ちたマルハナバチ。プディカウツボカズラも同じく、落とし穴式で虫を捕らえる photo by gettyimages
罠にかかった獲物の運命
マエスキー博士らが発見したプディカウツボカズラの特徴を整理しよう。 本種は、地上部の葉では光合成を担う平らな部分を展開するものの、あまり捕虫袋を作らない。一方の地下部では、地下茎を形成する。そしてそれは地上に顔を出すことなく、一定間隔で葉を作りながら地中を伸び進む。葉といっても、こちらは光合成の役には立たない。光の届かない地中では葉緑体も発達せず、本来光合成に充てるべき平らな部分は、もやしのように白くて小さなままだ。 しかしその先には、地上部のそれに勝るとも劣らないサイズの捕虫袋が多数作られる。そこに十分なスペースがなくとも、土壌を押しのけて袋を成長させるようだ。地中にあっても、捕虫のしくみは相変わらずの落とし穴方式だ。袋の中に落ちた獲物は、這い上がること叶わず消化液の中で息絶える。 ちなみに、種小名のpudicaは、「恥ずかしがり」を意味するラテン語に由来する。堂々と地上に罠を張る他種のウツボカズラと対比した命名というわけだ。2020年には、捕虫袋の下半分が地中に埋まる新種・ドメイウツボカズラ(Nepenthes domei)が報告されたが、プディカウツボカズラの恥ずかしがりは別格だ。なにせ完全に埋没した捕虫袋をひんぱんに作るのは、今のところこの種だけなのだ。 とはいえ厳密にいえば、何種かのウツボカズラについては、散発的ながら落ち葉の下から捕虫袋が見つかることもある。これまで、それらは一貫して観察される性質ではなく、単なる偶然だと解釈されてきた。プディカウツボカズラの発見を皮切りに、そういった過去の報告の再調査が進むだろう。シャイなウツボカズラは、一種だけではないかもしれない。
「盗掘」防止策
余談ついでに、最近の盗掘防止策についても紹介しておこう。 プディカウツボカズラの記載論文でもそうだが、最近は自生地の正確な座標が意図的に公開されないことがある。これは、貴重な個体群が盗掘者の餌食になるのを防ぐ意味合いがある。流通がまったくない現状、これだけ驚異的な特徴を備えたウツボカズラならば、数万円の値をつけたとしても買い手には困らないかもしれない。そして、需要は盗掘のインセンティブを生む。 プディカウツボカズラは消失が危ぶまれる環境に自生し、個体数は少なく、あまりにも限られた範囲でのみ見つかる。 こういった状況から、先述のマエスキー博士を含む論文の著者らは、IUCN(国際自然保護連合)レッドリストの基準に照らして「絶滅寸前(Critically Endangered)」に相当すると判断している。プディカウツボカズラの生態をもっと知りたければ、採集道具を携えてコタキナバル国際空港へ降り立つのではなく、専門家からの続報を待つべきだろう。
シリアゲアリの一種。毒液を持つ。日本にも3種ほどが生息する photo by gettyimages
どんな獲物を食べているのか
さて、地中の暗がりの中で、捕虫袋はいったいどのような獲物を待ち受けているのだろう。 博士らは徹底的に調べた。いくつかの捕虫袋から総計1785個体の生物を取り出し、入念に記録していったのだ。ササラダニの仲間、いくらかの甲虫、そしてヒメアギトアリ属(Anochetus)のアリなど、地中や堆積した落ち葉の中を好むことがよく知られた生物が見つかった。 しかし、主要な獲物は、シリアゲアリ属(Crematogaster)に属するとみられるアリの一種だった。この属は、地上部にのみ捕虫袋を作る他種のウツボカズラにとっても格好の獲物となる。アリならば、柔らかな土壌の隙間を縫って地下捕虫袋へ到達するのは造作もないのだろう。 プディカウツボカズラが誘引物質を発して積極的に獲物を誘き寄せているかどうかは、今のところ定かではない。しかし、今後検証が進むはずだ。
捕虫袋の中に暮らす共生者たち
博士らが調べた1785個体の中には、分解されつつある獲物だけではなく、消化液をものともせずに、捕虫袋の中に共生する生物も含まれる。他種のウツボカズラでは、カニ、カエル、コウモリなど、捕虫袋を住処にするさまざまな生物が見つかっている。 プディカウツボカズラの地下捕虫袋ではどうだろうか。さすがにコウモリは入っていない。カニやカエルも見つからない。 しかし、他種と同じく、消化液の中には多数のボウフラが見つかった。樹洞などの水たまりで生きるボウフラは珍しくない。しかし驚くなかれ。ウツボカズラの消化液でしか発見されていない種だっているのだ。 プディカウツボカズラの場合、見つかったボウフラとどれほど強固な共生関係があるかはまだわからない。しかし、幼虫たるボウフラがそこにいるからには、地中の捕虫袋までわざわざ産卵にきた成虫の蚊がいるはずだ。貧弱な印象すらある蚊にそんなことは可能だろうか。 謎めいたウツボカズラの発見は、当然、さらなる謎を呼ぶ。続報を楽しみにしよう。
"大家"に先駆けて命名された共生者
