一関市花泉町のベゴニア館では、「四季咲きベゴニア/センパフローレンス」と思われるベゴニアが鮮やかな花を咲かせていました。
ベゴニア類の中で、春と秋の花壇などでお馴染みの「四季咲きベゴニア」は、ブラジル原産のベゴニア・センパフローレンス(Begonia semperflorens)をもとに、いくつかの原種との交雑によってつくられた品種群の総称ということです。
「センパフローレンス」は「四季咲きの」という意味で、寒さと暑さに弱いが、夏でも涼しい高原や北国では初夏から秋まで咲き続け、冬は室内の窓辺を美しく飾ります。
高さは20~30cm。葉は肉厚で光沢があり、緑色のものと赤みの強いものがあります。花の色はピンク、紅色、白などがあり、八重咲きもあるそうです。
四季咲きベゴニア/センパフローレンスシュウカイドウ科 シュウカイドウ属
Begonia cucullata var.cucullata
「四季咲きベゴニア/センパフローレンス」は、木立性ベゴニアの「叢生型」に含まれるわけであるが、早期(1821年)に発見されてから交配改良され、たくさんの園芸品種を含むので、日本ベゴニア協会では、別に1つのグループを設けています。
原種との出会いは偶然の産物で、1821年にベルリン植物園でブラジルより持ち帰った他の植物についてきた土から、この植物が育っているのが発見されたのが最初の報告で、この個体は淡いピンクの花を咲かせ、草丈は90cmにも達するものであったという。今日、センパフローレンス系の生い立ちや分類の定説も大きく変化し、ククラータz(B.cucullata Willdenow var.cucullata)とされたが、ククラータ(cucullata)には微小な違いでいくつかの変種が報告されている。
原種の分布域はギアナ、コロンビア、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン北東部にまで連なる広大な範囲であるという。(以上、誠文堂新光社・発行、日本ベゴニア協会・編「ベゴニア百科」より転載)