京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2013-11-04 09:16:53 | 日記

「沈黙の時間」
「美は人を沈黙させる!」先日、図書館をうろうろしていたら「小林秀雄集」現代日本文学大系60 「筑摩書房」を見つけた。
モーツアルトの研究で有名な著者です。

指の怪我でチェロを弾けなくなった20代の頃モーツアルトをよく聴いた。
怪我のおかげ?で名作に出会えたのが救い。
今でもモーツアルトの曲が流れてくると瞬間、沈黙してしまう。

モーツアルトはチェロのソナタなど作曲していないので子供の頃はモーツアルトに疎遠でした。
ベートーベン、バッハ、ブラームスのチェロソナタの名曲がいっぱいある。ピアニストのショパンまでチェロソナタを作曲してくれたのにモーツアルトの曲がないのが残念です。

昨日は雨。お神輿の巡行も中止!お客様もまばらでしたのでじっくりと小林秀雄先生の本と付き合っていました。
彼の時間に対する哲学が面白い。

「時間」についての考察。
過去は「思い出」、未来は「希望」、現在は「永遠」の存在。

私の場合「現在」はうんざりするほど永遠のように辛い時間が続く。
「思い出」は時計の組み立て失敗などろくな思い出しか残っていない。
未来など「原発マフィア」達お金持ちだけのもの。長期間ガンで苦しんで娘に迷惑をかけて死んでいく事でしょう。

写真の中国製の「時計」。防水パッキンの取り付け位置がデタラメだ。水が簡単に入る。
次にやってきたのがシチズンのソーラー時計。「光にあてても動かない、止まったまま」なので「電池交換の依頼?」です。

ソーラー時計は実際的に使い捨てユースが浸透してきた。
「充電池(キャパシタ)の劣化で交換することになるがその際メーカー修理で2万円ほどの出費が必要なので、、」のやりきれない説明をいままで何度繰り返してきた事でしょう。
食品も偽装。「電池交換不要」のソーラー時計も嘘。嘘ばかりの社会だよ!。

モームの短編小説「雨」を思い出します。やりきれない日曜日になりました。
現在は「美」に対する自浄能力が失われているような停止した時間が続いている。

親会社から定期的に天下りしてくる「社長」の退職金費用を捻出するため客に「ニセモノ」を食べさせたり、欠陥商品を造らせて責任を中国人にかぶせて平気な日本人だ。

22歳くらいまでは笑っている時間より泣いている時間の方が長い。そんな時代におばかな大人たちと出会う若い人たちは最悪気分だと思う。
時計を見詰めて早く時間が過ぎるのを待っているような日々が続くでしょう。

昔、そんなときに「モーツアルト」と出会いました。
最悪な人生の見本と最高な音楽を世の中に送ってきてくれた「天才」モーツアルト。
彼の音楽を聴いてやっと一歩ずつ進むことが出来た。

「音楽」は悪魔が造ったもの。少しの希望を見せながらすべての挑戦者を挫折させる。
それは解っている。もう58歳のジジイなのだ!
昨日は3時間ほど「バッハ無伴奏チェロ組曲」を練習していました。
死ぬまでなんとなく弾けるまで頑張りたいね!

人生でチェロがなかったらもっと時計の修理技術は上っていた。ただ、音楽がなかったら今まで生きていられなかったでしょうね~!

今日も一歩ずつ進んでいきましょう、空に薄日が差してきました!
いい日になりそうです。











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