時計師の京都時間「京の対立軸」

9月30日土曜日
明日1日は北野天満宮のずいき祭り。勝手ながら明日は町内会の用事で5時閉店になります。
お早めにお越しください。

写真はトラベルウオッチの名作。
電池はSR５１６SWとちょっと高価な電池2個使用する。
工房で出来る電池交換料金はCartier、ブルガリなど電池が一個で稼動しているものはすべて1000円均一です。
電池が二個で稼働しているものは1500円、3個以上なら2000円になっています。

写真の時計は優れものです。上下二段の文字盤で上は3針、下は2針つまり電池がなくなるのが上が先です。いきなり二つとも止まることはないので旅先で時計が止まってしまう経験をした人にはありがたい時計です。

京都の対立軸では東の八坂神社と西の松尾大社でしょう。私はどちらへも年間おなじ回数でお参りに行きます。どちらか一方のご利益があります。これが安心安全なのだ。
また奈良では興福寺と東大寺でしょうか。

10月22日は厄介なことに時代祭りと鞍馬の火祭の日に選挙がある。
このせっかく日曜日に巡ってきた日切り祭りの日曜日に選挙とは迷惑だ。

京都では22日以降、対立軸は希望VS共産党の構造に変わっているでしょう。
自民、維新は希望の補完勢力になっているはず。
アベノミクス失敗、モリ・カケ詐欺事件でアベのお坊ちゃまは無所属追放、仲良く野田ドジョウも無所属で「嘘つくとこんなになっちゃいました党」を立ち上げする。

国産時計の世界では9月に新製品が出そろいました。年末のセイコー・ルキアクリスマス限定の奪い合いが懐かしい。
自動車でVWを買う人の気持ちがわからない。VWに乗るならレクサスで十分。これと同じでチソットを買うくらいならセイコーで十分。
ところがなぜか時々売れるのが不思議でした。蓼食う虫も好き好き現象がある。

今月は遺品時計の修理や孫に譲る時計の修理が増えてきた。１０％が引き継ぐ時計の修理になりました。修理依頼品はそれぞれ価格別でもないのが不思議、これは増える傾向にある。

残念ながら孫に渡す前に修理する依頼はお断りすることが多い。
このパターンでは２度の修理になる。きれいに修理して数か月後お孫さんが壊して再修理になる。修理後は1年間保証なので無駄な修理品が増えるのです。

G-SHOCK以降の時代に生まれた人たちは時計をあっさりと壊す。
時計は高級品の時代から使い捨ての文化に変わったのです。
私達昭和30年生まれ前後の世代はほとんど全員がプレゼントされた時計を嬉しくて寝床に持ち込んでかすかな音を楽しんだ風の会話が弾みます。
まるで民主党が政権交代をした時のような喜び方でした。

現在のがっかり民進党と同じお客の思い出。
ある日、富裕層のおじいちゃんが孫たち全員に5個のロレックスをプレゼントした。ところが数日後カレンダーを壊して持ってきた。またその後水入りやら落下で壊れたものが続々と持ち込まれる。
要するに時計をもらっても嬉しくもなんともない世代が増えたのです。ロレックスよりビンテージ・ナイキを選ぶ時代です。
そんなことでおじいちゃんの遺品のロレックスなら自費で修理をやらせるほうがありがたみがわかり大切に使います。
私も20代の皆さんにはしつこく使いかたを説明してお帰り頂いています。
　やたら「注文の多い時計店」と言われた！

お孫さんへロレックスを修理に出すくらいならその4万円を料亭ささ木、桜田、大市などで行儀見習いを教えたほうが楽しいですよ！とお帰り頂いた。
時計師としてこの対立軸は正しいのか？悩む時代になりました。

時計師の京都時間「京の終わりの始まり」

９月２９日金曜日。大安、忙しいのでいまだ桔梗の花を見ていない月末近い金曜日。
夏の終わり秋の始まり。
二条駅のバス停にびちっとスーツで決めた５０代後半のサラリーマンのオヤジがいた。今朝の冷え込みで上着姿が目立ちました。
ところが腕にはG-SHOCK。腕に夏が残っている。
私の目から見るとスーツ姿で片手にサーフボード、足元は素足のトンチンカンおやじに見える。革バンドまでとはいかないがスーツにはビジネスウオッチにしましょうよ～。悲しい。
写真はショパール。50歳代になるとこれくらいの時計がいい。時計はその人の人生感が現れます。
責任のある管理職に就く年代なのでシッカリとしたものを選びたい。特に今日は月末最後の出勤日。スリーピースのスーツにG-SHOCKを付けた無神経な上司に指導されたくないでしょうね～。

月末名物、国産時計修理品代引き返送ラッシュに耐えて何とか支払いを終えました。
９月は苦労しましたね～。京都では嫌がらせ台風の影響で３連休の売上が全滅。
台風と泣く子には勝てません。

