京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「満足の京都」

2016-11-29 09:32:22 | 時計修理

11月29日大安の火曜日。季節は朔風払葉(北風が木の葉を払う)に入っています。
明日は工房の定休日なのでいつもの散歩を終えて工房に向かいます。今年最後の紅葉が楽しめそうです。
午前中には工房に戻っているのでご利用くだされ~。

今日は11月29日。出かける時に「いい肉」の日なので夕食はお肉やで~。と背中から聞こえた。京都で肉というと牛肉のことを言う。
牛肉は三嶋亭、森田屋、ヒロが我が家の人気トップ3。
三嶋亭のすき焼きは絶妙においしいらしい。森田屋の牛丼は絶妙、ヒロのステーキは肉の味がするレアーがいい。すべて伝聞なのだ。
私は牛肉アレルギーなので牛肉は食べられない。何となくベジタリアンなのだ。
私だけ別メニュー、豆腐のステーキ。すき焼きは焼豆腐専門、牛丼は親子丼に変わっている。
「焼肉の後にどうしてみんなはお腹が痛くならないのだろう?」と子供のころから不思議でした。
呪われたお腹なのだ!近年抗アレルギー薬が出回っているが効果がそれぞれ体調によって変わるのでいつしか肉は御法度。
四条綾小路の名店「焼肉林」の前を通るさいにあの香りだけ楽しませてもらっています。
「男おいどん」松本零士さんの作品中にお腹を壊す覚悟で好きなものをいっぱい食べるシーンがありました。あの気持ちがよくわかる~。といい肉の日に思う。
明日は工房がお休み!このタイミングで嫁さんのお肉をちょっともらってチャレンジしてみようかと思う。

写真はバーバリ。クオーツ。
現行品はスイス生産に移行したが一時中国で作られていたまぎらわしいブランド。
ふたを開けてみないと本物とコピー品の見分けがつかない。
預かると修理を始める前にベルトのピンを抜く。この際にスムーズに抜けるものが本物。引っかかって時間がかかるものが偽物。とにかく預かる際に不安が付きまとうモデルである。
依頼は文字盤のロゴ落下事故。1時間で2000円。

インデックスに2本の足がついていました。また文字盤には定位置に2つの穴が空いているのがうれしい。最近、ロゴ取れでは中国製のただ張り付けているだけのものが多い中で足つきの当たり前のことが最近珍しくなってきた。
最後に注意するのが裏蓋の取り付け位置です。少しでもずれるとお客さんに解かる。
エルメスがさかさまの裏蓋の取り付けを見つけますが位置には気を付けましょう。
今後2年間楽しく使ってもらえるために細心の注意をしています。

残念なのがT・HEUERなどのダイバーウオッチのスクリュー蓋。しっかりと回して閉めないと防水機能が落ちるのでどうしてもズレてしまいます。クレームもよくありました。購入時は上下ぴったりとロゴが上を向いているのですが一度でもふたを開けれしまうとずれます。ダイバーの裏蓋はずれるのでご理解くだされ~!

修理に満足してもらえるように気を付けていますがスピードもその一つ。
電池交換では5~10分の待ち時間で終わるよう作業机の周辺に近い順に工具を置く工夫がある。
私は左利きなので左にピンセットなどを置きます。
お客様の満足のために一番誤解があるのが修理のスピードでしょう。修理に時間がかかりすぎるのが不満。
私は特に遅いほうでした。工房に来るお客様はちょっと時間を長めにお越しくだされ~。

「わたしとして生まれたことが秋ふこうなるわたし」山頭火。
仕事は遅いし、トイレにはこもる。最低な新人だね!と昔言われた。












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時計師の京都時間「京の涙雨」

2016-11-28 09:06:22 | 時計修理

11月28日友引の月曜日。
J2京都サンガがまた涙をのみました。またくやしいJ2暮らしなのだ。来年のことを言うと鬼もなく!
大阪と神戸にあって京都にないもの。J1サッカークラブと美味しいたこ焼き。
柱谷君の病み上がりゴールはお見事でした。とっととJ1に上がって二度と戻ってこないでほしものです。

最近の京都でも韓国クネおばさんの退陣カウントダウンが話題です。いっそのこと民進党のレンポーさんと交換しましょ!なんならドジョーもつけていい。どちらも死に体1対2のトレードはどうでしょ~。
阪神タイガースではオリックスから糸井が入るとのこと、いっそ鳥谷と豪栄道の交換トレードがいい。コーチもつけましょか~?

昨日は一日中降り続けた氷雨。晩秋の紅葉を楽しみにしていた人たちには残念、無念!時計業界もせっかく見込んだ売上も流れました。
日曜日の雨には何かに祟られているような気分だったのでしょう。皆さん機嫌が悪かった。

写真は昨日やってきた難関時計。
時計が止まった!ことでの修理依頼。電圧は1,5ボルトと正常です。機械不良でした。聞くと保証期間だという。「とっとと買ったところにもっていきましょう。」と勧める。

ところが戻す前に裏蓋が閉まらない。工房には挿入機の駒が36ミリまでしかない。
規格外の径42ミリの大型ケースです。さらにベゼルの幅が極端に狭い勝手な設計なのでうかつに閉めるとガラスが割れる。割ると弁償しないといけません。

割ってしまうと時計は中国製なので探しようがない。閉まらないウラブタを眺めながらしばし呆然としました。
機械台を加工して何とか無事に終わる。その間に奥歯が腫れあがるほどの緊張感でした。
時計修理業は成功報酬なのでこの間の仕事はただ働きになります。

こんな風に時計師にとってグローバリズムは一つもいいことはない。
大量に流れ込んでくる中国製のお粗末な製品に悩まされる緊張の毎日をお客さんは知らない。修理中に壊れると私たちの責任になるのだ。
新聞ではグローバル社会と市場経済原理主義が結びついた社会構造に反対する人はおバカのような扱いです。
街の小さな時計修理業のオヤジはもはや市場から消えるしかないのかね~?

「いつもつながれてほえるしかない犬です」山頭火。
ワンワンワンと吠える時計師なのだよーん。






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時計師の京都時間「上賀茂時間」

2016-11-27 09:32:15 | 時計修理

11月27日日曜日。第四日曜日は上賀茂神社の手作り市の開催日。
あいにくの雨になりました。
それでも46系統の上賀茂神社行のバスは満員!車中の会話もいつもと違う和やかな時間がすぎていきます。
上賀茂神社から歩いて約20分くらいのところに摂社の久我神社があります。その境内のようなところに工房があるのでついつい私も上賀茂時間になってしまいます。

京都の中でもゆったりとした時間が過ぎていくところなのか?この10年間でおっとりとした性格に変わってしまったようです。ただし神馬堂のやきもちはその日に食べないと固くなりますよ~。
今日は上賀茂神社の手作り市。ゆったりとした時間を楽しんでもらいたいですね。

お隣の国では大統領おばちゃんが粘っています。ねばりの5%!まだ5%の支持者がいるのだ。
彼女の言いつけ外交のあおりの従軍慰安婦問題では10億円持っていかれたようです。レームダック(死に体)政権が変わるとまた初めからやり直しになるでしょう。
思い出に残るのが中国の軍事パレード。
大統領と仲良しの国連事務総長が軍事パレードにのこのこと出かけて行ったあげく中国経済が急降下した結果アメリカにすり寄るしかなくなった。
結果どちらからも相手にされなくなってしまったのは残酷だ。この不況でいろいろなボロが出てきたのでしょうね。辞めても地獄、続けても地獄の経済に合掌!

写真はオリス。90年代に人気だったモデルです。3万円程度に価格を抑えて機械式の普及に努めた初心者用の入門機としての位置づけでした。
文字盤やケースの造りはちゃんとしていました。ところが一日1~3分くらいの誤差が出たのでクオーツ世代にはビックリ!そのクレームも懐かしい。
部品点数が多いのでちょっとした衝撃でも簡単に壊れるのが機械式時計の特徴です。
「天真折れ修理」見積もり料金の3万円を伝えるとお客様は静かに帰っていきます。

最近普及品時計メーカーの価格が高価になる傾向にある。タイメックスが10万円もする時代だ。カシオの時計も10万オーバーが普通になってきた。

90年代当時、今日最終日をやっているゴルフのカシオワールドオープンに天下り社長が招待されていました。その裏で招待のお礼にカシオの商品を大量に購入させられた涙ぐましいバイヤー時代。
この費用があればオリスやレビュートーメンの安い機械式時計をいっぱい買えるのに!と悔しさもいつの間にか賀茂の流れに流して忘れていました。
昨日このオリスとカシオワールドゴルフの番組表を見て昔を思い出した。

「ここにかうしておいてゐる冬夜」山頭火
辞めた会社がその後に倒産。あれから10年贖罪の日々が続いています。
当時私が仕入れたカシオの時計はまだ元気に使われて時折電池交換にやってくる。
「カシオのクオーツ時計も悪くなかったのだね~?」と上賀茂時間が教えてくれました。
ちょっと安心することもありますよ~。








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時計師の京都時間「神頼みの京時間」

2016-11-26 09:42:29 | 時計修理

11月26日土曜日。
今日から京都国際学生映画祭が始まります。撮影機器の軽量化などによりレベルが上がっているそうです。京都は太秦の撮影所など映画が身近な街。私も仲間たちと一緒にエキストラ・アルバイトの思い出があります。会場は下京区の京都シネマなのでアクセスもいい。行ってみよう。
やはりねらい目はインド系か?インド映画のリズム感は魅力なのだ。

明日京都サンガのプレーオフ。念願のj1復帰。残念ながら対戦相手はあの柿谷がいるセレッソ大阪です。
なんでセレッソがこんな所にいるにゃ~?ほんとに迷惑です。
10回やって一回勝てればいいほどの差があるでしょう。その一回が明日の試合だったらいいのにね~。セレッソに勝ったら四条大宮まで年末宝くじを買いに行こうと思う。
明らかに格の違いがある。
病気で元気な京都サンガなので応援は神頼みになります。神頼みの最終勝負になるなら京都は負けないのだ!
今朝から京都市図書館のサーバーがダウン。アクセスができなくなっています。明日のサンガの勝利に備えて神様がうごいているのかね~?

写真はブルガリ。電池交換は神頼み?
頻繁にやってくるブルガリ。作業に当たりはずれが多い機種なのだ。
もちろん購入時はみな同じ。使い方や保存方法で差が出る。
リューズがツルツルなので時刻合わせ時に滑ってしまう。巻き芯が錆びている場合、まわすと重い。
時刻合わせ作業と同時にカレンダーの24時間を確認する。お昼の12時にカレンダーが変わらないように日つけが変わるまで時刻を進める。
日つけが変わったら午前0時ということがわかるのでそこから正確な日つけ、時刻合わせ作業をやっていく。
 例えば2日で止まっていた場合、今日の26日まで早送りをしないといけません。その際、巻き芯が錆びていると芯を抜いて錆を落としてから作業を始めないと巻き芯が折れてしまうこともある。
ブルガリが来ると神頼みなのだ。「どうかこのブルガリの巻き芯が錆びていないようにお願いします!」
今月は11月。うるう付きなのでカレンダーの修正が必要になります。
カレンダーが無事に合わせられるかやってみてくだされ!重かったら油をちょっとつけましょ!

「やっぱりひとりはさみしい枯草」山頭火 
時計師はたった一人の仕事。
人と一緒に力を合わせてやる仕事がどうも苦手なので時計の仕事を選んだ。それでも寂しくなる時もある。他人は贅沢だという。
そんな中でサッカーを見ているとなぜか選手の皆さんを尊敬します。頑張れ!京都サンガ。











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時計師の京都時間「昔ながらの京時間」

2016-11-25 09:22:02 | 時計修理

11月25日金曜日が大安と重なって今夜はお出かけ日和。
サラリーマン時代ならボーナス直前の給与支給日なので今日は可処分所得が年間で一番高い日。
時計販売店でも気合が入っていることでしょう。時計は現金仕入れなので在庫を売らないとボーナスが出ない。
ボーナスの支給日が一番遅い小売業界でその中でも時計業界が一番遅いのが特徴です。
今年も12月の2週目くらいになるでしょう。
バイヤーサイドから見ると年二回のボーナスイベントは恐怖でした。ボーナス支給日のあとは恒例の資金不足にるので仕入れができないのだ。「お前が仕入れた在庫をを売れ!売ってこい!」と経営陣が言う。

「限定販売はやめてくださいよ~!」メーカーの営業さんに恒例のお願いをする季節になりました。
時計業界は限定発売が多い。メーカーは希少品レアモデルを強調して生産分すべての完売を狙います。ところがリテイラーサイドは大迷惑。
客はクリスマス限定モデルを探します。これが発売直後に売り切れると客が他店へにげる。
その姿を見ながら通常月の2倍以上抱えた定番在庫の前で呆然としていました。
そのたびに「バイヤー仕入れ力不足による予算未達!」と店舗からの日報が届く日々でした。

売り上げの見込みが立たないのでせめて自動車業界のような受注後の予約販売にしてくれないか?とお願いするのです。「来年の入荷になりますが必ず買えますよ~!」と予約をもらえる自動車業界はなんてすばらしいのでしょう。うっとりと眺めていました。

「昔ながらのナポリタン、ソース焼きそば」などノスタルジー訴求のコピーが最近目立ちます。
20歳代若者向きのターゲット商品なので昭和時代の食品は食べたことがないのだね~。私たち昔ながらの中年はこんな商品には手を出さない。まずかったのだ!
真っ赤な着色料いっぱいのウインナー。カピカピのスパゲッティーは思い出したくない。
一番悲しいのが圧倒的に量が少ないことでした。
いつも3口ほどで完食してしまうのでこれでは夜を越せない!この悲しみは飽食時代の今の若者には伝えられないでしょう。せいぜい理解出来るのは立命館大学の貧乏学生くらいか?

その後ヨーロッパに行き大量のスパゲッティーを見るたび「昔ながらのナポリタン」に怒りを感じました。
今でも時折ナポリタンを作ります。絶対に昔ながらのナポリタンは作らない!大量に作ってしまうのだ。

写真はグッチ。昔ながらのグッチ!
イタリアブランドなのだが作り方は誠実!
4時サイドのプッシュボタンはコラムホイールで受けています。安いレバー方式は採用されていないので30年経過しても使えるのだ。
グッチは昔ながらの3000シリーズなど名品が多い。

今日は25日北野では天神さんの市。
最近アンティーク時計のお店が増えた。これも現行品がほとんど中国製になってきた時代の流れでしょう。
明日は二日酔いの予定です。昔から最終金曜日は宴会しましょ!の日なのです。
「落葉して さらにしたしく おとなりの灯の」山頭火。








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