日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(75)「論理的」=「正しく言い換へること」。

2018-08-16 19:28:14 | 論理
(01)
① AはBを愛する(A loves B)。
といふ「能動態」は、
② BはAに愛される(B is loved by A)。
といふ「受動態」に、「言ひ換へ」ることが出来る。
従って、
(02)
① ある人は、すべての人を愛してゐる。
といふ「能動態」は、
② すべての人は、ある人に愛されてゐる。
といふ「受動態」に、「言ひ換へ」ることが出来る。
然るに、
(03)
② すべての人(全人類)が、それぞれの家族や、恋人や、友人等に、愛されてゐる。としても、
① ある(一人の)人が、すべての人(全人類)を愛してゐる。といふことには、ならない。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ある人はすべての人を愛す。
② すべての人はある人に愛される。
に於いて、
① → ② であるが、
② → ① ではない。
従って、
(04)により、
(05)
x=人
y=人
であるとして、
① ∃x∀y愛(xy)=ある人はすべての人を愛す。
② ∀y∃x愛(xy)=すべての人はある人に愛される。
に於いて、
① → ② であるが、
② → ① ではない。
然るに、
(06)
1 (1)∃x∀y愛(xy)  A
 2(3)    愛(ab)  2UE
 2(4)  ∃x愛(xb)  3EI
1 (5)  ∃x愛(xb)  124EE
1 (6)∀y∃x愛(xy)  5UI
  (7)∃x∀y愛(xy)→
     ∀y∃x愛(xy)  16CP
(07)
1 (1)∀y∃x愛(xy)  A
1 (2)  ∃x愛(xb)  1UE
 3()    愛(a)  A
 3(4)  ∀y愛(ay)  UI?

 3(5)∃x∀y愛(xy)  4EI
1 (6)∃x∀y愛(xy)  235EE
  (7)∀y∃x愛(xy)→
     ∃x∀y愛(xy)  16CP
然るに、
(08)
UIを適用するに先立って、結論が依存している仮定のそれにも、「」が現われないということを確かめておくべきなのである(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、139頁改)。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
① ∃x∀y愛(xy)=ある人はすべての人を愛す。
② ∀y∃x愛(xy)=すべての人はある人に愛される。
に於いて、
① → ② であるが、
② → ① ではない。
といふことは、「述語論理」であっても、さうである。
然るに、
(10)
「二重否定、量化子の関係」により、
① ∃x∀y愛(xy)=~~∃x∀y愛(xy)=~∀x~∀y愛(xy)=~∀x∃y~愛(xy)
でなければ、ならない。
従って、
(10)により、
(11)
①  ∃x∀y 愛(xy)=あるxはすべてのyを愛す。
③ ~∀x∃y~愛(xy)=すべてのxがあるyを愛さない。といふことはない。
に於いて、
①=③ でなければ、ならない。
然るに、
(12)
(a)
1   (1)   ∃x∀y愛(xy) A
 2  (2)     ∀y愛(ay) A
 2  (3)       愛(ab) 2UE
  4 (4)  ∀x∃y~愛(xy) A
  4 (5)    ∃y~愛(ay) 4UE
   6(6)      ~愛(ab) A
  4 (7)      ~愛(ab) 566EE
 24 (8)愛(ab)&~愛(ab) 37&I
 2  (9) ~∀x∃y~愛(xy) 48RAA
1   (ア) ~∀x∃y~愛(xy) 129EE
(b)
1    (1)~∀x∃y~愛(xy)  A
 2   (2) ~∃x∀y愛(xy)  A
  3  (3)    ∀y愛(ay)  A
  3  (4)  ∃x∀y愛(xy)  3EI
 23  (5) ~∃x∀y愛(xy)&
          ∃x∀y愛(xy)  24&I
 2   (6)   ~∀y愛(ay)  35RAA
   7 (7)  ~∃y~愛(ay)  A
    8(8)     ~愛(ab)  A
    8(9)   ∃y~愛(ay)  8EI
   78(ア)  ~∃y~愛(ay)&
           ∃y~愛(ay)  79&I
   7 (イ)    ~~愛(ab)  8アRAA
   7 (ウ)      愛(ab)  イDN
   7 (エ)    ∀y愛(ay)  ウUI
 2 7 (オ)   ~∀y愛(ay)&
            ∀y愛(ay)  6エ&I
 2   (カ) ~~∃y~愛(ay)  7オRAA
 2   (キ)   ∃y~愛(ay)  カDN
 2   (ク) ∀x∃y~愛(xy)  キUI
12   (ケ)~∀x∃y~愛(xy)&
         ∀x∃y~愛(xy)  1ク&I
1    (コ)~~∃x∀y愛(xy)  2ケRAA
1    (サ)  ∃x∀y愛(xy)  コDN
cf.
 2   (6)   ~∀y愛(ay)  35RAA
 2   (7)   ∃y~愛(ay)  量化子の関係
 2   (8) ∀x∃y~愛(xy)  7UI
従って、
(11)(12)により、
(13)
x=人
y=人
であるとして、
①  ∃x∀y 愛(xy)=ある人はすべての人を愛す。
③ ~∀x∃y~愛(xy)=すべての人がある人を愛さない。といふことはない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(14)
① 人の子(イエス・キリスト)がすべての人を愛す。といふのであれば、
③ すべての人がある人(取税人や罪人)を愛さない。といふことはない。といふことになり、
③ すべての人がある人(罪人や取税人)を愛さない。といふことはない。といふのであれば、例へば、
① イエス・キリスト(人の子)はすべての人を愛す。といふ、ことになる。
然るに、
(15)
①  ∃x∀y 愛(xy)=ある人はすべての人を愛す。
③ ~∀x∃y~愛(xy)=すべての人がある人を愛さない。といふことはない。
に於いて、
①=③ であるといふことは、
① を「言ひ換へ」ると、③ になり、
③ を「言ひ換へ」ると、① になる。
といふ、ことである。
然るに、
(16)
この観点からすれば、論理法則に従うという意味で「論理的」ということはすなはち「正しく言い換える」ことに他ならず、論理学とは言い換えの規則集に他ならない(大森荘蔵、思考と論理、2015年、130頁)。との、ことである。
従って、
(16)により、
(17)
「論理的な言語」とは、「正しく言ひ換へることが出来る言語」である。といふ、ことになる。

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