京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2013-11-30 09:12:32 | 日記

「鉄のケース」で造られた腕時計!
懐中時計から小型化へ進化途中のモデル。
スイス製・手巻き。
4時位置にあるボタンを押して時刻をあわせる昔懐かしいタイプだ。
1900年初頭のモデルか?100年以上前の製品でしょうか?

今日で11月も終わり。明日から12月です。
京都は「運動会」時間の始まり!
「運動会」と言えば小学生時代この日だけ「足袋」を履いていましたね~。
京都で同年代の人には笑われる。

「いったい君はいくつなの?どこで生まれたの?何人?」
長崎県平戸島からさらに舟で40分渡る離島での思い出です。
小中併設学校の運動会には「足袋」姿で出場していたのです。

島に一軒ある雑貨屋さんではこの日だけ「足袋」の品揃えがある。
そこで「十文半のください!」と言って買う。
当時は尺・匁の規定が残っていました。
「十八文キック」はジャイアント馬場さんの足のサイズだ。
運動会のプログラムが終わる頃「足袋」はぼろぼろに「ジャガイモ」と言う穴が出てくる。
やぶれた足袋を履いて痛い足を引きずりながらとぼとぼと自宅に帰る。

島へは遠洋漁業から戻る親たちの為にタイミングを合わせるので月齢カレンダーは必需品でした。満月の夜は漁がお休みになります。
この日だけは普段おとなしい子供も親たちの前で変身したように元気になる。

近所の「漁労長」さんがつけていた時計がこんな鉄の塊のような時計でした。
「戦争にもこの時計といっしょに行ったたい!」
時計と同じような色の日に焼けた腕に残った鉄砲玉跡の大きな傷の方が怖かった。

時代は現代に戻る。
私たち時計屋が「運動会」と言うと競技会の計測チームのことです。
「運動会屋さん!」と呼ぶ。
セイコーは「エスさん」、シチズンは「シーちゃん」
利益を出して会社に貢献する業務ではないので社内では一番気楽な人たちだと思っていました。

PR活動がメインの仕事に入るので大きな赤字を出す。社内では肩身が狭い存在だ。
また「運動会」は日祝祭日が多いので平日社内にいるときには有給休暇の消化期間だ。
ぶらぶらと遊んでいるような人に見える。

会社へ遊びに行くとこのヒマな人たちが遊んでくれたが、仕事内容のことは一切話さなかった。
ところが最近計測チームのOBの人が初めて本を出しました。それで大変な苦労をしていた人たちなのだと解る。
これほど秘密部分が多い集団は珍しい、今度お会いしたら優しくしてあげようと思う。

京都では「高校生駅伝、全国女子駅伝」などこれから運動会屋さんが活躍する冬。
京都で最近の計測チームは「シーちゃん」が担当する。

そのせいか?京都の店ではシチズンの時計が良く売れていました。
2001年、セイコー「ルキア」とシチズン「XC・クロスシー」の販売額争いではシチズンが上回ったのは全国の店でも京都だけだった思い出がある。

明日はサッカー京都VS長崎のプレーオフ。
「京都学生駅伝」では立命館VS京都産業大学の首位争いが期待される日です。
どちらにも勝ってほしい!
見逃せないのイベントですが明日も仕事!
「あわてず!休まず!」時計の仕事がうらめしいね!
私はう~う~と、うなりながら仕事をしています。
競技が終わったら遊びに来てくださいね~!













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時計師の京都時間。

2013-11-29 09:18:14 | 日記

「至福の時計師・時間」
写真はカルティエ「タンク・アメリカン」ホワイトゴールド、クオーツ。
1989年に発表されて以来人気が続いています。
87年にデザインが決まって2年後に発売される。ヨーロッパの贅沢な時間の使い方にため息が出た。日本では6ヶ月程度で出荷される。

「タンク・フランセ」、「タンク・アングレ」とヒットが続きます。
バイヤー時代はこれらのモデルをかき集めるのに必死で動き回りました。
3気圧防水、腕に沿って湾曲したケース。
アール・デコスタイルの文字盤が採用されています。

