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大月東中学校 美登里の日々

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東中学 いや栄えあれ

職場体験学習を終えて  ~生徒の体験記~

2010年11月18日 20時16分06秒 | 学校生活
職場体験学習のまとめに入った2年生。2年3組の学級通信『タイヨウの光』(11月19日号)に生徒たちの体験記が掲載されたので全文転載する。


また行きたい! この経験を将来に生かしていきたい!
 みんなの作文から,主に体験の内容について抜粋しました。さまざまな体験をさせてもらって,いろいろな面で学んできたことがわかりました。その仕事に対しても,自分の将来の仕事に対しても,一人一人の中に学校の授業の中では出てこなかった考えが芽生えたように思います。
 私も行ってみたかったな。(担任:細川)

●食品販売店
▽ビニール袋に野菜を入れる仕事をもらって,しっかり入らないとむかついた。店員さんは慣れていてすごく上手だった。スーパーで一番大変なことは,商品の金額の設定と,満足してもらえる接客だそうだ。客から見ると,そんなところまで考えてくれてるなんて,本当にありがたい。私はなぜ,野菜,魚,すし,揚げ物といった順に商品が並んでいるのか気になっていた。店員さんから「買う人は野菜を見て今日の献立を決める」と聞いてすごく納得した。

●和菓子屋 
▽エプロンに着替えてすぐに仕事内容を教えてもらった。和菓子を紙に包む仕事をした。お客が来た時は接客もした。最初は「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」が恥ずかしくて言えなかったけれど何人かを相手にしているうちにできるようになった。和菓子が焼き上がったときはすごくいいにおいがした。和菓子作りがこんなに楽しいことがわかった。
▽自分は1日の半日くらい仕事してお金を稼いでいると思っていたが,実際は全く違い,朝早くから始めて夜遅くに終わる大変な仕事だった。させてもらった仕事はおまんじゅうづくりで,生地を作り,あんこを入れて,形を整えて焼く,これを何回も繰り返すことで次の仕事に入ることができた。袋詰めも難しい作業で,何回も繰り返し行い,作業は終わった。仕事の大変さを改めて感じた。

●薬剤師 
▽錠剤の薬品名の後にあるDという文字には「水なしでも飲めます」という意味があったことを初めて知った。これはガスター10などにあった。体験では粉末状の薬の味見をさせてもらった。これは甘い薬で,明治製菓などのお菓子を作っている会社が発祥だそうだ。また,薬の量を調節して袋に詰めたり,注射器を使って薬品を混合させたりした。麻薬も見せてもらい,痛みを和らげるのに使う麻薬と覚醒剤とは違うことを教えてもらった。麻薬は盗まれないように金庫にしまわれている。最後に,薬剤師さんが「薬剤師は医師からの指示通りの薬を調合しなければならないが,患者さんに本当にあっているかを見ることも仕事です」と言われ,とても責任重大だと思った。

●消防署
▽放水訓練や筋トレをするのかとワクワクしてたが,実際やったのは7mの壁をロープで上ることだった。ハンパじゃないくらいきつかった。「ざせき」とい降り方の訓練もした。下りるのはすごく恐くて,しかも降りたらすぐ上るというきついメニューだった。
▽訓練が始まろうとしたその時,出動命令があり,訓練は始まる前に中断。隊員が帰ってきてから訓練がスタートした。最初は壁を紐を使って上るというもの。以前の消防署は家の目の前だったので,ずっと見ていたから,簡単にできるだろうとすごい自信があった。しかしいざ始まってみると,6m中2mしか上れなくてちょっと情けなかった。訓練が終わった時,腕がパンパンだった。午後の訓練は下り。右手を前に持っていくと手が取れると聞いて緊張したが,意外とできて,うまいと褒められた。もっとやりたかったが,またもや出動命令が出てできなかった。きつかったけど楽しかった。消防士という職業をするにもこんな訓練が必要なんだとわかった。