さらなる共生者として見出されたのは、プディカウツボカズラでのみ見つかっているミズミミズ科の環形動物アルマタトガリミズミミズ(Pristina armata)だ。 しかし、これは少し奇妙な話かもしれない。プディカウツボカズラは今回ようやくお披露目となったのに、その中でのみ見つかる生物がすでに名を与えられていようとは、これいかに。 実は、プディカウツボカズラ記載の根拠となった野外調査は、2012年に実施された。そのとき同時に採取され、のちにPristina armataと名付けられる生物の標本は、環形動物の専門家ヤナ・シェンコヴァ(Jana Schenkovã)博士に預けられていた。そして、このミズミミズ科生物は早々に種記載されたため、命名においてプディカウツボカズラに先んじたというわけだ。 2013年のその報告をよく読むと、ウツボカズラ未記載種の地下捕虫袋から採取したと確かに書いてある。 さて、ミズミミズ科の新種に少々の遅れをとったものの、今年2022年、晴れてプディカウツボカズラの種記載と相なった。2012年の調査から、10年の歳月を要したことになるわけだ。
これは、科学の現場での時間経過としてはそこまで珍しいペースではない。日常の業務に忙殺される大学教員が、その合間合間に必要な証拠を集めていたら、いつのまにか何年も経っていたというのはよくある話だ。今この瞬間にも、世界のどこかの研究者が、プディカウツボカズラに匹敵するオモシロ食虫植物の未発表データに、埃を積もらせまいと格闘しているかもしれない。 2032年にはどんな報告が待ち受けているだろうかと思いを馳せつつ、プディカウツボカズラの記載に貢献した方々へ賛辞を送りたい。
参考URL: Martin Dančák, Ľuboš Majeský, Václav Čermák, Michal R. Golos, Bartosz J. Płachno, Wewin Tjiasmanto. 2022. First record of functional underground traps in a pitcher plant: Nepenthes pudica (Nepenthaceae), a new species from North Kalimantan, Borneo. PhytoKeys 201: 77-97. https://phytokeys.pensoft.net/article/82872/ Underground carnivore: the first species of pitcher plant to dine on subterranean prey. https://blog.pensoft.net/2022/06/29/underground-carnivore-the-first-species-of-pitcher-plant-to-dine-on-subterranean-prey/ Mohd Norfaizal Ghazalli, Amin Asyraf Tamizi, Dome Nikong. 2020. Nepenthes latiffiana and N. domei (Nepenthaceae), two new species of pitcher plants from Terengganu, Peninsular Malaysia. Webbia 75: 5-28. https://oaj.fupress.net/index.php/webbia/article/view/7950 Jana Schenková, Václav Čermák. 2013. Description of Pristina armata n. sp. (Clitellata: Naididae: Pristininae) from a carnivorous plant (Nepenthes sp.) in Borneo, Indonesia. Zootaxa 3686: 587-592. https://www.biotaxa.org/Zootaxa/article/view/zootaxa.3686.5.7
食虫植物: 進化の迷宮をゆく[岩波科学ライブラリー 310]
植物なのに肉食なんて! あの妙な形や「胃腸」はどこから……? 妖しい魅力に、心ゆくまで囚われよう。
福島 健児(ヴュルツブルク大学グループリーダー)
© iza (中央)矢作知洋(井之脇海) (C)NHK
29日スタートNHK朝ドラ「ちむどんどん」第21週あらすじ 料理は頼もしいが暢子(黒島結菜)に冷たい矢作(井之脇海)に和彦(宮沢氷魚)らは心配し… (iza 2022/08/28 08:00)
沖縄料理に夢をかけるヒロイン、青柳暢子(黒島結菜)と、そのきょうだいたちの姿を描くNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土 BSプレミアム・前7時半、総合・前8時)。これまでの流れを振り返りながら、29日から始まる第21週のあらすじを紹介する。