電池交換だけの修理でも私が呼びつけられるような高額品です。
タンクシリーズでも珍しい3気圧防水時計なので独自のからくりがあるモデルです。

作業はネジ止めの裏ブタを外す事から始める。急いでドライバーをつっこんではいけません。その前にいろいろと準備が必要なのだ。先ず、ドライバーを5本ほど用意する。

ベルト用のドライバーと裏ブタ用、それぞれ開けるときのものと閉めるときに使うものを別に用意します。常に整備した工具を使うのです。

時計についているほこりを払ってリューズを12時にあわせて巻真の錆の状況を把握します。これでおおよそのユーザーの性格がわかる。

作業開始。ベルトのネジを外す。ドライヤーで暖めて接着剤を溶かす。カルティエの金属ベルトはネジ式ピン。すべて接着剤で緩まないようにされている。サイズ調整をしている6時側の2番目のピンを暖めて抜く。

ここで裏ブタがフリーになる状態。
ドライヤーで裏ブタを温めながら1,4ミリのドライバーでネジをまわす。4本のネジが緩むまで試しながら暖める。
その際、アルコールランプは使いません。高熱で内部の防水パッキンを溶かしてしまうのでゆっくりとこの作業を繰り返す。

ネジに合った径1,4ミリドライバーを使うことでねじ山を潰さない。刃先をネジ溝にあわせて少し潰したものを使う。(市販のドライバーはすぐに使えません。逆に研いで鋭角を出す。)
4本とも緩むと一気に抜いてベンジンの洗いびんに放り込み油やゴミを取る。

本体と裏ブタが見事にぴったりとくっついているのでカミソリレベルのオープナーを使い隙間に差し込みます。これまで50%の作業が終了。
裏ブタが開いたら再度閉めるまで一気に作業を急ぎます。

防水パッキンについているゴミを取り、通常の電池交換作業を急ぐ。
最後すべての作業を確認して裏ブタを閉める。

ここで初心者は絶望に落ちる。裏ブタがしまらない!
カルティエのからくりがあります。ベルトが一定の角度の状態で初めて裏ブタが入るような防水の設計に驚く。
ユーザーが時計をつけている状態で裏ブタと本体がぎゅっと密着する仕掛けだ。
この角度を見つけられないとここまで!ギブアップ。

次にネジを締める作業、裏ブタネジの汚れを確認後、対角線上に締め上げる。その際に力いっぱい閉めてはいけない。
作業が終わりに近づく。ベルトのネジ留め作業。ネジ用の接着剤を必ず「適量」で使います。

時刻を合わせて仕上げ用のクロスで磨き上げます。
時刻をあわせる場合クオーツ時計は5分ほど進めて逆に回し歯車を接触させる。

「お出かけ修理」の場合。
保護者の私が後ろから指示する方法が一番参考になるのですが時間的に難しい。
ドライバーの磨き方から始まると2時間ほどかかる。
お店の開店時間がせまる。朝礼が始まる。お客さんが入ってくるなど危険がいっぱいなのでさっさと一人で終わらせます。

作業がすべて終わったあとの喪失感がなんともいえない。
普段近寄れない美しい女性と30分の会話を許されているようなものです。
切ないデートだが無事に送り返した安心感。

これが私の至福の時間です。
電池交換料金1000円。お金じゃ~ないね!こころじゃよ~!










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時計師の京都時間。

2013-11-28 09:25:07 | 日記

11月27日「いい鮒」の日と勝手に記念日にしてしまいました。
大津名物「鮒寿司」酒の肴に絶品です。
最近ブラックバスに追われて、いい鮒の入手が難しいらしい。
名古屋の「鮒煮」も大好き!ここは記念日にしてあげて頑張ってほしいところだ!

