時計師の京都時間「京の失敗！」

5月30日火曜日。旧暦では今日が五月五日端午の節句。
今日が本物の子供の日なので菖蒲湯につかりましょう！などなど旧暦と新暦を上手に活用することで京都観光を盛り上げることができるのにちょっと残念です。
「今日は柏餅をたべましょうね～！」などとお菓子屋さんがイベントを出来るようになればいいね！
京都では旧暦に戻した行事で成功したのが「京の七夕」まつり。
8月開催で夏の晴れた夜空にお客さんが繰り出して盛り上がっています。新暦の㋆7日は梅雨まっさかりで牽牛と織姫はいつになっても会えない。

これは8月開催の仙台の七夕祭りのパクリのようですがもともと京都の宮中行事でしょう。
明治維新後の新暦導入の際、東北の地域だけ頑として指示に従わなかったと聞いた。
ほぼ同じ時期に開催される盛岡さんさ祭り、秋田の竿灯、青森のねぶた祭りが新暦の7月7日の行事になっていたらとおもうとぞっとする。東北人の知恵には頭が下がります。

「京の昭和三大失敗！」
失敗の代表的なものが看板建築でしょう。京町家のおもてだけ西洋風になっています。千本通りを通ると安っぽい商店が並んでいるので当時の流行がよくわかります。
私の自宅も看板建築だったのを取り外した結果風情のある京町屋の路地の邪魔をしないようにできてホッとします。

もう一つは市電を廃止したこと。せっかくの明治の環境文化遺産をバカ息子どもが取り壊してしまった。今では地下鉄烏丸通りの沿線だけの土地価格が高騰でいびつな現状が遺されました。

最後に京都駅周辺のビル群の失敗。一番京都らしくない京都駅ビルの高層建築。
これが京都の顔だという。なんともこの看板は厚化粧でブサイクな顔です。
東本願寺の名園「枳殻邸」からどうしても見えてしまう京都タワーとその周辺のビル群が興ざめがっかり庭園を何とかしてほしい。

時計業界も昭和に大失敗！
　クオーツ時計の成功から世界の頂点に上り詰めた後に一気に下がった失敗までの歴史がある。セイコーの売り上げも国内三位に落ちた。
時折名品の復刻版が発売されているのがその名残です。かといってかつてのキングセイコーの修理用部品を作り出すわけでもない。付加価値の高い製品造りに失敗。ブランドを維持できなかった結果でしょう。
昨日の来店された4人目のお客様まで部品供給がないために修理をあきらめてもらう。

5人目にびっくりのお客様が来た。
シャネル・スポーツの明らかなコピー品。「これが本物だったらデパートに修理に持っていくのでみてほしい！」という。
私には真贋の鑑定だけの依頼か？当然お金を払う気持ちはないようです。
他人に対しての思いやりまで吹き飛んでいますね～。
時計師のプライドも破壊される瞬間、ドアを閉めてとっとと帰りたくなりますが我慢！我慢！

写真はもちろん本物のシャネルです。
このモデルも真贋の判定ではネジの材質で簡単にわかります。そっくりなスーパーコピーでも重さを正確に位置させてもネジだけは粗悪品を使っている。
最後に裏蓋を開けるとムーブメントはシチズン・ミヨタ製が使われているのでコピー品なら絶対にわかるのです。それにしても偽物業者に機械を卸すシチズンも罪が深い。

今日は端午の節句。
昔の元服式！最近子供のような知恵のない政治家やら官僚が目立ちます。
　私は彼らと昭和30年生まれの同世代であることが後ろめたい気分です。
信用を無くすとお金を失う。嘘をつくと友人をなくす。勇気を無くすとすべてを失う！
　そのすべてをなくした官僚の皆さんは醜いシャネルのコピー品のように見える。
所詮芯が腐った安っぽい偽物なのだ。

明日は水曜日。月末メーカーから返送されてくる代引きラッシュの日なので営業しております。
ただし6時までの営業時間なのでお早めにお越しくだされ～！お待ちしております。

時計師の京都時間「京の友引き」

5月29日月曜日。友引。
昨日兵庫県加古川からはるばるお客さんがやって来ていただいた。
お気に入りの時計を使いたい人のエネルギーはすごいものです。

「世の中に二通りの人間が存在する。時計が好きな人と嫌いな人」
時計に無関心な人には利用方法がわからないという私の工房。
開いている店の前に立ち止まってしばし混乱しているのがわかる。
「はて～？ここは何の店なのでごじゃ～る？」