沖縄が本土復帰した1972年、西洋料理の料理人を目指して上京し、大叔母の大城房子(原田美枝子)が営む銀座の一流レストラン、アッラ・フォンターナで働き始めた暢子は、子供の頃、地元やんばるで出会った和彦(宮沢氷魚)と東京で再会。2人は79年に結婚した。暢子が沖縄料理の店を開くという新たな夢に向かって動き出した矢先、兄の比嘉賢秀(竜星涼)が引っかかったねずみ講の騒動に巻き込まれた和彦は東洋新聞を退社することになった。
第20週「青いパパイアを探しに」(第96~100話)で、暢子の妊娠が判明。房子は暢子の体を心配し「店の味を任せられる料理人を雇う」など3つの条件を満たせば開業を認めると言った。そんな中、暢子は、食い逃げで捕まった矢作知洋(井之脇海)と再会。フォンターナの先輩だった矢作は独立後、自分の店が倒産し、借金返済のためフォンターナの権利書を持ち出し逃亡した過去があった。そんな矢作に暢子は店を手伝ってほしいと頼むが、矢作は断り姿を消した。
© iza (左から)大城房子(原田美枝子)、矢作知洋(井之脇海)、青柳暢子(黒島結菜)(C)NHK
和彦の仕事も決まり、周囲の協力を得てようやく矢作を発見。暢子に連れられて訪れたフォンターナで、矢作は、房子から「オーナーとしての人徳に欠けていた」などと謝られ、退職金を渡された。房子はその場に妻、佳代(藤間爽子)を呼び、もう一度料理人になるよう説得。矢作は房子に土下座で謝罪し、暢子は、自分の店には矢作の力が必要だと訴えた。矢作は料理をあきらめきれず、何軒も飲食店を回ったが、身元保証人がおらず、どこにも雇ってもらえなかった。何もかもをなくし、プライドを捨てた矢作だったが、包丁だけは捨てることができなかった。
© iza (左から)青柳暢子(黒島結菜)、矢作知洋(井之脇海)(C)NHK
翌朝、開業準備中の暢子の前に姿を見せた矢作は、暢子の店を手伝うと約束。目に涙をためながら、自分の包丁で青パパイヤを刻んだ。
沖縄・やんばるでは、比嘉家の三女、歌子(上白石萌歌)と幼なじみの砂川智(前田公輝)が急接近。幼い頃から智のことが好きな歌子に対し、智は、歌子の唄三線が大好きで、レコード歌手になるという夢を応援すると伝えた。
© iza 青柳和彦(宮沢氷魚)、青柳暢子(黒島結菜)(C)NHK
長女の石川良子(川口春奈)は、勤務する小学校の給食改革に挑戦するが、思うようにいかず悪戦苦闘。しかし、改革に反対していた調理員の安室のおばぁ(あめくみちこ)も良子の思いに少しずつ心を動かされ、良子に給食用に野菜を出荷してもいいという農家を紹介した。
「ちむどんどん」第21週スタート 矢作の態度は相変わらずで…
第21週のサブタイトルは「君と僕のイナムドゥチ」(第101~105話)。
暢子の店「ちむどんどん」の開店準備は着々と進行。料理人として雇われた矢作は、初めての沖縄料理をどんどん覚え、暢子はその姿を頼もしく感じる。一方、暢子への冷めた態度は相変わらずで、和彦たちはそんな矢作を心配する。
やんばるでは、良子が学校で、地元の野菜を生かした給食を始めようと取り組んでいた。歌子も、少しずつ人前で歌えるようになり、自信もついてきた。そんな中、賢秀は猪野養豚場で大きな仕事を任される。
ある日、母の優子の計らいで、暢子の店や家事を手伝うため、歌子が上京する。歌子が東京に来たことで、智との関係には変化が…。
矢作、再び料理の道へ!涙ながらに包丁を握る!『ちむどんどん』第100話(RBBTODAY 2022/08/26 14:18 )
26日放送の連続テレビ小説『ちむどんどん』第100話では、矢作(井之脇海)が再び包丁を握った。
暢子(黒島結菜)は姿を消していた矢作を見つけると、かつて働いていたフォンターナに連れていく。矢作は房子(原田美枝子)と気まずい再会を果たす。
そこで房子は退職金を渡し、「独立したいと思った時点でちゃんと相談してほしかった。私も反省してる。オーナーとしての人徳に欠けていたって。そのこともちゃんと謝りたかった」と語る。
さらにそこに、矢作が別れたという妻の佳代(藤間爽子)が現れ、「やり直そう、もう一度。頑張って私のために。あなた自身のために」と鼓舞し、「もう一度料理人になってください」と嘆願。矢作は「オーナー、申し訳ありませんでした!」と謝罪する。
後日、矢作は、暢子が開店に追われる沖縄料理店を訪れ、働く上での条件を突きつける。すると暢子はあっさりそれを受け入れつつ、ちょうど作っているという青パパイアの炒め物「パパイアイリチー」を手伝ってくれとお願いする。矢作は青パパイアを千切りしているうちに、かつてフォンターナで料理していたときなどを思い出したのか、涙しながら包丁を握っていたのだった。
2022.08.26
朝ドラ、矢作演じた井之脇海「ちむどんどんしていく心の変化を噛みしめ演じました」
