京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2013-11-24 10:25:29 | 日記

「損・得」な京都時間。
朝からお気に入りのヨーヨー・マのチェロがラジオからいきなり聞こえてきた。
ちょっと得をした気分です。

ところがタイメックスに1時間ほど取られてしまいます。
デザインはドイツ、生産地は中国なので中身は立派な中国人!
お粗末な防水機能なので水が入ったカイロがボロボロでうんざりします。

そこそこの値段で販売しているのかユーザーはあきらめきれない様子。
端子の青錆を取り除いてなんとか復活しました。
裏ブタにムーブメントデザイン・「ドイツ」と刻印があるだけでどこにも中国製と書いていない。
蓋の裏に中国製と書いてある。ユーザーに生産地はわからない。

流行の「偽装」ではないのかと一人で憤慨していました。
日曜日のアサイチちょっと損な時間でした。電池交換1000円。

日本では「損」がはじめに来る「得」はあと。ヨーロッパの感覚では「プロフィット」が先で「ロス」は後に来る。
種をまく農耕民族と狩猟民族の違いでしょう。
狩で獲得した獲物を得た後に分配する文化とあらかじめ種をまいて「損」を出した後に「収穫」する違いの文化がある。

時計の仕入交渉でも商習慣の違いに戸惑いました。
仕入の場合買うほうの私が有利な立場のはずなのですが相手は「売ってやるぞ!」と言う雰囲気なのです。
日本で人気の機械式時計よりクオーツ時計を勧めてくる。また赤、ブルーなど日本では不人気カラーの文字盤を抱き合わせで商談をまとめようとするなど気が抜けないのです。
「あなたとの商談でこれだけは利益を確保したい!」と平気に言ってくる。
相手の売れ残るリスクのことには全く無関心なのだ。相手の立場を思いやる事など要求するほうがおかしい世界なのです。

年末年始海外で日本人観光客のトラブルをよく聞きます。アンティークロレックスを買ったら中の機械が安物だった!など良くある。
コピー製品の被害はここ数年でさらに増えたようです。気をつけましょう。

私も先日、バーバリのコピー品を外観から識別できなかった。
中国在住の友人に愚痴ったところあっさりと馬鹿にされた。
「バーバリは以前の中国生産から近年ヨーロッパに切り替えた。それまでの中国の技術者達は解雇。時計つくりを学んだ技術者は当然本物とそっくりの時計を造る事が出来るのだ。今でも自分たちは本物と同じ規格で作って何が悪いのか!と逆に怒られるのだそうです。」
日本のブランド企業は出来るだけ早急に撤退してほしい。ヨーロッパは資本の撤退のスピードが早いのは狩猟と農耕文化の違いか?

文化の「お得」度違い。
ちなみに私は「水族館」は損な気分になります。水族館に行くとシーフードレストランのメニューを見ているようだ。
島育ちなので魚は獲物、食料なのです。もぐっていると鯛がまっすぐ向かってきた事がある。こちらをえさと勘違いしたようです。
自分が漕いでる伝馬船と同じくらいの大きな魚が舟の底を通った事もある。
水族館は魚との「戦い・勝負」を思い出す。

逆に「動物園」に行くと得をした気分になります。京都の岡崎動物園には時々立ち寄る。
時間を忘れてのんびりとすごせる穴場だ。時計師は仕事上ペットを飼えないのです。

ところがフランスの知人たちは水族館が好みで意外でした。
日本の水族館は人気。特に大阪の「海遊館」は家族旅行には最適だそうです。

まもなく年末年始の季節がやってきます。
「損」と「得」な時間のためにも時計はしっかりと動くように準備しておきましょう!














コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間。

2013-11-23 09:08:37 | 日記

今日は勤労感謝の日。
「悪事を働く」時間の話。

京都の宿泊費用は過去最高額になっているそうです。
実質の経営者が京都人ではないのでこの季節だけ値上げしても平気。
食品は「偽装」。宿泊費はシングルでも2万円と足元を見て高値が続く。
笑いが止まらないのでしょう。
これでは毎日観光地を掃除しているボランティアの皆さんも浮かばれない。

「あほのミクス」のおかげで円安。結果で輸入ワインの値上がりが続いています。
「ボージョレ・ヌーボー」も高値推移。
メディアの値上げ報道はなかったのでいきなり売場で驚くことになりました。
安いものでも2000~3000円と昨年の1,5倍ほどです。