「絶滅の時間」
日本製目覚し時計が絶滅危惧種。
日本メーカーの90%以上が中国生産。セイコークロック、リズムクロック、カシオほとんどのメーカーが中国生産に切り替えて久しい。

写真の目覚し時計がやってきた。電波時計だ。「つい落した所、目覚しの針がぶらぶらとずれてしまった。」
時計の中からごろごろごろと音がする。

1970年代のアメリカ車を思い出す。「月曜日の車は買ってはいけない!」
週末遊びまわって全くやる気がない工員が多い。
「ごろごろと音がするのでドアの鉄板を開けるとコカ・コーラのびんやらタバコの吸殻が出てくる」
そんな懐かしい都市伝説です。今は中国製が引き継いだようです。

昨日は工房のお休みを利用して「クロックの日」
休日を利用して趣味の?機械式ボンボン時計の修復作業をやっていました。

時計の裏ブタを開けてみるとビックリ!これほど汚く粗雑な基板は始めてみた。
大量の樹脂が雫のようにたれていた。そのうちはがれて落ちることは誰でもわかる。
コイルの巻き方もずさんだ。
中からプラスティックのゴミが出てきた。これでは工業製品ではない。おもちゃだ!


モデルが違うので比較にならないのですが30年前の基板と比べると仕事に向かう誠実さが解る。
日本メーカーのプライドも「絶滅時間」だ。「誠実」の言葉も機械といっしょに中国へ売り渡したようです。
「目覚し時計は保障期間が終わる頃に壊れる。耐久年数は2年と想定して購入しましょう!」

先日修理依頼でやってきた。クリスマスプレゼントのオルゴールもダイキャストの支柱が割れていました。
日本のメーカーや百貨店を信頼してはいけません。販売側では一つ一つテストはしない。
不良品が10%程度発生する事を見越しているので交換はしてくれる。
ただし年末の忙しい時期、往復の交通費用と時間、プレゼントのシーンの楽しい時間は保障されません。

そこで中国人の店頭の買い方を見習いましょう。
彼らは必ず商品のチェックをして購入する。
安い目覚し時計でも付属の電池を入れ異音がないことを確認します。
ボールペンやライターでも必ず試します。
また在庫の商品を渡すと怒り出す。現品を渡すことだ。

見本には良品を使い、客には不良品を渡す事など日常よくあるのです。
「中国人のバイヤーには気をつけろ!」20年前、香港に店があった頃からの常識です。

まさか日本の国内でこのような事態になるとは予測できませんでした。
グローバル社会の中で「日本メーカー」への信頼は「絶滅」しました。

今年から目覚し時計を購入する場合は良く振って「ごろごろ音」を確認してください。
また「電波時計」は裏ブタや風防など故障に対する想定はない。後日、開けるように設計されていないのです。
今回のように落としたショックで「剣ズレ」(針がグラグラになること)修理の場合なら通常200円程度の簡単な修理です。
ところが接着されていたりと大掛かりな修理になる。
使い捨てを覚悟して購入しましょう。


写真は宮内悠介著「ヨハネスブルグの天使たち」「盤上の夜」
「ヨハネスブルグの天使たち」は特にお勧め!
ハードSFの分類に入りそうな小説ですが近未来社会の「日本製品」が怖い!
この本を読んで、日本に帰ってきたときことを思い出した。
「これで安心して死ねる!」
海外で死んだら家族に迷惑をかけるので24時間緊張して生活していた事を思い出す。
作者は生後すぐに海外で成長してきた。その緊張感が文章から伝わって来る。
時々たまらず眼を閉じるシーンが出てきます。

「盤上の夜」は直木賞の候補にもなりました。ゲーム理論を通して登場人物が魅力的だ。直木賞をあげたかった一冊。
こんな本が出てくる日本の出版業界はまだ希望がある!
「直木賞」に選ばなかった選考委員に絶望がある。
そろそろ工房を開ける時間になりました。今日も一日ぶつぶつ時計と会話しながら始めましょう。














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時計師の京都時間。

2013-11-26 09:27:00 | 日記

今日11月26日「いい風呂」の日。
明日は水曜日工房がお休みの日なのでゆっくりと銭湯でも!と思っていたが高速バスで移動時間になってしまいました。
明日は「さくふう 葉を払う」北風が強くなる季節。北風に要注意です。

