豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

四季の女 3

2018年05月04日 | 今日の美女
◎ 鈴木春信 風俗四季歌仙
 この組物は「四季とあっても14作品が集まっている。そのうちの六点を掲載した。副題の「立春」とか「神無月」によると九月が欠けているだけだが、一月・三月・四月が二枚有る。つまり一年12か月を描いたもので九月も在ったことは確かだろう。
 ※ 神楽月は先日の歌麿の霜月も似た絵だったが、正装した女の子を肩に乗せた現在でいう七五三の宮参りの図なのである。
 
   立春                          弥生                           水無月
    

  仲秋                           神楽月(11月の異称)                    極月
    


◎ 鳥居清峯 青楼四季之詠
 この組物も9作品集まっていて六点掲載したが特に時期を示す文字は無く僅かな回りのもので季節を示すだけで、最後の絵は全く季節には無関係である。西欧の四季の絵が女性の姿を通して各季節を描く狙いがあるのに対して、これは花魁の姿を描くのが本筋だからだろう。

    


    


◎ 揚州周延 四季の詠
 このシリーズは季節毎の情景を女性を通して描いているのだが これも四点セットではないようである。
 四点あっても「冬」がなくて春と夏の中間があり、冬が存在していたとしても四点セットではない。
 因みに下二点の雪景色はこのままこのセットに入れてもおかしくないがまったく独立した絵のようである。

 これまでのことから「四季」という言葉は「四つのシーズン」という用法以外に「一年の内のいろいろな季節」という漠然とした内容の用法があってむしろこちらの方が多用されているから、Four seasons が即「四季」にならないといえよう。 













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