今年はヨーロッパの悪天候で出来が悪いのに値段だけが高い。
政治被害でじわじわと生活が苦しくなってきたのがよく解る価格。
どこかで誰かが「悪事を働いてる」のでしょう。

京都の百貨店は軒並み売上がダウン。
「時計は好調!よく売れています」の報道だけが目立つ。
ところが今年の「世界の時計展」イベント規模のしょぼさは過去に記憶にないほどのお粗末な出来でした。
百貨店全体の売上規模では3,6%程度の時計・宝飾売上だ。全体の売上には全く影響がない。それに化粧品よりも低い売上と客数ではイベントに費用を使うのはもったいない。
多少時計の売上が上っても偉そうな顔が出来ないのだ。

「食品偽装」がばれてオセチが売れなくなったので規模を縮小されたしわ寄せか?
誰かが「悪事を働いた」結果、真面目人間が被害を受ける。

私たち京都人には無関係だが東京の「イノセ」の悪事がばれた。
「ほほほ~!とくしゅう屋!お前も悪ジャの~。」
「悪事がばれたから金5000両は返した!」そうです。
ばれなかったら懐に入るからくり仕掛けなので取りあえずもらっておこう!

「盲目の時計職人」リチャード・ドーキンス。早川書房
ダーウイン進化論に対する疑問に向きあった真面目な内容の本。

「進化論」なら日本の国会を見せたい。
「革新」に偽装して生き残っている弱小政党・政治家がごろごろと住み着いているところです。「キーワード」は金だ。
人間からゴキブリも真っ青。悪い生き物に進化しているようです。
金のにおいに敏感に反応する生物、5000万円ほどで食いついてくる。

もう一冊は「喜嶋先生の静かな世界」森博嗣 講談社。
工房では「物つくり」の人が歓迎されます。
 特に数学者と作曲家は大歓迎!ゼロからなにかプラスを生み出す仕事は辛い!
物理屋さんは私たちオヤジ・コンパではいつも上座。誰もクレームはない。

フランス在住の日本人作曲家の人が工房に来てくれました。
東京のイベントで来日ついでに故郷に寄ったそうです。

「チェロの名曲を作ってほしい」とお願いしたい所だが抑えました。
作曲してもらっても私には弾く技術がないので大変失礼にあたる。
「モーツアルト」がチェロの曲を残していないのはその時代のチェリスト達がこの天才を理解できなかったのが要因でしょう。
1~2曲程度は作ったがすぐに捨てたと推測します。

現代は作曲家が生み出したものを真剣にトレース出来る人がいる時代なのかな?

この本は理数系に進む人に読んでほしい1冊。
研究者へのオマージュとして読んだ。
研究者なら誰にも「喜嶋先生」は存在すると思う。
筒井康隆氏の「文学部」への思いを込めた名作があるが両方比較しても面白い。

今日は「勤労感謝」の日。
仕事に没頭できる瞬間が一番嬉しい。
そろそろ仕事を始める。異次元空間に戻りましょうね~!





















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間。

2013-11-22 09:26:13 | 日記

11月22日金曜日。
季節は「小雪・虹が隠れて見えなくなる日。」

工房から比叡山をバックに時折、鮮やかな虹が見えます。なんとなく嬉しい。
お日様の力が弱いために虹が見えなくなる季節に入ってきた。
虹とはしばらくお別れ。

今日は「いい夫婦の日」だそうです。
販売部門を担当していた頃はペアウオッチがそこそこ売れていました。
「いい夫婦」の規定や規格がよく解らないせいか今ひとつ盛り上がりにかける。
11・22なので「ワンワン・ニャンニャン」犬とネコの日に設定した方が良くないか?
時折出かけるとき野良猫の「八われ」さんと出会い頭にぶつかりそうになる。顔が八の字に縁起良く広がっているネコさん。
「なんや~時計屋のオヤジやないかいな~!ビックリした!」そんな風にニャゴニャゴといいながらさっさと消える。
今日一日は野良猫たちも安心して暮らせる日にしたいね。

ところで今日は京都の「いい夫婦」時間。
京都の夫婦は仲がいい!西陣は機織の町です。夫婦仲が悪かったらいいものが出来ないのでしょう。

「いい夫婦」の日のおはなし。
路地をおじいちゃんとおばあちゃんがいつものように朝のを散歩しています。
「お早うございます!お散歩ですか?」と声をかける。
ご主人のほうも静かに会釈をしてすれ違います。
決まってお盆とお彼岸の時に見かける仲のいい夫婦の風景です。

ところが今年はお会いできませんでした。
「なんかあったんかね~病気なんかね~!」
嫁さんは誰もいない方角を見て挨拶をしている私が気持ち悪いと言う。
「電信柱でも頭を下げときゃ~いいのんや!」
京都の風物詩です。誰もいないところで会釈している人を見かけたらそっとしてあげましょうね~!