今朝のG-SHOCKオヤジのようなちぐはぐな時間を終わらせて１％程度の希望にかけてみたいものです。
月末になるとやって来る認知症の奥さんがいました。「この前預けた時計は直ったやろか～？」「ちゃんと娘さんにお返ししましでぇ～。長い間使ってもろておおきにね～。」の毎月の会話が先月で途絶えた。
上品な奥様なので初めは必死に探したがみつからない！後日お客様が認知症とわかるまで肝を冷やしました。
今朝も来なかった。　寝たきりにならはったんやろか～。と心配する。
北山はこれから深い秋の始まり。耐える時間の始まりです。

10月5日木は長崎へ行きますので工房はお休み。
今週、成年後見人制度のヒアリングに行った際に認知症が進んだ母親が実印を紛失していたのがわかった。
旅秋でおくる手紙は草書、季節の贈物のお礼は楷書と書きわけていた女学校出の母親です。
　警察官の妻の時間がトラウマになったのか息子の私がやくざの娘と浮気している妄想に泣いていました。
母親もいろいろな相談を受けていた駐在所勤務はつらかったのでしょう。それにしても62歳の私が浮気するなんて～！
「旦那、女房嫉くほどモテもせず！」若い時でも老いてもモテもせずなのだ。ちょっと悲しい。

地方何処へ行っても国道沿いにはグループホームときれいなパチンコ屋がめだちます。
島原で日曜日というのにきれいに整備されたシャッター通りでした。この誰もいない道の中を車いすに乗せて実印紛失届の処理をしてきます。
「認知症のお年寄りに怒ってはいけない！」ショパールを触る時の様に丁寧に尊敬を込めて車いすを扱います。
１０且5日は工房はお休み！これから突然お店の休日が入ると思いますがよろしくお願いいたします。

時計師の京都時間「京の本妻」

９月２８日木曜日。雨のち晴れ。
左半分がかくれる上弦の月が見られるか？

長崎にいる母親の認知症が進みまた来週の木曜日には長崎入りで工房がお休み、水曜日は６時まで営業します。
お客様にはご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。

母親がいきなりぼけた。
　突然「お前は浮気はするなぁ～！」と怒られました。認知症による妄想が始まってしまいました。私が浮気をして子供まで作ったという妄想。他所で時計を作ったが子供は作らない。
お見舞いに来る人にも私の浮気を止めるようにお願いをしているようでびっくりでした。

人伝に嫁さんの耳に入ると困るので自宅に戻り母親の話を伝えた。
「え～！お母さんの話は妄想と違います。アンタの本妻はセイコちゃんやらシーちゃんやろ～私は昔から二号三号さんやで～。」
朝から晩まで工房に入り浸って遊んでいる６２歳のオヤジだ。嫁さんの目にはそんな風に映るらしい。合掌！

写真はカシオ・フロッグマン。なぜか忙しい時にやって来る時計。
いきなりオープナーを使っても工具を壊すばかりです。裏蓋周りに油をさして熱で暖めてゆるめる。バーナー、アルコールランプでは樹脂が溶けるので生火は使えません。
ドライヤーで少しずつ暖めるので時間がかかるので厄介なのだ。
ただし時間をかけると出来るということです。イラチの客様には１時間後にでも来てもらうのが正解。
お休み後には二日分の修理が来ているので朝から晩までセイコちゃんやらしーちゃんやらフランス物まで長いデートが続きます。

写真は佐賀・鹿島名物「ムツゴロウ」の干物。
トビウオ（あご）の干物を真っ黒に焼いた感じで意外と美味しい。ただし見た目がグロテスクなのでお土産には向かないか？残念。

工房は残り１％希望の店と馴染のお客さんから言われています。
最近小池さんの「希望の党さん」が出てきました。今回の選挙は安心して投票できるようです。京都１区にも候補者が出てほしものです。
民進党が合流しそうですが「軒を貸して母屋を乗っ取る」ムツゴロウならぬ、うそつきどじょーがべったりと張り付いている政党なのだ。
ムツゴロウが詰まった壺にくさったどじょうが一匹でも入ると壺全体の価値が一度に下がる。

また、大阪名物変わり身「維新の会」など選挙の時には野党、選挙後は与党にコロッと変わる政党もある。「モリカケ」騒ぎでがお坊ちゃまの応援政党でしたね～。
政治家と認知症にはヨロズ気をつけましょうね～。

月末に入るとセイコちゃんやしーちゃんから着払いの修理品が集中します。
お引き取りはお早めにお願いします。

時計師の京都時間「ふるさと時間」

９月２７日火曜日。昨日のお彼岸明けで今日から日常が戻ってきました。
写真は長崎大村サービスエリアの朝焼けです。
なぜか九州に入ったとたん人は親切になる。この朝日をみていつもトゲトゲの性格も丸くなる気がした。
登山並の急坂にあるお墓掃除に向かう。


こちらは島原半島にある真砂ホテルの部屋からの写真です。
地元で特に有名なホテルです。サービス満点！
ビックリ！なんじゃこりゃ～。朝食の鉄鍋の中に玉ねぎ一個まるごと転がっていました。見た目はいつもの脇役の玉ねぎです。ところが島原の玉ねぎはなめたらあかん！
シッカリ主役を務められるだけの仕事をしています。玉ねぎは美味しく甘かったのだ！

