日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(178)「天帝使我長百獣。」の「述語論理」。

2019-04-17 11:18:33 | 「鏡の中の、上下左右」

(01)
③ 天帝使我長百獣=
③ 天帝使〔我長(百獣)〕⇒
③ 天帝〔我(百獣)長〕使=
③ 天帝〔我をして(百獣に)長たら〕使む=
③ 天帝 let me be the chief of all the beasts.
(02)
1    (1)∃x∃y{天帝x&我y&∀z(獸z⇔長xyz)}  A
 2   (2)  ∃y{天帝a&我y&∀z(獸z⇔長ayz)}  A
  3  (3)     天帝a&我b&∀z(獸z⇔長abz)   A
  3  (4)            ∀z(獸z⇔長abz)   3&E
  3  (5)               獸c⇔長abc    4UE
  3  (6)    獸c→長abc&長abc→獸c       5Df.⇔
  3  (7)            長abc→獸c       6&E
  3  (8)   ~獸c→~長abc              7対偶
   9 (9)∃w(鳥w&~獸w)                A
    ア(ア)   鳥c&~獸c                 A
    ア(イ)   鳥c                     ア&E
    ア(ウ)      ~獸c                 イ&E
  3 ア(エ)      ~長abc               8ウMPP
  3 ア(オ)   鳥c&~長abc               イエ&I
  3 ア(カ)∃w(鳥w&~長abw)              オEI
  39 (キ)∃w(鳥w&~長abw)              9アカEE
 2   (ク)     天帝a&我b               3&E
 239 (ケ)     天帝a&我b&∃w(鳥w&~長abw)  キク&I
 239 (コ)  ∃y{天帝a&我y&∃w(鳥w&~長ayw)  ケEI
 2 9 (サ)  ∃y{天帝a&我y&∃w(鳥w&~長ayw)} 23コEE
 2 9 (シ)∃x∃y{天帝x&我y&∃w(鳥w&~長xyw)} サEI
1  9 (ス)∃x∃y{天帝x&我y&∃w(鳥w&~長xyw)} 12シEE
従って、
(02)により、
(03)
(1)あるxは天帝であり、あるyは我であって、すべてのzについて、zが獸であるならば、その時に限って、xはyを、zの長にする。 と「仮定」し、
(9)あるwは鳥であって獸ではない。 と「仮定」すると、
(ス)あるxは天帝であり、あるyは我であって、あるwは鳥であって獸ではないが、xは、yを、wの長にはしない。 といふ『結論』を得る。
(∴)我は、百獸の長であっても、鳥の長ではない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
③ 天帝使我長百獣=
といふ「漢文訓読」は、
③ ∃x∃y{天帝x&我y&∀z(獸z⇔長xyz)}=
③ あるxは天帝であり、あるyは我であって、すべてのzについて、zが獸であるならば、その時に限って、xはyを、zの長にする。
といふ「述語論理」に、相当する。
従って、
(04)により、
(05)
『これ迄に示した記事』と、併せて言ふと、
(a)
① 虎求百獸而食之得狐。
② 狐曰子無敢食我也。
③ 天帝使我長百獸。
④ 今子食我是逆天帝命也。
⑤ 子以我爲不信吾爲子先行。
⑥ 子隨我後觀。
⑦ 百獸之見我而敢不走乎。
⑧ 虎以爲然。
⑨ 故遂與之行。
⑩ 獸見之皆走。
⑪ 虎不知獸畏己而走也。
⑫ 以爲畏弧也。
(b)
① 虎百獸を求め而之を食らひ狐を得たり。
② 狐曰はく、子敢へて我を食らふこと無かれ。
③ 天帝、我をして百獸に長たら使む。
④ 今子我を食らはば、是れ天帝の命に逆らふなり。
⑤ 子我を以て信なら不と爲さば、吾子の爲に先行せむ。
⑥ 子我が後に隨ひて觀よ。
⑦ 百獸之我を見て敢へて走ら不らんや。と。
⑧ 虎以て然りと爲す。
⑨ 故に遂に之與行く。
⑩ 獸之を見て皆走る。
⑪ 虎獸の己を畏れて走るを知ら不るなり。
⑫ 以て狐を畏るると爲す也。と。
といふ「漢文(戦国策、虎の威を借かる)」に於ける、
① 虎求百獸而食之得狐。
③ 天帝使我長百獸。
⑦ 百獸之見我而敢不走乎。
といふ「漢文」は、それぞれ、
① ∃y{虎y&∀x[獸x→求yx&食yx&∃z(狐z&獸z&得yz)]}
③ ∃x∃y{天帝x&我y&∀z(獸z⇔長xyz)}
⑦ ∃x{我x&∀y(獸y→見yx&走y)}
といふ「述語論理」に、相当する。
然るに、
(06)
② 狐曰子無敢食我也。⇔
② 狐曰はく、子敢へて我を食らふこと無かれ。
の場合は、「命令形」である。
然るに、
(07)
「論理学」は「命題」だけを「研究の対象」とし、尚且つ、「命令形」は、「命題」ではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
② 狐曰子無敢食我也。⇔
② 狐曰はく、子敢へて我を食らふこと無かれ。
といふ「漢文訓読」を、「述語論理」に「翻訳」することは、出来ない。
(09)
① ∃y{虎y&∀x[獸x→求yx&食yx&∃z(狐z&獸z&得yz)]}
③ ∃x∃y{天帝x&我y&∀z(獸z⇔長xyz)}
⑦ ∃x{我x&∀y(獸y→見yx&走y)}
に於ける「変数(x、y、z)」は、「個物(集合の要素)」に、対応する。
然るに、
(10)
④ 今子食我是逆天帝命也。
④ 今子我を食らはば、是れ天帝の命に逆らふなり。
に於ける、
④ 天帝の命
は、「個物(集合の要素)」ではない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
④ 今子食我是逆天帝也。⇔
④ 今子我を食らはば、是れ天帝に逆らふなり。
といふ「漢文訓読」を、「述語論理」に「翻訳」することは、出来ない。
然るに、
(12)
④ 今子食我是逆天帝命也。
④ 今子我を食らはば、是れ天帝の命に逆らふなり。
ではなく、
④ 今子食我是逆天帝也。
④ 今子我を食らはば、是れ天帝に逆らふなり。
とするならば、
④ 天帝
は、「個物(集合の要素)」である。
従って、
(09)(12)により、
(13)
④ 今子食我是逆天帝也。
④ 今子我を食らはば、是れ天帝に逆らふなり。
であるならば、
④ ∃x∃y∃z{子x&我y&天帝z&(食xy→逆xz)}⇔
④ あるxは子であって、あるyは我であって、あるzは天帝であって、xがyを食らふならば、xはzに逆らふ。
といふ「述語論理」に、「翻訳」することが、出来る。
従って、
(05)~(13)により、
(14)
いづれにせよ、
① 虎求百獸而食之得狐。
② 狐曰子無敢食我也。
③ 天帝使我長百獸。
④ 今子食我是逆天帝命也。
⑤ 子以我爲不信吾爲子先行。
⑥ 子隨我後觀。
⑦ 百獸之見我而敢不走乎。
⑧ 虎以爲然。
⑨ 故遂與之行。
⑩ 獸見之皆走。
⑪ 虎不知獸畏己而走也。
⑫ 以爲畏弧也。
といふ「漢文の全体」を、「述語論理」に「翻訳」することは、出来ない。


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