「いい夫婦」時間のお話。
京都駅付近にあるラーメン屋「新福菜館」での風景。
運良く同年代の夫婦さんと同席できた。
タラタラ時間をかけて食べる若いカップルは苦手だ。
4人がけのテーブルに3人がやっと座れた。

先に座ったカップルからオーダーする。「大とチャーハン」私は「並とチャーハン!」
威勢はいいがこの店は初めてなのか無謀な大量の注文にちょっと驚く。

私も二人に釣られてラーメンの大盛り「大!」とつい声が出てしまった。
普通「並」でお腹がいっぱいになるのです。
まもなく残酷なほどの量のラーメンが出てきた。

前の二人はさっさと食べ始める。え~っと驚く間に「お先です!」と出て行ってしまった。
お見事な大食夫婦!でした。
スープまで残さずに「完食」!
見事きれいな皿が4つ残されてた「5分間」の奇跡と感動のカップルは忘れません。

取り残された私はなんとなく幼稚園の頃、ピアノの上で一人食べたてたことを思い出す。
すぐに新しい合席の人が座った。「並」二つと餃子一つ!と聞いてちょっと安心しました。

「気の合う?」夫婦の時間のおはなし。
嫁さんとは大学1回生からずーっといっしょ。二人とも58歳の私たち。まもなく40年だ!

「時計・宝飾」に全く興味がない嫁さん。
時計屋の私がプレゼントした時計たちはいつもの引き出しの中。

肉が大好きな嫁さん。魚の私。ワインも赤、白と好みは違うが自宅用には赤を買う。
料理を作るのは嫁さん、後始末は私。
イギリス人が作りフランス人が洗うようなもの?と言ったら怒られた。

ボージョレが嫌いな嫁さんと若い3度搾りほどの安酒が好み!性格が違う夫婦。

「バクチや浮気で入れ込んでいるなら治しようがあるニャけど~。仕事と楽器に入れ込んでるオヤジやからね~!しゃーない人です」
食事の後、片付けをやっていると隣の部屋で年末実家に帰れない言い訳をしている。
話し相手は私の母親だ。

ボージョレーヌーボー。出来は最悪だった去年よりすこし持ち直したようです。
昨夜はブイヤベースの夜でした。仕上げはリゾット。

ワイン酔いでふらふらしながら食器を洗います。
「いい夫婦」なんだろうね~!
ちょっと幸せな気分の11月22日。
今日はしっかりと快晴の京都です。

















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間。

2013-11-21 09:27:39 | 日記

旧暦10月19日。明日は「小雪」
今日は21日「弘法市」の開催日です。

夜明け前からぞろぞろと東寺に向かう人が名物?の「弘法市」
掘り出し物は午前中に見つけるのがコツです。

「冬眠の時間」
京都人は一般に朝が弱いと言われています。
今日など早朝から人が集まるのはレアケース?
なんとなく反論したい統計ですがしっかりとしたデータがない。
確かに鹿がいる「奈良」や通勤時間が長い「滋賀」と比較すると弱い?

特に奈良の気候は京都と比較しても同じくらいの寒さだ。
早く出勤しないと横着な「鹿」がせんべいをねだりに来る。そこで眼を合わせないようにさっさと近鉄電車に乗り込むのがコツ!

京都は今週末から時計の針が止まる「冬眠の時間」の始まり。
大学生が圧倒的に多いのでネボスケ達が要因か?

地面が暖かくなるまで冬眠を決め込む耐乏生活がぼちぼち始まります。
夜間西陣の24時間スーパーに行くと必ず大学生がいる。
カップラーメン売場の前で固まって動かない。量の選択肢など死活問題になるので、見極めが大事!
2~3人で行動するのが京都のうるさい風物詩。

また食堂では「チャーハン・ライス」チャーハンにご飯をかけて食べる。
「大盛りライス・ライスセット」ご飯いついてくる漬物としょうゆで食べる。
こんな謎のメニューが京都発の文化として生まれました。
食べた後は「冬眠」。ひたすら本と一緒に寝る。

