京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2013-11-12 09:22:29 | 日記

「8分の時間」
朝食のゆで卵をゆでる時間。沸騰したお湯に卵をぶち込んで正確に8分計る。
7分30秒までに待機しておかないともたもたしてタイムオーバーで黄身が硬くなる。
「ゆで卵」にこだわる朝なのです。
へなちょこ「時計師」は朝食も時間厳守。

一般の時計なら「8分間」電池交換が終わる。
バイヤー時代にそのように全国で指導してきました。
その為にすべての工程を8分以内で完了するように材料や工具の設置場所まできめ細かく設定しています。

電池交換料金の1000円はこの時間で決められる。
ちなみにカシオ・フロッグマンなど1時間もかかるような時計が敬遠されるのはこのような理由がるのです。
時間換算すると8000円ほどの料金になりそうだ。
それが1000円の料金でやるのだからG-SHOCKのユーザーたちはお得なのです。

時間の感覚もお国柄がある。「時間だよ~!」と言うと思いつくのがそれぞれ違う。
フランス人なら時間は「哲学」を思いつく。イギリス人は「歴史」、ドイツは「労働時間」、イタリア人は「デートの時間」。
それぞれだよ~!

工場でお昼時間ジャストにドイツ人が各部屋の電気を消して回る。
消される前にイタリア人は食事に行く彼女を誘うのだから一日で一番忙しい。
デートの合間に仕事をするようなものだ。遊び時間をすべてに優先する。
イタリア人の自殺率が極端に低いのもわかる。

スイスの時計工場で働くイタリア人が多い。デザインを任せたら最高のものを造る。
ところが彼らが造る「ビジネスウオッチ」のデザインとイギリス人の料理は絶対に避けたい。売りものにならない!
どちらも死にたくなるほど時間がもったいない。

京都人に「時間だよ~!」と言うと皆さん辛い顔になる。
京都人にとって時間とは「耐える」時間のことなのだと思う。
耐えて耐えて死ぬまで耐え抜く歴史がある。
決して爆発しないが爆発している人の応援は積極的にやる性格だ。

気候に耐える京都人。
冬は寒い、札幌出身の人が「京都が一番寒い」と逃げ出すほど。
夏は暑い、沖縄の人が「京都は一番暑い!」と逃げ出す。
これをどうやら京都人は自慢しているようにも見える。
これから長い間冬の気候に耐える時間の始まりだ。

経済的にも恵まれない。
京都が一番良かったのが「平安時代」なのだ。徐々に衰退している。
辛い江戸時代から明治維新になってやっと一息つけると思ったら皇室は東京に行ってしまう。
京都は現在全国トップクラスの不況構造になってしまった。

現在西陣地区は「アベノミクス3本の毒矢」に見事に殺されそうな町だ。
自殺率は全国トップクラスを維持、非正規雇用率も並んでトップクラス。
物価は天井知らずで上る!
新聞報道のようにとても時計が売れているとは信じられない。商店街は火が消えたように静かです。
じっと耐えている京都人はすごい!とおもう。

明日は工房がお休み。

午後から工房では「掛時計修理」の仕事をやっています。腕時計の修理でお急ぎの方はご利用ください。
ただし「機械式掛時計」の修理は新規では受け付けていませんのでご注意ください。













コメント
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