●警察署
▽365日,毎朝パトカーの点検をしてからその後,パトロールに出かける。パトカー,護送車や事故処理車などを見せてもらった。署には留置所と道場があり,留置所はとても禍々(まがまが)しい雰囲気を漂わせていた。道場は訓練で使うのだそうで,とても男気のある場所だった。さすがに拳銃は見せてもらえなかったが,常備している警棒,手帳,手錠,無線機をみせてもらった。
▽警察署の担当の方は優しくて,質問にわかりやすく答えてくれたので,それまで張りつめていた緊張感もほぐれた。やりがいをたずねると,通報があった時,その人の悩みや問題を解決することだと答えてくれた。つらいときはなくなった方のご遺体をご家族に返す時だと話してくれた。パトカーの後部座席は犯人が逃げられないように中からドアが開かないようになっていた。テーブルに指を付けて粉をつけ,指紋を採る鑑識の仕事を体験させてもらった。駅前の交番に行くとちょうど事故の通報が入り,出かけていくところだった。こういう時は退職した警官が交番に居て市民の質問に答えてくれるそうだ。                         

●カー用品店
▽一番初めの仕事は駐車場の掃除だった。この仕事はとても重要だと思っていたのと,一番初めにもらった仕事だったというのが重なって,かなり気合いを入れて作業に取りかかった。開店前にはレジ前にみんなが集まり,「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」など,基本的な挨拶をした。開店前にはこういうことをしているのかと感心した。基本的にはタイヤを地下から運び出す作業をくり返し行った。私たちは1回に2本しか運べないのに,店員さんは8本も運んでいて単純にすごいなと思った。6時間も働いていないのに腕が疲れた。この仕事をしている理由を聞くと「やっぱ車が好きだから。」との答え。自分の好きな仕事なら長く続けられるし,嫌にならないんだと教えてくれたんだと思った。

●パン屋 
▽パンをこねたり,焼くのを見て,色々手伝って疲れた。また今度機会があったらもう一度行きたい。おみやげにチョココロネをもらった。とてもおいしかった。

●家電販売店
▽最初の仕事は掃除だった。掃除は好きではないので少し嫌だった。モップで店内を掃除した後,朝礼でいきなり挨拶をさせられたのでびっくりした。でもみんなが拍手をしてくれたのでうれしかった。その後は雑巾がけで,プリンターやテレビなどを2時間くらいやった。午後は品出しをした。
▽よく行く場所だったので,どうなっているか知りたかったので希望した。基本の掃除はほこりがある端から端まで雑巾で拭いた。品出しの置き場を探すのに時間がかかり,苦労した。
▽品出しは,バーコード横にかかれた番号を見ながら置き場所を探すのが大変だった。その中に私たち3人がかりで探しても見つからない商品があった。しかし,店員さんはすぐにその場所をみつけたので,すごいなと思った。この店では「仕事は役割分担ではなく,役割優先」で,仕事はみんなで分担してやるのではなく,できる人にどんどんまわす,という考え方をもって仕事をしているという。それなのに,店員さんがやれば品出しなんてすぐできただろうに,今日は,わざわざ私たちに仕事をまわしてくれた。それはとても感謝すべき事だと思った。

●古本販売店 
▽自己紹介をした時にはかなりドキドキして私にできるのだろうかと心配だったが,店の方が丁寧に教えてくださったのでうれしかった。同じ作業を何度も繰り返す仕事ばかりで根気が必要だと感じた。一番驚いたのは,1人1人が自分から仕事を見つけ,少しでもお客様を満足させられるように一生懸命だったことだ。自分の責任を果たして積極的に仕事を頑張る店員さん方を見ていて,とても輝いて見え,将来自分もそうなりたいと思った。
▽行く前はあまり仕事がないだろうと思っていたが,実際は細かい仕事がたくさんあり,目や手が疲れてしまった。店の人たちはいつもこの仕事をやっているのだと思うとよく続けることができるなと思った。普通は見る機会があまりない本の紙を削る機械などが見られて良かった。また,店員さんのお客に対する挨拶の声の大きさや,売り上げを上げるための工夫がされていることなどを知った。