「移動の時間」のお話。
京都人は日本で一番旅行しない民族だそうです!旅行代理店の人がぼやいていました。
観光地に住んでいるために地元から離れない人が多いらしい。
私も出張先では時計修理の仕事が終わると一目散に逃げ帰って来る。

東京など行きは夜行バス。戻りは新幹線。
食事は現地では取らない。京都駅から徒歩5分くらいのラーメン屋「新福菜館」(600円の出費)まで我慢するのです。
ランチに3倍以上の費用をかけて田舎者扱いされいやな気分で追い出される。
コーヒー1杯に1000円を出す経済感覚が理解できない事情もある。

また東京では「オヤジ」の待遇が違うように感じる。オヤジ族には「おもてなし」は最悪。「ひとでなし」扱い。
スーツ姿の現役の頃には感じなかった。
現在、普段着のよぼよぼカジュアル爺さんはお店に嫌われる。

京都では大学、伝統工芸師などの関係者はカジュアルの服装なので粗末な扱いはされません。
むしろスーツ姿の場合お店の人がハッと緊張、敬遠の対象になる。
「スンません!予約でいっぱいどすのや~!」
30分ほどのランチタイムでも気持ちよくすごしたいのです。

「移動時間の潰し方」
ヨーロッパまでの約11時間。東京~京都間の2時間強の移動時間はいつも苦痛だ。

A席はパフューム臭いおばさん、C席は汗かきのデブ外人。その真ん中に私と相場が決まっている。
時計師は運が悪い民族だ!
トーストを落としてしまうといつもバターを塗った方が下に来る。

「当日は満席となっております!」と席の移動も無理。
そんなときに一番気を使うのが機内でのすごしかた。


「異国のおじさんを伴う」森絵都著 文藝春秋1250円と税。
短編集なのでどこからでも読める。
こんな本に出会うとラッキーだ。最低2時間は楽しめるので国内の移動ならこれ1冊で済む。

東野圭吾の本をあわてて買うとすでに読んでいた本。
最近の推理小説のなかにはタイトルだけ変更して売っているので要注意!
キオスク、空港などあわてている場所で買うと必ず失敗する。

「フランス語のしくみ」白水社(1400円)など現地語の教本を持ち込み2時間潰せる。
楽譜も時間を潰せて無事に日本に持ち帰るが現地調達のほうが安い。一般には勧められません。

時間に飽きるとやはり最後は「時計」になる。

写真のエルメス使い込むほど思い出が出てくる時計。
時差を現地時間に修正したあとスケジュールを書き込む。これが結構時間が潰せるのです。筆記用具は機内に持ち込みましょう。
「嫁さんに電話する!」時間などうっかり忘れてしまう事をメモするのです。

ヨーロッパなどで時間は誰も教えてくれない自己管理。駅でも放送の案内など期待できない。
「ケ ルー レテイル?」今何時ですか?とは聞ける。残念ながら教えてくれた相手の返事が聞き取れない。

悲劇を経験したおばかな私は時計は2本持っていく。時計師なので海外にはセイコー。国内ではロレックスを連れて行くことが多い。
リザーブにはカシオ「G-SHOCK」現地で出会った人と時計交換用に備える。
その場合ソーラー時計は不可。充電池(キャパシタ)に寿命があるため使えなくなるので「騙された!」と怨まれます。

現地で水を飲まない事は今では常識になりました。ところが氷が入った飲み物やサラダを食べている日本人を見る。これがアブない。
冷たいスープに手を出し下痢嘔吐で12時間ほど記憶が飛んだ事もありました。

東京での立食パーティでもお寿司やサラダに手をつけない。水割りのウイスキーも飲まない。いつもロックかワインでヨッパラうのはこんな事情があるのです。

京都駅でやっとたどり着いたラーメン屋。傷だらけのコップに入った水を一気に飲んでしまう。
「やっぱり!京都は水が一番やね~!」

「やすまず あわてず!」が時計業界に携わる人たちのキーワード。
心無い人からはブラック業界と責められる!
それでもこの歳になってしまうと「やめろ!」とは言われなくなりましたね~。