店頭にボンボン時計をかけているのですが今ではボンボン時計の修理はやっていない。逆にボンボン時計だけの修理専門店かと間違えられる。

一応時計店なのだが時計は売っていない。
今では市バスの一日乗車券500円で来れるが京都駅から40分かかる。こんな田舎に誰が来るのか？と不思議になるそうです。お客さんも根性が必要な工房です。

工房では電池交換含めて腕時計の修理だけのお店。困惑するのが当たり前か？非常にタイトな商売です。
ここに毎日のように10名以上のお客様が全国から集まってくるのだから限りなく不思議な時計店です。
「お母様がお嫁入した時に持たされたオメガの腕時計」など貴重な時計だと知らずに机の引き出しに放り込んでるものが多い。
「お母様が仏壇の引き出しに入れていたシチズンのソーラー時計」の事故もある。「とっととお日様にあててくだされ～！」
先日うっかりソーラー時計とは知らずに開けようと苦労してオープナーの刃で親指をけがしてしまう。
その日はチェロの練習はお休みした。ケガをしたままだと無駄な力が入りバランスが崩れるので休む。怒りはソーラー時計のメーカーに集中する。「ちゃんと説明してね～書いといてね～！」

今日は友引。
ブルガリの電池交換など一律1000円です。いろいろなブランドがバランスよく来るとは限らない。ブルガリなど集中する特異日があります。
困るのがフォリフォリが集中する日です。このモデルの修理では所要時間の予測が難しい。
硬い椅子に座っている女の子に申し訳ない瞬間です。中国の列車の硬座よりちょっとましか？

場所が場所だけに１％の希望でわざわざ北山通りを越えて来て頂くのだからこちらも真剣になる。「イタリアデザインの中国組み立て」が最近の難関時計。これが一日10本以上くることもある。
御所の太ったハトに豆鉄砲。ポンコツ時計師にディーゼルか？ちょっと違うのが修理が終わり無時にお渡しした時の達成感は爽快な一杯目のエビスビールレベルです。やめられない！

最近コンビニでプレミアム・エビスは買わない。JR「L特急」のキーホルダーがついてくるのが私にとって怖いのだ。
おまけについているL特急日立などに混ざって「L特級シラサギ」がありました。
左遷異動時代、名古屋～金沢間でこの電車で本社へ出張していたころを思い出す。この列車に乗るしか方法がないのだ。
粟津温泉，和倉温泉など北陸温泉街の名所へ行く浮かれた団体さんと一緒の出張の旅はつらいものでした。
本社の役員まで逃げ出したった一人で向かうクレームやくざの処理。月末には決まって売上をごまかすテナントさん、毎日のような金沢名物の暴風雨で客足が止まったままなどなどシラサギと一緒につらかった想い出があふれてくる。こんなビールをわざわざコンビニで買うか！
エビスが本当に苦い味になってしまうのでした。

ということで？6月1日木曜日は嫁さんといっしょに焼き鳥屋さんに行く。
嫁さんもトラウマのような昔の思い出がよみがえるたびに私にクレームを言う。
「ぼんくら立命館の貧乏人といっしょになったばかりにババ引いてしも～た！」
最悪なことに友人達もそろいにそろって貧乏なのだ。

せめて罪滅ぼしに行ってくるので今度の水・木曜日は6時閉店になりますね～。よろしこ！

時計師の京都時間「京の桃太郎トレード」

5月28日日曜日の先勝。旧暦皐月の三日まもなく端午の節句。
なぜか旧暦にこだわる時計師なのだ。
京都が旧暦の暦を使うようになってまだ百年ちょっとで長い歴史の中では瞬間のような時間です。そこで暦で錯乱する。
ちなみにおかしな暦ではまもなく本能寺の変が起きる6月２日が来ます。
秀吉が岡山・高松城の水攻めを応援に行く途中の出来事です。明智光秀の句「雨がしたしる～」の雨が降っている歌の梅雨の季節は6月2日ではおかしい。

そこで旧暦の6月2日は新暦では㋆24日。これならわかる。
日本各地で梅雨開け近く集中豪雨が起きやすい季節になります。秀吉の高松城の水攻めも梅雨の大水が出たので成功した。
また旧暦水無月二日は前日が朔日でお月様が出ない真っ暗な夜にあたる。暗闇の絶好の攻撃ができるタイミングでした。

㋆24日に本能寺があった場所の四条西洞院上がる蟷螂山町を目指して歩いてみましょうね～。ちょっと周辺の気配が変わる。
　光秀から討たれた信長の家来120名の供養が京都各地で執り行われます。
　打たれた織田家トップクラスのエリートたちの無念さをなだめるために建勲神社、大徳寺、阿弥陀寺、上品蓮台寺などの関係先で新旧の暦で毎年供養されています。
やはり季節的に梅雨の開ける㋆24日が私のおすすめか？