●飲食店
▽実際にお店の服を着て,接客をした。この店では接客のことを「おもてなし」というそうだ。私たちは客席案内と食器の片づけをした。ずっと立ちっぱなしで座ることができず,無駄話もできなくて学校とぜんぜん違った。接客では笑顔が一番で,自分がして欲しいこと,また来たいと思ってもらえるようにすること,忙しくても大変なところを見せずにやることを心がけていると聞いた。いろいろなお客がいるのでそれぞれ対応が難しくて大変だけど,お客が笑顔になってくれるのは気持ちいいなと思った。
▽担当の方は私が迷っていても優しく教えてくれた。開店前に練習したのだが,実際に接客してみると言うせりふが言えなかったりと失敗もあった。自分がレストランに行くときには簡単そうに見えたが,やってみるとすごい難しかった。店員さんたちは笑顔で,大きな声で,案内するときにはお客が付いてきているか気にしたり,段差があるところでは声をかけたり,メニューは両手で持ったり,一度にいろいろなことを気をつけて失礼の無いような接客をしていてすごいなと思った。

●老人ホーム
▽施設の利用者のみなさんと一緒に歌を唄ったり車椅子を押させてもらったり,お話をしたり,食事のお手伝いをした。一番大変だったのは食事のお手伝いで,口に食事を運んでも一口,二口しか食べてもらえず,嫌われてしまったのかと思い,とても悲しくなった。食事は口に運ぶタイミングや声のかけ方一つで食べてもらえたり,食べてもらえなかったりするのだと介護士の方から教わった。車椅子を押すのも思っていたよりもずっと難しく,慣れるまでとても時間がかかった。
▽車椅子を押すのは案外難しく,どのくらいのスピードで押せばいいのか,迷った。食事の手伝いでは,食べさせるのではなく,食べるように指示を出してといわれたが,何と言っていいかわからず,そのまま30分が過ぎてしまい,反省した。