明日は午後には戻って来れそうなのでお急ぎの方はご利用ください。
電話075-495-2608。
大宮・玄以北西3軒目「ヌーベル・パスティーシュ時計修理工房」




















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時計師の京都時間。

2013-11-25 09:15:51 | 日記

今日25日は「北野天満宮」の「市」開催日。
あいにくの雨になってしまいました。日曜日12月1日に予定されている「献茶祭」を控えてお天気が心配になります。

写真は昨日てこずらせてくれた「タイメックス」
薄氷を踏むような神経戦のロンジン「ルドルフ」の対照的な2点。

「昔の時間」
宮本武蔵が柳生の里を訪れた。
武蔵は生け花の鮮やかな切り口から名人の技を理解する。試合を申し込まずそのまま帰っていった伝説があります。
その間30秒!くらいうっとりと眺めたはず。その隙にやっつけられそうだ!

幾つになっても「へなちょこ時計師」
渡されたロンジン。裏ブタの鮮やかさを見てあきらめて修理を中止!したいところだ。その間10秒。

時計業界は「G-SHOCK」以前、以後で大きく時代が変わりました。

私たちが業界入りしたとき一枚の鉄の板を渡される。
真ん中から切り取り2枚の板を作る。一枚には径3センチの丸い穴を開ける。もう一枚はぴったり合うフタを造ります。
雄雌をあわせてストーンと秋の日暮れのように落ちると失格。
ゆっくりと指で押し出して離れるようになるまで何度も泣きながら繰り返して練習します。

その完成品の見本が「ロンジン」
裏ブタを開ける時、オープナーで一箇所正確な場所に当てないと傷をつけるだけで開きません。
また裏ブタを閉める場所が1ミリずれてしまうとリューズの巻真が折れる。
密閉度が高いのだが名人が開けると簡単に開く。
新入りがチェレンジすると裏ブタが傷だらけ、名作は名人を作っていきます。

写真のロンジンは傷が一つもない状態でお預かりした。
電池交換を終え、お客様に戻す。にっこりと笑顔でお渡しできるようになるまで3年はかかる。
カルチェの場合、同じようにピタッとくっつく。それを4本のネジで優しくとめてあるのです。アホの技術者は力いっぱい締めるのでネジをいためる。
ゆっくりと締めて止まったところで肩の力を抜く。それだけで防水機能は発揮できるのです。

カシオG-SHOCKは私たちのそれまでの常識を覆しました。
ケースに鉄板をのせてその間にゴムを何枚かはさみネジで強く締め上げて水を止める構造です。
私たちの初期の頃の鉄板合わせの練習は無駄な時代になった。
この逆転の発想に驚きました。

強く締め過ぎると樹脂で出来たケースは割れる。逆に締める力が弱いと水が入る。
オメガ、ロンジンよりある意味では修理は難しい。かといって修理料金を上げるわけにはいきません。

発売当初は中国製で価格も安く使い捨てお手軽時計。お互い笑顔で対応してきました。
トライアスロン競技用と文字盤に書いてある時計。
実際に競技に参加すると途中で水が入るよ!ユーザーの情報が面白い時代でした。

ところがカシオと同じ発想の「なんちゃって防水時計」が10万円前後で売られる時代に入るとお互いの笑顔は消えます。
「中国製なのにどうして完璧な防水機能をもとめるの?」
「10万円も出したのだからあきらめきれない!」
お互いの思いのすれ違いが大きい。

知人の情報では中国チンタオ市で石油パイプラインが爆発。40人以上が死亡。1万人以上が避難生活を送っているそうです。

時計業界の「鉄板」くりぬき練習など熟練技術を省略して成長した「安物つくり文化」の結果だ!と友人が言う。
悲劇が繰り返される光景を見るのは残念な事だと思います。
日本では「福一」の汚染水漏れも同じ現象なのでしょう。
いまや世界的な人災事故に備える時代になりました。

旋盤作業の「真出し」で鉄に泣かされた話なら何時間でも出来る人が少なくなった。
秋の日。つるべ落としの夕日を見るたびにキューっと昔の失敗を思いだす。

今日は早く帰ってお気に入り「薬師丸ひろこ」さんのドラマを見ましょうかね~!










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