桃太郎トレード。明智光秀はなにとトレードしたのか？永遠の謎です。
不思議なのがもも太郎の説得力！
桃太郎が腰に付けた吉備団子一つで命を懸けたサル、犬、キジは悲しい。
もっとましな契約ができなかったのかと思う。其の後サル、犬、キジの地位が上がったこともない。
岡山土産で小粒の吉備団子を貰うたびになにか騙されそうな気分になります。
吉備団子で誘って成功した桃太郎の見事な勧誘手腕に拍手か？

岡山出身の桃太郎氏。桃に入って市内北部の足守方面からドンンブラコッコ～と流されてきたのはやはり梅雨の季節だ？
岡山のおいしい白桃の出荷時期が「本能寺の変」あたり梅雨末期の季節だ。ちょうどいい。
そこで盛大な桃太郎祭りは旧暦開催が似合うと思う。

さて桃太郎君「鬼が島」鬼退治のあと京都で上洛して豪遊したはず。
祇園あたりを捜せば「桃太郎豪遊の地」くらい見つかりそうなものです。
鬼のように仕事をする時計師もまもなく大丸さんのビアガーデンが始まる。鴨川の床開きも始まる。
鬼のように遊ぶまではいかないがサル、犬、キジの仲間たちが京都に来るので今はせっせと仕事中！

最近岡山方面が騒がしい。新種の桃太郎伝説が出てました。
「岡山加計学園」桃太郎版。
吉備団子作戦が上手くいったようで、かなり右に偏った吉備団子につられたようだ。これを食べると右へ右へと曲って進む不思議な吉備団子。

涙をのんだ鬼役の京都産業大学と綾部のみなさんは「恨みつらみはらさでおくべきや～！」ということで丑の刻参りセットがバカ売れしそうな雰囲気です。
京都選出で安倍のおぼっちゃま家来のキジ、犬、サルは次の選挙に苦戦するか？

写真はフランク・ミューラー。電池交換依頼20分で１０００円。
コピー商品は即座にお断りしています。本物なら受付OK!
京都のお店ではコピーが出回っているので自店販売のモデルだけ受け付けるお店が多い。そこでこのモデルが工房の常連になっています。
本物の違いは瞬間裏ぶたネジの材質でわかるのでコピーを持ち込む人はびっくり。「なんでそんなに早くバレるんやぁ～？」
正確なドライバーで楽に回るのが本物！固まっているのが材質の悪い偽物なのだ。
今日はハレ！
「一粒万倍日」吉備団子でも食べて頑張りましょう！

時計師の京都時間「京の怖い時間」

5月27日土曜日。昨日の朔日は気持ち悪かったですね～。
阪神の藤波君の調子も今一つというより仲間の見殺し打線復活の4安打では勝てない。
責められるピッチャーが可哀想だ。
月の重力の関係でバランスが重く崩れやすい日。
ひと昔は夜間のランニングはお休みの日でした。

時計の仕事も朔日は高価な時計の修理を避けます。昨日は電池交換だけの仕事で終わりました。
京の街中では中学生修学旅行の集中日が続いています。
特に体調を崩しやすい敏感な子供たちが心配になる。
外人観光客は９９％来ていらん！修学旅行生は99％歓迎なのが京都市民の本音でしょう。

京都旅行をきっかけにして進学先の大学は京都に来てほしい。
安心・安全で京都の静かな環境での学生生活を送るのはお勧め！危険なのは自転車と生魚くらいか？
特に長崎県出身者はスーパーの刺身には気をつけましょう。夕方の割引シールに誘われて買った日には当たりが多い。それでも懲りないで白身魚にチャレンジしてしまう。反省！

各大学間の交流もお互い自転車で通える程距離が近いので盛ん。語学など一般教養部門の講師も各大学のコマを持ち回りしているので情報も共有できるのがメリット。
卒業後の家族旅行に京都を選択しても満足感は高くオヤジはドヤ顔で案内できるなどなど特典が多い。
ところがこんなメリットばかりではない。
ヨロズ祟りにご注意！
京都の神社は圧倒的に祟り除け目的に建立したいきさつが多い。
ヨロズ北区、上京区の神社には気を付けましょう。
北野天満宮を始めサッカー祈願でおなじみの白峯神宮、上下御霊神社では境内でふざけてはいけない。よく効く薬と同じで簡単にたたり神に変わる。

