京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2013-11-16 09:16:45 | 日記

「贅沢な時間」
写真は「ユニバーサル・ジュネーブ」手巻き。
独特なゼンマイ巻き上げ機構を持つ難易度が高い「贅沢な時計」。

日本では知名度が低いが立派な高級時計メーカーです。
ロレックスよりも修理が難しい割りにユーザーから感激されないようで3~4万円の修理の見積もりを低くしてもキャンセルになりやすい。
今回はやっとGO~!がでた。嬉しい贅沢!

先日、保険会社の大同生命さんが毎月持ってきてくれるパンフレットを読む。
その中に「贅沢」に関する年代別アンケート調査の報告がありました。
「旅行」「食事」などそれほど年代別の差がない。

私の場合、58才で好きな時計の仕事が出来ることはかなり贅沢ではないか?
退職年齢も自分で決められる。贅沢者!

毎日、工房から比叡山と大きな空を眺めることが出来る贅沢。近所に高いビル街がないので空が広い。
こんな環境で仕事が出来るのはかなりレベルが高い贅沢だと思う!

「この!贅沢もんが~!」と言われそうだ。
大学も留年したオチこぼれ、会社に勤めるとすぐに出向。倒産!と人の半分以下のスキルでこけてばっかりだけど今はなんとなく贅沢な生活です。

時計師仲間でお金に執着しない人が多いのは一応「社会貢献」していることと「チャレンジ」できる環境に満足しているのが要因でしょうか。
「貧者の一灯」とも言う。


SF作家「山本弘」さんの作品。「神は沈黙せず」
「宗教」「UFO」「先端産業」「オカルト」などなど資料集めだけでも大変なエネルギーだと思う作品です。
ハードSFが苦手な人でも資料として保管したい作品。
作者は私と同じ世代になる。1956年生まれ。そのエネルギーに驚きます。

ただ、異質な感覚がある。作者は「無神論」者でしょう。
私は仕事上「神様」を信じている人たちと深くかかわってきました。

「クロック」の語源は教会の鐘「カリオン」から来ているように一日7回のミサ時間を知らせるためヨーロッパの時計が発達してきた歴史がある。
13世紀ダンテ「神曲」にも目覚し時計が登場しています。

時計の仕事は「宗教」と深くかかわっている。
「ミレー」の「晩鐘」に描かれている生活環境も参考にできるのです。
お祈りの時間を守り、規則正しい生活を送ることで貧しくても健康になれる。
キリスト教に入信すると健康になれる!「予防医学」の役割もあったのでしょう。

毎年、クリスマスにプレゼントしたいアイテムに「時計」がトップ10入りしています。
時計を贈る事で相手の健康を願う意味も添えることが出来ること、
いつも身近に使ってもらえるアイテムなのが要因のようです。

確かに「山本氏」が書いているようにキリスト教は「十字軍」「ユグノー弾圧」「30年戦争」など多くの宗教戦争をやってきたと批難している。
スイスの多くの村で男達が傭兵として借り出されて全滅したこともあるほど。

その反面、多くのキリスト教の信者さんがお亡くなりになる日まで毎日安らかに生活している場面を見てきた。
「心の安らぎ」を与える宗教として優れているのではないかと思う。

私は仏教徒なのでヨーロッパで働いても「宗教税」は免除になります。
ただ、払っている人たちがうらやましく思えた事もある。
「消費税」よりも目的がはっきりしているので解りやすい。
貧しい村の教会に「贅沢な時計」が自慢だ。

明日は工房がお休み。
工房の定休日が毎週水曜日。同じ水曜日が定休日のお店はこんな機会を利用したい。
三条の「ジュージヤ絃楽器」もたずねてみたいお店です。
明日はちょっと贅沢な時間を楽しんできます!









コメント
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