俳優の井之脇海が26日、インスタグラムを更新。この日のNHK朝ドラ「ちむどんどん」で、妻と再会し、房子に詫び、暢子の店で働くことになった矢作の演技について「料理という生き甲斐を取り戻して、“ちむどんどん”していく心の変化を、噛みしめながら演じました」と振り返った。
井之脇演じる矢作は、房子(原田美枝子)と暢子(黒島結菜)の尽力で、妻の佳代(藤間爽子)と再会。佳代は矢作から預かった離婚届は提出しておらず、もう一度私のために頑張ってと励まし、2人はもう一度一緒にやり直すことに。
暢子は、矢作が一番最初に沖縄そばを「おいしい」と言ってくれたことが忘れられず、だから一緒に働きたいと訴える。矢作は後日、暢子の店を訪問。料理から離れてもずっと持っていた包丁で、パパイヤを刻みながら、再び料理が出来る喜びに涙を浮かべる…。
井之脇は「矢作が、料理という生き甲斐を取り戻して、“ちむどんどん”していく心の変化を、噛み締めながら演じました」と説明。そして「これからの物語終盤、一度挫折を味わった矢作が少しずつ進んでいく様子を、ぜひ最後まで見て下さい」と呼び掛けていた。
ファンからは「頑張れ矢作!」「矢作さんにまた会えて嬉しかった~」「料理が出来る幸せを噛み締めての表情の変化、演技素晴らしかったです」「矢作さんのちむどんどん、伝わりました」などの声が寄せられていた。
ソバの花はなぜダラダラと咲くの?作物の優等生「イネ」にも勝る特性 (俣野 敏子 2022/08/24 06:00)
じつは縄文時代(!?)にまでさかのぼるという代表的な日本料理、蕎麦(ソバ)。健康食としても大人気で、日本が誇る伝統食の1つだ。しかし、意外にもその文化的、歴史的側面はあまり知られていない。なんとソバ文化は日本だけのものではなかったのだ……。植物であり、作物でもあるソバの魅力を、世界各地の食文化、日本における歴史、そして健康食としてのパワーを通して語った1冊『そば学大全』より、ソバ研究に情熱を傾けた一人の研究者の想い、そしてソバの魅力に迫る!水稲からの転作需要が急増し、足りなくなった種を製粉用に輸入した中国の種で代替するが、そのことによって在来種との交配がソバに起こってしまう。人間からすると困った事態だ。しかし、ソバからみると納得の理由があった。そこには迷走する当時の農政やそれに振り回される生産者の様子が垣間見えてくるのだった……。
(※本稿は俣野敏子『そば学大全』を一部再編集の上、紹介しています)
補助金目当ての転作
日本の米の備蓄が過剰になり始めたのは1965年(昭和四十年)頃からで、1970年に水稲の生産調整が始まると、ソバは特定転作作物としての指定を受け、補助金を受けることになった。それまで栽培面積の減り続けてきたソバが、急激な増加を余儀なくされたために、播種するにも種子がない状況がしばらく続いた。
それまでに私が訪ね歩いた山里の老人たちは、「とにかく種を残すだけでも」と作り続けてきたから、その土地に適した種は確保していたが、一方で、補助金目当てのソバ畑はソバなら何でもよいからと、とにかく播いていたらしい。転作面積の調査は、生育のごく早い時期にあるので、あとはすき込めばどんな品種でもソバでさえあればよいと。
しかし、実のつくまでおいておく場合も多く、所々で赤い花が見られるといわれるようになった。どうも製粉用に輸入した中国の種を播いていたらしかった。
それぞれの地域の環境条件に適応したものとして大切に保存されてきた在来品種が、ただでさえ残り少なくなってきている上に、まるでちがうところから持ち込まれた遺伝的素質を持つものと交雑してしまうのだから、多収穫なんて思いもよらない話である。
格安の輸入ソバと比較すると
どんな場所にどのような性質の在来品種が残されているのかを研究してきた私にも、なすすべがなかった。急に日の目を見始めたこの頃がソバの受難の時期だったのかもしれない。
明治以降急速に減少してきたソバの栽培面積は、1970年頃、つまり私が研究を始めた頃はまさに風前のともしびだった。水田転作で一度増加し始めたが、1975、1976年に最低となり、転作田でも増えなかった。ソバどころといわれてきた信州で、当時の転作田のソバ栽培が少ないのを見て私は何やらほっとしたものである。
その後、需要は急増し、それにともなって輸入量は増加の一途をたどっている。生産調整が開始された1970年から二十数年の間に、種が不足していた頃に交雑したものは、それぞれ地に適応したものが残されて、ましになってきているのかもしれない。
しかし、日本のソバの栽培面積はほとんど増加していない。単位面積あたりの収穫量は横ばいか、むしろ低下している。努力をしてみても、格安の輸入ソバに比較してはとてもまともな収益の上がる作物とは考えられないからだろう。
ふぞろいな成育
ソバ畑が満開になったといっても、1つの個体を見ると、しっかり咲いている花もあれば明日にも咲きそうな白いつぼみもあるし、さらにまだまだ硬くて緑のつぼみもある。