引率の教師はここが盲点！自分は宗教に無関心なだけに放し飼いしてしまう。参拝のやりかたも教えないのでは来ないほうがいい。
松尾大社、八坂神社の神様は女性です。女子生徒を引率する際は特に気を付けましょう。阪急桂駅で転んでしまう子もいる。
敏感な生徒は「見てしまう」
その後気分が悪くなって観光どころではなくなり生涯トラウマが残ることになる。また石段で転んだりする事故も起きやすいので足元をしっかり見て行動する事です。
京都の修学旅行生は京都の宝物です。どうしてもこの集団に出会うと腫れ物に触るようにハラハラしてしまいます。
列の最後尾には男の子がいい。一条通りや千本で身体が急に重くなり後から引っ張られるような気がする場合そこは霊の通り道。道を空けましょう。

私はよそさんなので月１，１５日の2回地元の皆様に迷惑をかけないように日を決めてお参りします。
中学生を見かけると無時に地元へ戻れるようお祈りして通り過ぎる。
今日は快晴！
大きくなったら京都へ戻ってこれるようお祈りしましょうね～。

神は細部に宿る。参拝の際は道の端を歩くように時計は尾錠にこだわる。
写真はエルメス他の尾錠。
ベルト交換の際に捨てられないようにしましょう。尾錠だけでも数万円するので後から後悔することになる。またベルトの革と尾錠は別売りなのです。
もったいないのじゃ～！

時計師の京都時間「京の皐月」

5月26日金曜日・大安。
今日は皐月の朔。朝4時44分が朔時間。不思議とこの時間に目が覚めていました。
4が三つも重なる時間は珍しいがぞろ目の時間に出会ったらこれを吉兆だという人もいる。
私はどうしてもうす気味悪いので自然と目が覚めていました。
災害が起きる時間には目を覚ましておきたいものです。

今朝の朔・皐月とMAYは違うか？
旧暦皐月は５月26日から始まって6月23日に終わります。一般の人はどうでもいい事なのでしょう。
ところが京都では行事がこんがらがる。
来週の5月30日が旧暦端午の節句にあたる皐月の五日です。柏の葉っぱもこの時期には大きく育っている。京の町家にこだわって住んでいる私には菖蒲湯がちょうどいいころあいなのです。
「となりのトトロ」のさつきとメイはどちらも五月生まれか？
アニメの映像の田園風景は何度見てもきれいです。
さつきは成長して大人になって京都で西陣で糸染めの仕事、メイはアメリカのトウモロコシ畑でオーガニック野菜を頑張って作っている。などなど今日は後日談を勝手に想像してしまいます。
今日は「紅花栄」東北では紅花が黄色く咲く候。この花がないと京都の十二単にならない貴重な花でした。
ところで今年はバラの花がきれいに咲いています。こんなに虫がつかなくてきれいに咲いている年も珍しい。
近所のバラのガーデニングが今年はとくに見事に成功！毎日目の保養をしながら通っています。
きっとワインは当たり年になることでしょう。バラに虫がつかなくてがきれいに咲いた年はワインはあたり年になるそうで早くも秋が楽しみなのだ。

写真はエルメス・Hウオッチ。
ビジネススーツに似合う時計。ホテルのコンシェルジュがこれをつけているとこちらも安心してしまいます。何となく「わかっている」人に見える。
五月にカキツバタ。6月に花菖蒲。卯の花腐しという長雨も京の楽しみの一つです。
カキツバタは太田神社へ案内、花しょうぶは6月1、2日と京都薪能が開催されるころの平安神宮がおすすめ。

京都は世界中からお客さんが来るので知り合いに時計師顔負けコンシェルジュがいる。旧暦、西洋暦、イスラム暦など世界時間まで把握しています。
金曜日はムスリム、土曜日はユダヤ、日曜日はキリスト教の安息日なので仕事はしない日なのでドントディスターブ。
貧乏時計師は毎日がお仕事で無駄に忙しいのでいつでも呼び出される。「急ぎの仕事は忙しい奴に任せる！」のが京都流だそうです。トホホ～時間。
　これからの予定では6月1日が貴船神社祭りです。恵の雨の神様でもあるし、アメオトコの私はこの日が雨でも腐らないで近所の貴船神社へお参りに行く予定。

今朝、修学旅行生の団体が工房の前のバス停で私のあとにぞろぞろと降りた。これにはビックリ！
「ここら周辺に名所は何もないよ～ん！名物朧屋（おぼろや）さんのどら焼きでも食べて戻りましょうね～！」とビックリした時計師なのだ。