●幼稚園・保育園 
▽全クラスを回り,小さい子はまだ慣れなくて泣いたり,年中の子はケンかをしたりと,年によって大変なことがいろいろ違った。子どもたちは小さなことでもすごく素直に喜んでくれて,その笑顔にとても癒された。こんなに人の成長を間近で見られる仕事はなかなかないと思った。
▽最初は子どもとちゃんと接しられるか不安だったが,私の不安をよそに子どもたちのほうから手を引っ張って一緒に遊ぼうと言ってくれたり,おんぶやだっこをしてと言ってきてくれて本当にうれしかった。体験を通して,毎日小さい子どもを相手にしている先生方はストレスがたまらないのか疑問に思っていたが,子どもたちの成長がやりがいなのかなと思った。
▽小さな子どもの面倒を見ることや遊ぶことが好きなので,保育士という仕事に興味があった。実際に行ってみるととても騒がしかった。笑ったり,泣いたり,怒ったりしている子どもたちのいろいろな表情をみて,かわいくてほほえましかった。
▽前日からどきどきしていた。初めは小さい子は面倒くさそうだから少し嫌だなと思っていた。しかし実際はとてもかわいかったし,一緒に遊ぶことが楽しかった。私の似顔絵を書いてくれたときは本当にうれしかったし,体験にきてよかったと思えた瞬間だった。劇や踊りをみせてもらった。みんな一生懸命で,自分の役割をしっかりしたり,静かに待ったりと,私が考えていた以上に完成度が高くて驚いた。保育士は子どもに音楽を教えたり,良いことと悪いことも教えていかなければならない大変な仕事だと思った。だからこそ,成長して姿がみられるから楽しい仕事なのだと思った。
▽幼稚園のトイレはピカピカで,先生たちはいつも丁寧に掃除しているんだなと思ったので,大切な1日を借りて体験させてもらっているので,私たちもその気持ちを心に一生懸命トイレ掃除をした。子どもたちに紙芝居を読んであげると,喜んでくれて私はすごくうれしかった。先生の話の中で一番心に残ったのは,「何もかも必ず1歩踏み出すことが大切」という言葉だ。
▽なかなか子どもたちとふれあえず,意外と難しいことだと実感した。子どもたちは曲に合わせて体操をしていたが,幼稚園児は覚えるのが早かった。幼稚園児はすぐに行動に表すから,危ないことをしてしまうので,先生には広い視野が必要だと学んだ。
▽初めから大変だということはわかっていたけれど,思っていたよりも大変だった。私が入ったクラスでは翌日の音楽会の準備の係を決めた。園児たちは先生が話をしていてもすぐに何かに興味を持ち,話を聞いていない。小中学生なら10分で終わりそうな所を1時間もかけて話をしていた。園児が騒いでいる時,私なら小さい子だから仕方がないと思ってそのまま続けるか,大きな声で叱ってしまう。しかし,先生は決して大きな声では怒らず,違う事ははっきり違うと言っていた。後で質問すると大きな声で叱ると子どもたちがやる気をなくしてしまうからだと教えてもらった。
▽実習では高校生もきていた。保育園生は朝からとても元気が良くてびっくりした。小さい子のおむつや着替えを手伝った。一つ思ったのは,先生たちの怒り方で,とても厳しく怒っていて,時には泣いてしまった子もいた。怒る時はしっかり怒っているんだなと思った。
▽体験の前まで「1日小さい子の面倒をみていればいいんだろうな」と思っていたが,最初の仕事はトイレ掃除で,1日の始まりとなる仕事が裏の仕事ということに気づかされ,ここで気合いが入った。園児が帰り際に「明日も来てくれるよね」と言われた時には頷けなかったのが少しつらかった。園児が帰った後も朝と同様にトイレ掃除をし,部屋中に掃除機をかけた。誰もいない部屋を改めて1人で見渡してみると,かなり広く感じ,掃除機をかけるのにも気が遠くなった。実際にやってみると予想以上に時間がかかり,体勢もきつくて腕や腰が痛くなってきた。
▽1歳から6歳まで子どもがいて,遊んだり,本を読んだり,おやつを食べたりした。その中でも一番心に残っているのは梅組と一緒に行った散歩だ。靴が脱げたり,ケンカしたりいろいろと楽しかった。


●体験を終えて・・・
▽いろいろなことを感じ,いろいろなことを教えてもらった。
▽時間を割いてもらったたこと,無料でこの体験をさせてもらったこと,感謝の気持ちでいっぱいです。これを生かしてこれからの人生を決めていきたい。
▽社会に出て仕事をするときはどんな仕事にもあきらめず,やり通したいなと思いました。
▽社会に出て生活していくための大切なものを学ぶことができたと思います。
▽この体験が将来役立つように努力したい。
▽これを機に将来の事をきちんとかんがえていきたいと思った。
▽仕事の難しさ,大変さを実感することができた。誰かのために一生懸命,相手も思いやって働くことの大切さを学びました。
▽1日だけでもとてもつかれるのにそれを毎日続けられるのは,その分うれしいこともたくさんあるからなんだと思った。
▽この体験を将来就く職業の1つとして考えていきたいと思った。
▽この仕事には我慢することが大切だと思った。1日だったが,すごく疲れて,家についてすぐに寝てしまった。そんなに大変な仕事を毎日続けているのは大変だなと思ったが,仕事をすると言うことは簡単ではないんだということがわかった。


 お疲れ様。
 様々な事業所で,直接見て,聞いて,触って,感じて,考えて,貴重な体験をしてきた様子が手に取るようにわかる。
 その中でも共通するのが,こちらから見るあちらの景色とあちらで見るあちらの景色が違ったことに対する素直な驚きだ。
 そこで,君たちにして欲しいのは,体験してきた仕事の現場(あちら)の視点で学校生活や家庭生活(こちら)を振り返り,役割と責任の大切さや,学校教育で身につける「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の意義についてもう一度考え直してみること。
 この貴重な体験を財産(キャリア)にして,これからの生活を創り出し,君たちが成長する(ステップアップ)ことを期待しているよ。
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