全国ワーストの寝坊文化は実に楽しい!
「寝過ごす」ことはないのだ。誰にも文句を言われない「鬼太郎生活」。

ところで京都人がひっそりと寝ている間の今週末の連休は晴天予測!
京都の主要道路は確実にマヒします。
「紅葉狩り」の観光客であふれる季節がやってきました。

名所の東山など交通機関もマヒするので徒歩または自転車が一番です!
夜間のライトアップ時間より早朝の散策がお勧め!
お勧めコース。
「哲学の路」を銀閣寺の北から南へ南禅寺まで辿ります。このあたりでお腹がすいてきますので朝食はしっかりと食べていきましょう。

お店は込み合うので京都御所「出水池」辺りで紅葉を見ながらの昼食。
地元民は温かい服装で座っています。そんなところにおにぎりとポット持参もいいかも!
私はひっそりと時計といっしょに工房で週末を乗り越える予定です。
このあたりは観光客は来ない場所ですが晴れると上加茂神社までの散策の穴場かも?
時折このブログを見てたずねてき迷子になる人がいます。
場所は北区紫竹大宮玄以角から北へ3軒目自転車屋さんのとなり。
075-495-2608電話。
連休はヒマなのでけんぶつOKですよ!












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間。

2013-11-19 09:43:57 | 日記

G-SHOCKの電池交換が続きました。
このモデルのユーザーは消防士、警察官の仕事のお客様が多い。
近所に官舎があるのでお得意様です。

事故の発生時間や鎮火時間など時間の正確さが要求される仕事。
時刻を電波時計を見ながら秒まであわせます。
その間、1分近く修理時間が延びますが辛抱強く待ちます。ちょっとした我慢タイム!

ベルトが進化しています。切れやすいストラップ部分を尾錠で抑える形状に変わっています。ベルト交換の時期が長くなった事はいいことです。

紅葉が見ごろ!冷え込んだ朝は紅葉が映えます。
「イグ・お国自慢」の時間。
京都の大学生は他府県出身者が多い。ところが普通のお国自慢ではおさまらないところが面白い。
「イグ・ノーベル賞」にちなんで「なんちゃってお国自慢」。
地元の紅葉の自慢話が一通り終わるとなんとなく始まる。

ちなみにすごい人の例。
 大阪寝屋川出身です。「ボクは幼稚園から高校まで公立の学校や!どや!京大まで4年間京阪電車で通学したで~!」
おお~!イチローみたいなレアケースだ。他の大阪出身者には特にインパクトが大きいようでのけぞって「ゲ~っ」と驚く奇跡のお話だ。

次に信州・長野県出身の女性です。
「山に囲まれた小さな町からきました。すぐにお日様が隠れるので日照時間は夏でも4時間。
お日様が出ている間はグラウンドに出されるのです!気温差があるのでピアノの音はすぐに狂うのです!」

おお~!それで長野育ちなのにしっかりと色黒で音痴なじゃね~!あんたが一等賞じゃ!

最後は私。
「長崎県平戸市からさらに船で1時間ほどの島で育った。
浜辺ではひざほどのところでウニが取れる。「あまちゃん」のように深くもぐらなくても簡単に取れる。サザエ、あわびは食べ放題!山ではアケビ、桑の実など木の実は食べ放題!」
何じゃ~!ただの自慢かいな~?

私はにっこりと微笑みます。
「いえいえ~!その島にはなんと!図書館がなかったのです。書店も1つもない島だったので~す!コミックもない島なのだ!」
一同驚く!

へ~!それで君が「歩く教科書!亀井勝一郎全集」と言われているのじゃね~!学校においてある教育図書だけで育った純粋培養の見本なのね~!なんとなく偉い!」
同情の視線が集まる。そこでさらに駄目押し。

「ラジオから聞こえるのは朝鮮放送だけ。唯一聞き取れる日本語放送はNHK・FM放送なので子供たちはクラッシック番組を聞いて育つ!
勉強が嫌いな中学生は夜、静かにクラッシック音楽を聞くのです。
「亀井勝一郎」、「A・jクローニン」を読みながらベートーベンを聞くのが楽しみな時間です。
今でもチェロを弾くのは朝鮮放送のおかげ~。N響のチェロのトップ徳永さんにあこがれていました。」
秋の夜はしみじみ~とチェロが心にしみこんできます。

昨日、満月の月夜に誘われて!
のこのこと京都市立「北図書館」に行ってきました!
建物は古いが図書はきれいに整理されている。
町に図書館があるだけでなんとなく贅沢。幸福感があるのだ。

明日はお休み!午後から戻って道具の整理を始める予定。
水曜日だけがお休みの人の為に時折、修理の受付を午後から始めています。
よかったらご利用ください!



















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする