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京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のお化け時間」

2017-10-31 09:28:14 | 時計修理

10月31日火曜日。ハロウインで友引の日。
今日は京都でもお化けが出る日。旧暦西暦関係ないお祭りなので一条戻り橋界隈では百鬼夜行が繰り出すパレードが見ものか?
カボチャと一緒に古時計やら工具のヤットコが出発準備を待っています。
明日は十三夜の豆名月でもあるし工具たちも気合が入る。

今朝の通勤バス46系統の運転手さんは京都市交通局の中で一番テンションが低い人にあたった。
でみず~。イマデガワ~す。かすかな声で停車場の案内が聞こえる。
これでは朝から元気が出ない。ところが運転は確実でした。誰もいないバス停に止ることもなくすっとばかし黄色信号でもそのまま進んでくれる私たちに取って優良運転手さんでした。
それでも声が怖い!アリガトウ~、、、、の消えるような声はあの世から聞こえてくるほどでした。バスが千本閻魔堂に差し掛かるころがピーク。こんなハロウインの日に楽しい通勤バスもいるのだ。
降りる際に顔を見ると普通の人でした。怖いのは声だけの人。

工房にも特殊なお客様が時折やって来る。
何度断わってもコピーをもってやって来る大阪人。すぐにばれて叩き帰される。

また自転車でやって来て時計業界の情報を教えてくれる常連のお客さんがいた。
歩道にスタンドをガチャンと乱暴に立てる音でわかる人。来たね~と心で準備しているところなかなか入ってこない。
そんなことがたびたび起きました。後日彼の仲間のお客様との会話で亡くなっていると知らされた。ぞ~っとします。

またある日の夕方、逢魔が刻。突然表からお線香の香りが入ってきた。デジタル時計を見ると4時44分44秒を表示していた。
入口はいつも開けているのですが工房の周辺にはお香を立てる人はいない。
その直後、私の後ろに人が立っている気配がする。
昔時計修理中に若手の職人が後からそっと見学する雰囲気を感じることが頻繁にある。
時計業界はのぞき見OK!ただし教えてくれない。先輩の技を後ろから横からチラチラ見ながら学習するのが普通の光景です。親切に教えてあげると技術が育たないこともある。
ところがここの工房は私一人。これは怖い!
私の後ろに立ったお化け時計師の初心者だったのか?
ただし私は左利きなのでそれほど参考にならないはず。
それより最近はYouTubeがあるのでそちらをお勧めします。

またお彼岸の朝、工房に出てきた時に入口に掛けてある掛時計は夜中の二時に一斉に止まっていたこともある。私一人しか来ない工房で誰かのいたずらではない。昨夜鍵を閉めた際には普通に動いたいたのだ。
地震の情報もなく時計が一斉に止まってしまう確率は宝くじが当たるより低いはず。
今日はハロウイン!
ヨロズ丑三つ刻には気を付けましょう。
明日は水曜日なのでブログはお休みです。工房はお昼から17時まで営業しますよ~。
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時計師の京都時間「京の国難」

2017-10-30 09:28:32 | 時計修理

10月30日月曜日。先勝{諸事急ぐこと吉。午後悪し)
朝から銀行支払いで駆け回ってきました。
四条通りの膏薬逗子には相変わらず朝早くから観光客が目立ちます。

今月はお天気に泣かされ、大阪人に泣かされた月でした。
昨日の日曜日また大阪人がコピー時計を持ち込んで来る。先週の台風21号に続いて22号の時もコピーが来た。客が少ない時になぜかやって来る。
私のコピー嫌いは有名です。工房に汚物をまき散らされた気分。カボチャより嫌い!塩をまいて清めるが塩代がもったいない!
コピー品は私たち時計師の敵なのです。

工房のある高級住宅地も近年大宮通りから西にはマンションが増えてきた。その影響か?大阪人がお店にも増える。
京都山城の国の国難である。
アベノお坊ちゃまは北朝鮮のおかげで国難騒ぎでまんまと選挙に勝てたと麻生さんが言う。
京都の国難は大阪人だ。大阪人来襲!の恐怖がある。
選挙で京都と大阪の国境に壁を作る‼というと勝てるかも?

京都は教育環境がいいので大阪から子育て移民が急増中です。公立でも安心な教育環境があるので国境の学校は大変だそうです。
有名な錦市場も大阪人の食べ歩き形式の開店ラッシュで地元民が寄り付かなくなった。
見た目に汚い、見苦しい。私のばあやんは錦は怖くて行けないと永年通っていたウナギをわざわざ堀川通りの三条商店会まで買いに行く始末になる。迷惑な話である。

京都と大阪の違いはもの造りの街と商売の街の大きな違いがある。
大阪では儲かればOK!一家に一個はパチもんがあるという。
その数の多さで取り締まりの法制化が困難になっているそうです。偽物を楽しむ文化があるようにも思える。盆暮れ前に取り締まりがある程度。

京都はオリジナルに歴史的なプライドがあるので偽物を嫌います。
「まだ、日本人でコピー品を持っている人がいるのか?」と工房に貼ってあるコピー持ち込みお断りPOPをみてあきれるのが京都の特徴。
大阪心斎橋の店で写真のフランクミューラーを見たらまずコピーを疑いました。
京都では安心して預かる。
この違いは大きいが京都人が保証書をなくしてしまうと悲劇が起きます。メンテナンスを断わられるのでくれぐれも保証書はなくさないようにしましょう。
悪貨が良貨を駆逐する世界なのです。

大阪人は百貨店や専門店に厚かましくコピー時計の電池交換を持ち込むものだから自店で販売したものだけを受け付けるようになっています。だから保証書は期間が過ぎても必要です。
大阪のお店の修理コーナーにだけは立ちたくないのが時計師共通の感想でフランクミューラーは大丸さん、高島屋の百貨店で買いましょう!と勧めます。
それだけ大阪人はコピー商品に対して罪悪感はない。当たり前のように持ち込んで来るのが不思議なのです。

最も一番悪いのはコピーを作る犯罪者たちです。それらに部品を供給しているシチズン・ミヨタの会社も悪質。
ウラブタを開けるとほとんどシチズン製のムーブメントが入っている状況が続いています。
私のお気に入りだったシチズンの評価が最近変わってきた。新製品を見るたびにブラックマーケットに部品供給しないとやっていけないほど経営が苦しいのか?と悲しくなる。

最近日本の企業にモラルがなくなって来たことを痛感する。
スイスではETAなどとっくに他社では部品は出さないし、リシュモングループでもカルティエからは部品一つ出てこなくなった。
偽造業者の影響で私達時計師の首を絞めています。

10月も明日で終わり。来月こそコピー品が来ないように一日は今宮神社へお参りに行きます。
本当に嫌いなのだ!






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時計師の京都時間「京の野分時間2」

2017-10-29 09:25:56 | 時計修理

10月29日日曜日 赤口で台風の日。
諸事油断すべからずが赤口。入社式などには向かない日。おまけに台風。
「今日は台風接近しますので会社はお休みですか~?」という新人がボケをかます時計業界。
必ず一人二人入る。
どうせ客は来ないので高島屋の北海道展にでも行きたい気分だが月末の引き取り客待ちで工房は閉められません。サグリ棒でも作るとするか?

時計師はミニヨンズの世界!
時計旋盤の映像がパソコンで見られるようになってありがたい。天真や巻き真をいとも簡単に作っているように見えます。私の場合残骸の山になる。
 最近NCRなどコンピューター旋盤であっという間にできたものを加工するだけなので何となく最初からやる気が起きません。よけい腕が落ちる。