もっとよく見ると、これから葉の出る枝もある。それらはさらに遅れてつぼみがつき、開花する。開花してから数日たつと、受精した実は茶色く色づいてきて、数日で黒い実になるが、他の花がまだこれからたくさん咲こうとしている時に落ちてしまう。
イネのように茎の先端に花(穂)がつく場合には、葉が全部出終ってから花が咲く。イネ科では茎の頂端の芽が葉芽から花芽に変ってからいっせいに花が咲く。
ソバは、ほかの花が咲いていたり、まだつぼみのままだったりするのに、早いものは黒い実になってしばらくすると落ちてしまって収量が減る。この実は土の上にごろごろところがっており、暖かい時期なら雨が降るとその年のうちに、あるいは秋に落ちると次の春に芽を出している。
だから、春先に前年のソバ畑へ行くとソバの芽が元気に育っている。この畑は春に播いたもので発芽が悪くてこんなに不ぞろいなのかと感じたりするくらいである。そこを耕して新しく種を播いても、前年の落ちた種がいつまでも芽を出すから、次の年の品種がちがえば混じってしまう。
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遺伝子の多様性
このたダラダラといつまでも咲く花の咲き方は、人間にとっては困る問題だが、ソバにとっては好都合な話なのである。花の寿命はふつうは1日で、朝咲いて夕方にはしぼんでしまうので、雨が降っり、強風が吹いたりすると虫が来ないから、いっせいに咲くようではその個体の子孫は残せないことになってしまう。
いつまでも次々に咲いていれば、そのうちによい日にめぐり会うというものだ。つまり、無駄花をたくさんつくることになっても遺伝子の多様性を残すほうが野生生物としては都合がよい。
他殖性がなぜ野生の植物に都合がよいかというと、栽培植物の場合は人間がその植物に適した環境をつくって育てるが、野生の場合は不適当な環境では少数の子孫でもよいから誰かが生き残るような性質、つまり遺伝子の多様性が必要になってくるわけである。
ソバは手がかかる作物だが、それは野生に近い植物であるがゆえ。人間のコントロールが及ばない「個」が際立つことで、種を保存させようという彼らなりの戦略なのであった。
「白い花が咲き終わって3日ほどで収穫できる」と話す原田弘恵さん=浜松市西区古人見町の「きまぐれ農園」で
オクラ収穫、体験して 西区の農家・原田さん
2022年8月24日 05時05分 (8月24日 05時05分更新)
浜松市西区雄踏町の兼業農家原田弘恵さん(55)が、旬を迎えたオクラの収穫体験を始める。毎日四百〜五百本収穫できるといい、「美しい花を咲かせる栄養満点の野菜。ぜひ畑で新鮮なオクラを採って味わってほしい」と呼びかける。 (久下聡美)
西区古人見町の県道細江舞阪線沿いにある原田さんの畑「きまぐれ農園」では、今年六月に種まきした約二千株のオクラが育つ。草丈は一メートルほどに成長し、夜から朝にかけてハイビスカスに似たクリーム色の美しい花が咲く。
オクラ以外にも、ブルーベリーやミカン類も栽培し、農家以外の仕事にも従事する原田さん。「今年は梅雨が短く生育良好。毎日続々と実をつけるオクラ
の収穫に手が回らないほど」と語る。
オクラは食物繊維やカルシウム、ビタミンA・Cなどを含む。「疲労回復や便秘解消、生活習慣病の予防にも効果があると言われている。この機会に、畑でたくさん収穫していただきたい」と話す。
取り放題の収穫体験は二十八日から九月十三日までの日、火、金曜の午前九〜十一時。料金は一組五百円。要予約。名前と希望日を入力しショートメッセージで送信。(問)原田さん=090(4165)9812
オクラは食物繊維やカルシウム、ビタミンA・Cなどを含む。「疲労回復や便秘解消、生活習慣病の予防にも効果があると言われている。この機会に、畑でたくさん収穫していただきたい」と話す。
取り放題の収穫体験は二十八日から九月十三日までの日、火、金曜の午前九〜十一時。料金は一組五百円。要予約。名前と希望日を入力しショートメッセージで送信。(問)原田さん=090(4165)9812
映画『Dr.コトー診療所』、“妊娠7ヵ月”の彩佳と寄り添うコトーのティザービジュアル解禁(クランクイン! 2022/08/26 05:00 )
(上段左から)泉谷しげる、小林薫、筧利夫(中段左から)時任三郎、柴咲コウ、大塚寧々(下段左から)朝加真由美、大森南朋、富岡涼「Dr.コトー診療所」続投キャスト(C)山田貴敏 (C)2022 映画「Dr.コトー診療所」製作委員会
2003年にフジテレビで放送されたドラマ『Dr.コトー診療所』の続編映画が12月16日に公開。柴咲コウをはじめとする続投キャストからコメントが到着し、ティザービジュアルも解禁された。
本作は、累計発行部数1200万部を超える山田貴敏の同名漫画を元に制作されたドラマ。平均視聴率19%、最高視聴率22.3%の大ヒットを記録し、続く2006年に放送されたシーズン2でも、シーズン1を上回る平均視聴率22.4%、最高視聴率25.9%という驚異の高視聴率をマーク。今なお、国民的大ヒットドラマとして語り継がれている。
