京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2013-11-05 09:06:50 | 日記

夜が明けるのが遅くなりました。
お香時計の仕込みも暗いうちから初めてしごとの準備。
木曜日の7日には「立冬」
最近旧暦と新暦の勘違いが多い。時差ぼけ傾向にあります。
今日は「神無月」の三日。三日月、気分はまだ十月に入ったばかりなのだ。


バーニッシャーで芯を磨き終わりました。
朝からヤスリがけが永遠に続くような作業を終えて昼食の仕込み。
今日は「焼きソバ」の予定です。

「食欲の秋」「芸術の秋」「読書の秋」、ロレックスフェアの開催など「ボーナス目当ての秋」がやって来た。
仕入れた在庫を出来るだけ早く売りさばきたい。涙ぐましい季節です。
ボーナスが出ない仕事なのに「ボーナス商戦」を戦うのがむなしい!

さまざま厳しい「秋の時間」。そんなときにつらい「本」を読んだ。


村上龍「55歳からのハローライフ」。急いで読み飛ばした。
予約が多いので早く図書館に返却する。

若者は読むと危険な「毒書」。
中高年の「おばか」がいっぱい出てくる。悲惨な現実を見せつけられてうんざりなのだ。「定年退職、熟年離婚」「高年齢失業」など将来こんなつらい現実が待っているのか~!と生きていく気力がなくなりそうだ。
ただし、これが現実、正確な将来像の一面を見せ付けられる。涙が出るよ、全く!

時計師は「定年退職」が来ない職業です。つまり人生の区切りがない。
30歳代から職業は「花さかじじい」だ。花が咲かないとクビ!花を咲かせても次の町へ移動して繰り返す。
不安定な職業なのです。スポーツ選手に似ている。
「網膜はく離」「腱鞘炎」でしごとを出来なくなった天才たちをいっぱい見てきた。

仕事上、ポジティブ思考になるために実年齢の80%の「脳みそ」で行動する。つまり58歳の私は46歳の気分だ。
学習能力が希薄な傾向がある。

身体が動く限りしごとが出来るのだがついつい、オーバーワークで突然死神がやってきて神様から「タイムオーバー」を宣告される。

経済的には「貧乏神」様が生涯つきまとうので貧困生活指定業種。
最近は「アベノミクス」3本の毒矢が全部刺さって「貧乏神」様のポイント有利。

暇な時間に働こうかと思い応募すると「うちは60歳定年の会社なので~!」と軽く断られた。結果、時計の仕事にしがみつくだけなのです。

「時計師」を希望する若者は人生をよ~く考えましょう。
ただし、錆びついてくたばった時計が動き出す一瞬!すべていやな事を忘れるほど感激します。これが深みに入るのだよ!

「秋の時間」夜ながに京都北山の奥でしこしこと頑張っているのです。
「丑刻参り」の皆様はふらふら帰る時計師に見られないように気をつけてましょうね!
明日は工房はお休み!
工房では昼から掛時計の集中修理の日。ブログはお休みです。


























コメント
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