今日のような日はピアノ線を百分の8ミリ髪の毛の細さまで削る技にチャレンジする程度。
サグリ棒を数種類作って使い分けます。作業中折れることもあるので余分に作り置きをしておきます。
初め小さなものを見るためには1センチ四方のマスに線を何本入れるかをトレーニングします。
いわゆるジュリエットの髪の毛を描けるまでやる。
ジュリエットは14才でした。ヨーロッパの女性の髪の毛なのだ。彼女の髪の毛は百分の5ミリ程度です。日本人はちょっと太め?
次にジュリエットサイズのサグリ棒を正確な径で作れるまで頑張る。マイクロメーターで計りこれが作れないと時計油差し用のピンなど恥ずかしいが材料屋さんに発注することになる。

ロレックスのマニュアルでは天真の縦アガキが百分の3ミリです。百分の5ミリくらい平気で作れないと仕事にならないわけで、このサグリ棒が天真のあがきに入ってしまうとアガキが大きすぎて精度が出ないのでやり直しします。

それにしても10月は台風やら大雨やらで京都の小売業は厳しい秋になりました。この悪天候のおかげでサグリ棒が5本ほど作れた。ただ時計の修理品が来ないのでちょっと寂しいね~。
今日は赤口。忙しい時より暇な日程ミスが起きやすい。ヨロズ気をつけましょ!



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時計師の京都時間「京の忍耐時間」

2017-10-28 09:28:04 | 時計修理

10月28日土曜日雨。市バス46系統は11分の遅れいよいよ秋の行楽シーズンの始まり。
なかなか来ないバスを待つ忍耐の季節の始まりです。
京都市の交通事情は悪い。昭和の歴代の思想は市電を廃止して車社会を優先させてきた。
そのつけがいま学生や高齢者に回ってきたのが現状。観光客を無計画に誘致した結果も拍車をかけています。
11月の勤労感謝の日は終日家に閉じこもるしかない。

イーオンに行くのに市バスで五条通りを河原町から西大路を抜けるだけで1時間はかかるので歩いたほうが早い。市電が残っていたらこんなことはなかったのに~と悔し涙に搔き暮れる夕暮れ。
金曜日に配布される土地情報で南北烏丸通り一本しかない地下鉄沿線の地価だけが高騰してる現状に京都市民の悲惨な状況がわかります。

この季節京都に観光へ来るなら地下鉄、京阪、阪急電車がおすすめ!
外人観光客がよく失敗するのが市バス11系統嵐山行に乗ってしまうことです。四条西洞院のバス停でバス待ちをしている外人さんたち。ちょっと5分ほど西や東に向かうと京福、阪急電車があるのになぜ11系統のバスに乗るのか?
特に阪急で桂で嵐山線に乗り換えていくのが快適です。これで1時間節約できる。
京都に上洛する費用を考えると観光できる時間は8時間。1時間当り無駄にできない高額になります。
特に高額な費用を払って上洛する修学旅行生はバスに乗っている時間がもったいない。
市バス9系統の京都市民が同行しているぼんくら引率教師に冷たい視線が集中していることを本人たちは知らない。

今年は大政奉還150周年にあたり二条城周辺が賑やかです。ここに行くのも「京都駅から地下鉄で行け!」と心の中で叫ぶ。
市バス9系統の満員バスに乗って時間を潰してしまい切符売り場で長蛇の列の最後尾に並ぶ悲しい中学生を見るたびに引率のボンクラチョイスの教師に腹が立つ。子供たちに地下鉄利用で1時間節約できる費用対効果を教えるべきだと思う。

この季節彼らの行動を見ているだけで忍耐がいる。
時計部門もこの季節忍耐力がいる。
急に気温が下がる季節です。古い電池は電圧がさがります。
例えば東北、北海道スキー場で遅刻する人が続出するのは気温が原因になることが多い。待ち合わせの夕方の時刻になる16時ころは急に気温が下がるので時計が止まる。
道は直ぐに暗くなるし雪道に慣れている私でも一度滑り出すと止まらない恐怖の思い出があるので早く帰りたいが遅刻者が続出するのが特徴。
スキー初心者は時計が暖かいロッジでは動きだすので止まっていたことに気が付かないのです。
世界で一番おいしいカレーはスキー場で食べる物で一番安心な時計はゼニス・プリメロでしたね~。