東京から僻地の離島に赴任してきた外科医“Dr.コトー”こと五島健助と、島の人々との交流を通して命の尊さを描いた本作の主人公・五島を演じるのは吉岡秀隆。山田洋次監督が手掛ける映画『男はつらいよ』シリーズや倉本聰が脚本を手掛ける「北の国から」シリーズなど数多くの名作に出演し、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)とその続編『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(2007)では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど、日本を代表する俳優のひとりである吉岡が、自身の代表作であり代表役ともいえる“コトー先生”を、16年ぶりに演じる。
これまで吉岡以外のキャストは明かされていなかったが、この度満を持して柴咲コウや時任三郎などの続投キャスト情報が解禁された。
診療所の看護師・星野彩佳、改めコトーと結婚して姓が変わった五島彩佳役を柴咲コウ。志木那島の漁師・原剛利役に時任三郎。島民が集うスナック・まりの店主、西山茉莉子役には大塚寧々。加えて泉谷しげる、筧利夫、小林薫、大森南朋、朝加真由美など、ドラマからの続投キャストが勢揃い。
さらに、映画化が発表された際、ファンの間では大人になった原剛利の息子・剛洋役の出演に関して注目が集まっていたが、2006年のドラマ第2シリーズ以降、芸能界を引退していた富岡涼が、この映画のためだけに役者復帰を果たす。再びコトーの世界に戻り、物語のカギを握る「剛洋」の姿に注目だ。
キャストと共に解禁されたビジュアルでは、夫婦になったコトーと彩佳が2人で診療所前に佇む優しい雰囲気が、どこか懐かしさも感じさせるものとなっている。ドラマ第2シーズンの最終回以降、2人の関係については描かれていなかったが、彩佳は妊娠7ヵ月であることが明らかになった。
映画『Dr.コトー診療所』は12月16日より全国公開。
※キャストコメント全文は以下の通り。
<キャストコメント全文>
■柴咲コウ(五島彩佳役)
何十年も前にチームだった人が多い現場なので、あうんの呼吸のような安心感がありました。撮影しながら昔のこともどんどん思い出して、思い出話に花を咲かせながら、「今」を紡いでる『Dr.コト-診療所』を撮っていました。
16年間の平穏な暮らしがどこかに感じられたらいいなと思いながら撮影に臨んだのですが、吉岡さんの姿を見たら、自然体でコトー先生の空気をまとっていて、そんな吉岡さんの前にいると、自然と自分も彩佳になることができました。ちなみに与那国島での撮影は、土地柄、虫が良く出るのですが、宿で私の苦手な虫が出た時に吉岡さんが、それをとってくれて、そういう何気ないことでも家族っぽくなるんだなぁと。こうやって助けて頂きながら島暮らしをしているのが、思い返せば、昔もそうだったなと思い出しながら撮影していました。
今回の『Dr.コト-診療所』は、ドラマもそうでしたが、日常や病気によって訪れる非日常、そこから生まれる感情をすごく丁寧に描いている作品なので、医療ものというよりはヒューマンドラマだと思いますし、人の心の機微や、人との繋がりが、どれほど大切なのかを改めて感じさせてくれる作品になると思います。
■時任三郎(原剛利役)
第1シーズンで、船酔いした息子タケヒロに向かって『漁師の息子が、情けねえ』と言っていた父タケトシ。それを演じていた自分が一番船に弱かったということを思い出しました(笑)。大人になったタケヒロと久しぶりの親子再会、どんな展開になるのかご期待下さい。
■大塚寧々(西山茉莉子役)
今回16年ぶりに撮影でしたが、与那国の空港に降り立って、あの空気を吸い込んだ瞬間に、ああ~島に帰ってきたと思いました。診療所もそのままで、なんだかずっと島で生活していたような不思議な気持ちでした。
子供達は成長して大人になっていてびっくりしました。スタッフやキャストのみなさんと会って、一瞬にして時がそのまま流れていたような感覚になったのが、とても嬉しかったです。まるで、久しぶりに親戚一同が揃った!みたいな感じでした。その雰囲気が映像にも写し出されていればと思います。
■泉谷しげる(安藤重雄役)
みんなもっと老けていると思ったが、いやいやぜんぜ~ん変わってなかったから驚いたねー! 今回オリジナルメンバーでやれたのが全くもって良かった。最初この話しが来た時、「早く撮らないと歳取ったのが死んでしまうから早くしないとダメだぞー」と言ったけど、前より若くなってらーっていう人もいて(笑)。
シゲは、勝手に島民の世話をして勝手にリーダーシップとる人なんだが、ありがた迷惑的なキャラが好きで、生き生きしてるね! 例えばだが、誰かが怪我して深刻な場面でも「あの野郎もう死んじまったかー」みたいなこと言っちまうところが大好きだね! まー観客の皆さんに喜んで貰える事が俺達の使命だから、本当に楽しんで貰う事が、何より願いだね!
■筧利夫(和田一範役)
永く役者をやっていると時々とんでもない事が起こります。私は変わりました。みんな変わりました。だって16年たってるんですもの。でも衣装着て診療所に行ったら…同じになっちゃうんですよ(笑)。手術台に行ったら手伝ってるんですよ(笑)。嬉しくなっちゃいます! もうファンタジーを飛び越えた機械を通していないCGですよ。ウキウキするでしょ? これは観ないといけませんね。Dr.コトー診療所でお待ちしております。
■小林薫(星野正一役)
二年くらい前だったかな、皆さんも同じだったと思うけど、中江監督から、コトーの映画化の話があるンだけど、その時は出演してくれる?って云われて、二つ返事で、そりゃあもちろん出ます出ますと答えてました。
なんだろうこの気分は、久しぶりに同じスタッフ、キャストの皆と一緒に仕事が出来る。島にももう一度行くことが出来るかもってのもあったかも知れないが、16年経っての作品化はコトーにそう云う生命力があったってことで、改めて、そう云う作品に関わることが出来た喜びみたいなのがあったンだなあと思っています。
■朝加真由美(星野昌代役)
この歳になると「ありがとう」と言う言葉が身に染みます。コトー再開の話しを頂いて思わず「ありがとう!」って空を見上げました。撮影初日与那国では「そうそうこの日差し!」「目が開けられない!」監督はじめスタッフ皆様の笑顔。「嬉しい!」現場に行けばコトー先生が居て、星野家があって、そこに行けば星野昌代として居られました。16年前には撮影がハードで早く帰りたいなんて思ったりもしたのに(笑)。なんと一日でも永く居たい場所になっていました。Dr.コトー診療所、「ありがとう!」
■大森南朋(坂野孝役)
撮影前は久しぶり過ぎて、気持ちがわさわさしておりましたが、現場に入ったら一瞬で16年前に戻りました。皆様がお元気そうでなにより。でした。16年ぶりに帰ってきた『Dr.コトー診療所』楽しみにしてください。
■富岡涼(原剛洋役)
監督から映画化のお話と「参加しないか」と言われて、考えたこともなかったので驚いたのと、役者を辞めてから時間も経っていたので、かなり悩んだのですが、監督から声を掛けていただけたことがすごく嬉しくて「自分のできることを精一杯やってみよう」という思いで参加しました。
島で吉岡さんや監督と話しながら過ごすうちに、だんだん昔、タケヒロがドラマの中で体験していたことを鮮明に思い出して気持ちがどんどん強まったので、自分の中にまだタケヒロが残ってたんだなと感じました。皆さんに久々にお会いする時はかなり緊張していたのですが、「あ!タケヒロ」みたいな感じで声かけていただいて…。本当に島のみんなの中に久しぶりに帰ってきたような、里帰りしたような感覚で、あたたかく迎え入れていただけたことが嬉しかったです。
「Dr.コトー診療所」剛洋役・富岡涼、映画化のために役者復帰「かなり悩んだ」(2022.08.26 05:001,507,499views)
俳優の吉岡秀隆が主演をつとめる映画「Dr.コトー診療所」(12月16日公開)の続投キャストが解禁され、剛洋役の富岡涼の出演が決定。芸能界を引退していたが、今作のためだけに役者復帰を果たす。
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富岡涼「Dr.コトー診療所」映画化のために役者復帰
志木那(しきな)島診療所を中心に、コトーと島民の絆やつながりを描いてきた「Dr.コトー診療所」。映画化が発表された際、ファンの間では大人になった原剛利の息子・剛洋役の出演に関して注目が集まっていたが、2006年の第2シリーズ以降、芸能界を引退していた富岡が、この映画のためだけに役者復帰を果たす。
原演じる剛洋役は、かつてコトーに命を救ってもらったことをきっかけに、コトーのような医者になりたいと志す。その後、医者になるため中学受験し、東京の進学校へ無事入学した。現在28歳という役どころだ。再び、コトーの世界に戻り、物語のカギを握る「剛洋」の姿に注目だ。
富岡涼、オファー受け「かなり悩んだ」
富岡はオファーを受けた日を振り返り、「監督から映画化のお話と『参加しないか』と言われて、考えたこともなかったので驚いたのと、役者を辞めてから時間も経っていたので、かなり悩んだのですが、監督から声を掛けていただけたことがすごく嬉しくて『自分のできることを精一杯やってみよう』という思いで参加しました」とコメント。
「島で吉岡さんや監督と話しながら過ごすうちに、だんだん昔、タケヒロがドラマの中で体験していたことを鮮明に思い出して気持ちがどんどん強まったので、自分の中にまだタケヒロが残ってたんだなと感じました。皆さんに久々にお会いする時はかなり緊張していたのですが、『あ!タケヒロ』みたいな感じで声かけていただいて…。本当に島のみんなの中に久しぶりに帰ってきたような、里帰りしたような感覚で、あたたかく迎え入れていただけたことが嬉しかったです」と作品への熱い想いを語った。
柴咲コウら、続投キャスト発表
そして、ドラマシリーズから16年の年月を経て新たに描かれる本作では、診療所の看護師・星野彩佳、改めコトーと結婚し姓が変わった五島彩佳役を柴咲コウ。志木那島の漁師・原剛利役に時任三郎。島民が集うスナック・まりの店主、西山茉莉子役には大塚寧々、加えて泉谷しげる、筧利夫、小林薫、大森南朋、朝加真由美など、ドラマからの続投キャストが勢揃い。
吉岡と中江監督が映画化にあたってゆずれなかった「もう一度このメンバーで『Dr.コトー』を作りたい」という言葉の通り、ドラマ第1シリーズからコトーにとって島のかけがえのない家族を演じてきたレギュラーキャストたちが、本作に再結集した。
吉岡秀隆主演「Dr.コトー診療所」16年ぶり続編で映画化
吉岡秀隆&柴咲コウ「Dr.コトー診療所」ティザービジュアル(C)山田貴敏 (C)2022 映画「Dr.コトー診療所」製作委員会
2003年フジテレビの木曜10時枠で放送された連続ドラマ「Dr.コトー診療所」。累計発行部数1200万部を超える山田貴敏の同名漫画を元に、平均視聴率19%、最高視聴率22.3%のヒットを記録し、続く2006年に放送されたシーズン2でも、シーズン1を上回る平均視聴率22.4%、最高視聴率25.9%という驚異の高視聴率をマーク、今なお国民的ヒットドラマとして語り継がれている。
東京から僻地の離島に赴任してきた外科医“Dr.コトー”こと五島健助と、島の人々との交流を通して命の尊さを描いた本作の主人公・コトーを演じるのは吉岡。山田洋次監督が手掛ける映画「男はつらいよ」シリーズや倉本聰が脚本を手掛ける「北の国から」シリーズなど数多くの名作に出演し、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)とその続編「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(2007年)では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど、日本を代表する俳優のひとりである吉岡が、自身の代表作であり代表役ともいえる“コトー先生”を、16年ぶりに演じる。
さらに本作の監督を務めるのは、ドラマシリーズでも演出を務めた中江功。脚本は、同じく連続ドラマ全作を執筆してきた吉田紀子。さらには制作スタッフも本作のために再集結するなど、名作ドラマシリーズを世に贈り出したオリジナルスタッフが、再び「Dr.コトー診療所」の“今日”を描く。(modelpress編集部)
「Dr.コトー診療所」ストーリー
日本の西の端にぽつんと在る美しい島・志木那島。本土からフェリーで6時間かかるこの絶海の孤島に、19年前東京からやってきた五島健助=コトー(吉岡秀隆)。以来、島に“たったひとりの医師”として、島民すべての命を背負ってきた。長い年月をかけ、島民はコトーに、コトーは島民に信頼をよせ、今や彼は、島にとってかけがいのない存在であり、家族となった。数年前、長年コトーを支えてきた看護師の星野彩佳(柴咲コウ)と結婚し、彩佳は現在妊娠7ヶ月。もうすぐ、コトーは父親になる。二人と共に暮らす彩佳の両親・正一と昌代、漁師の原剛利、元漁労長の重雄や漁師仲間、スナックを営む茉莉子、今も診療所を手伝う和田らが、今日もそこで静かに暮らしている。
2022年現在、日本の多くの地方がそうであるように、志木那島もまた過疎高齢化が進んでいる。それでも「まあ、コトーがいるから大丈夫だろう」そんな風に、皆心のどこかで思っていた。コトーも今や52歳。蒼く広がる海や水平線、波の音、夜空の星の輝きは変わらないが、島は少しずつ変化している。そんなコトーの穏やかな日常にもある変化が忍び寄っていることを、誰もまだ気づいてはいない―。【Not Sponsored 記事】