お風呂は源泉かけ流しでふろ場から日の出を見られたのが最高の瞬間でした。道東・ウトロの夕日、島原の有明海から登って来る朝日は今のところ私の一位になっています。
「ホテル真砂」は島原半島の中で一番のおすすめリゾートホテル！
ここまでカロリーメイトをかじって昼食を節約した甲斐があるのだよ～。

最後にすべて用事を済ませて佐賀鹿島の干潟を見てきた。６月に干潟のガタリンピックがあるところ。
残念ながら満潮時に着いてしまいました。次回はカシオのタイドメーター付きの時計を持ってくることにする。
土産物の売り場にはムツゴロウ、干潟のエイリアン「わらすぼ」干物が売られていました。
勇気を出して買ってきた。月末の金欠週間まで待つことにした。工房のお昼ご飯がなくなるタイミングで食べるつもりです。
大村市から鹿島まで車で３０分強で着く。
高速バスの時間があったので鹿島の温泉も入った！

温泉施設に露天風呂があったがこれも最高！京にもどるまであと一時間。
浦島太郎の気分を堪能しました。

工房を鹿島に持ってくるか？
優秀な時計師は世界中何処へ行っても喰える！この都市伝説はもはや昭和時代の昔話。
島原半島の高齢化率４８％と国内最高レベルだという。防波堤で釣りをやっている人もほとんど高齢者。魚がいない干潟に釣り針を垂らしてもつれないことと同じで若者がいない場所で工房を開いてもむだ。若者が時計を壊してくれるので仕事になるのです。
京都へとっとと戻って仕事に入ります。

明日は５時まで営業。水曜日なので早く閉店しますのでお早めにお越しくだされ～。
来週の１０月五日木曜日は水曜日と入れ替え営業になりますので気を付けてお越しください。

時計師の京都時間「京の指先時間」

９月２３日土曜日。秋分の日。忙しさで祝日を忘れていました。
大安なので挙式ラッシュか？上賀茂神社へ向かう人が目立ちます。
私は今夜から長崎へ気力体力を整えてお墓詣りに行ってきます。写真を撮って母親がチェック。「ここが汚い！」などクレームが多いので手を抜けません。

私がアレルギー体質なので子供のころは病名もわからず寝込むので母親にずいぶん迷惑をかけた。
せっかく父親が買ってきたクリスマスケーキを食べると戻して寝込む。
母親がそのたびに「変なものを食べさせてごめんね！」と横に付き添ってくれていました。
春には黄砂、花粉症で集中力がなくなりいきなりおバカになる。若い先生からは授業態度が悪いと母親が度々呼び出されていました。
頭が痛い、お腹が痛くなりトイレに長時間入っているのでさぼっていると思われたのだ。のたうち回る痛さなので盲腸と間違えられて切られた。
「トイレの花子さん」と仲良しでした。誰もいない授業中に奥の物置から声が聞こえる。そうか！あれがトイレの花子さんだったのか～と今では納得しています。
それでも汗まみれで頑張るのだ。
自宅のトイレには父親が持ち込んだ週刊新潮が常備されていたので隅から隅まで読みこなす一番の読者になる。トイレ占拠に対して家族の非難を母親が守ってくれた。
「週刊新潮はただいま発売中です！」とCMの想い出はトイレとセット。

トイレとは長い付き合いです。ヨーロッパのトイレ座ると足が届かないので子供のころ座った珍しい長崎の百貨店の浜屋、岡政を思い出した。
その後大人になってファッションビルの館長をやったころ全館改装でトイレだけには張り切って豪華にお金をかけた！ざまあみろ！やればできるのだと思う。
今夜からの長崎はトイレの思い出がいっぱい詰まっているところです。長崎駅のトイレは不便だ。何とかならんかね～！
やはり京都の御所のトイレはうれしいものです。上洛後初めて使ったときは感激しました。公園なのにこんなにきれいなトイレを見た時にはビックリです。
今でも御所のトイレはお勧めなのですがもうそろそろトイレで銀杏を洗う不届きものが出てくる季節になります。「石薬師御門のトイレには気をつけよ！」

写真は指輪時計。
セイコーの名機キャリバー１７・２０石。修理はおもて面から風防をとってリューズを抜く防水機構のモデルです。
風防を抜く場合必ず工具を使うことです。プラ風防は簡単に傷がつきます。
残念ながら指輪時計はいつの間にか市場から消えていきました。
トイレで手を洗うときに面倒なので指輪時計を着けたまま水没させてしまうので水入り修理が頻繁に起きます。
それでも指輪時計はなんとか復活させてほしものです。今どきのソーラー電波なら使い捨てなので防水機能も完璧な状態で設計できると思います。
今日も開店時間が来ました。
明日からブログはちょっとお休み、長崎のトイレに二日間ほどこもってきます。よろしく。