京都はスキー場と一緒で夕方から厳しく冷え込みます。待ち合わせに遅れないよう電池交換は定期的にやっておきましょう。また時計も水に強いのがラウンド型。スクエアモデルは6時、12時側が弱いので水、湿気が入りやすい。京都に連れて行く時計は丸形にしましょう。

最近はスマホのおかげで待ち合わせ時間を気にしなくなりましたが旅先では使えない場所もあるので時計を使いこなしておくことで無駄な忍耐時間には気を付けたいものです。
今日は土曜日.大安!外は雨。
時計は防水時計を選んでお出かけしましょうね~。




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時計師の京都時間「京の価格」

2017-10-27 10:19:55 | 時計修理

10月27日金曜日。仏滅の読書週間。
「あとは野になれ大和撫子」、森見登美彦「夜行」「月の満ち欠け」三連続と感情移入できずに終わった今年の読書週間が始まりました。
自分が62歳になったことも忘れて出版社の読者ターゲットゾーンから外れていても気が付かなかった。本を購入するメインの年齢層から乖離しているのでしょう。

今朝、堀川今出川西を歩いていると「白峯神宮」厄年お知らせ看板をなにげなく見る。私は厄歳のお知らせからもスピンアウトしていました。61才から先は厄歳の警告がない。

これから長生きして喜寿、米寿と他人様からよろこんでもらえる年代になるのか不安な時間が待っています。若い人が災難に遭うのなら悲惨だがじじいには同情も集まらないということでしょう。

 京都高島屋で北海道展のイベントをやっています。これも経験が邪魔をする。
北海道のメリットは市場価格の安さと量が魅力です。メニューを一目見た時から北海道に来たことを自慢したくなるが今回のチラシを見る限り価格の高さに驚きます。ちょっとがっかり!
やはり私は市場からはずれている存在なのだと思う。

ジンギスカンなら松尾でしょう!ルイベ、氷下魚、松前漬け、馬鈴薯、ホッケなどなどテーブルを囲った楽しい時間がよみがえってきます。チラシのメインに出ていたようなプリン、チョコレートを札幌で食べたことがない。この疎外感はなんともむなしい。

写真のカルティエ、エルメス、ブルガリなどスイス時計はいつまでも共通の話題で通る。
ところがネット通販の影響で修理部門に変動が起きています。
定価13万円の時計のガラス交換修理を受ける。
 高級時計のガラスなら通常3万円がめどになります。ところがお客様は4万円で買った安物だという。
私のバイヤー時代に13万定価の25%割引き98000円で販売していたモデルでした。
それが楽天で4万円で購入したという。これでは確実に修理料金が合わなくなるのです。
高級時計の修理価格は定価の10~15%%をめどに受ける。4万円なら4000円の修理料金になってしまうではないか!
当然修理はキャンセルになるいところを何とかお願いして修理を進める。何となく後ろめたくぼったくり業者の気分になる。
時計の価値も不安定になってきた時価の時代でしょう。

「愚民」選挙が終わりました。
どうせ愚民なので5割が棄権する!公約は適当でいいのだという姿勢になって来ているようです。
消費税凍結、教育費無償化、議員報酬削減などいい加減なことばっかり聞かされる。
自宅がある下京区では50%切っていました。この投票率も時代が進むとやがて30%くらいの投票率になるのでしょうかね~。その時代の風景を見たくないものです。
国民の30%が保守20%が革新残り50%が愚民の時代。アホが多いこの国。

時計の修理受付も様々なリスクを説明されてうんざり‼というお客さんが増えました。「修理中万が一傷をつけても訴えません」のサインまでしないと修理を受け付けてもらえないメーカーが出てきたそうです。
工房がある北区の高級住宅地はまだ笑い話で終っていますが消費税10%時代に入ると世情も変わってくるのでしょうかね~。
まだ電池交換は内税1000円でやっていますがトラブルが増え続けると悩むところです。
しばらくはこの価格で頑張りますのでご安心くだされ~。






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