日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1236)「象は鼻が長い」の「象は{∀x(象x→}」について。

2022-08-25 12:25:07 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよ
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 象は動物である。⇔
① ∀x(象x→動物x)⇔
すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
然るに、
(04)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
1  6  (キ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
 2 6  (ク)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
1  6  (ケ)                    ~鼻ba→~長b   キUE
 2 6  (コ)                    耳ba→~鼻ba   クUE
 2 6 オ(サ)                        ~鼻ba   カコMPP
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。   然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて(zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理式」に「相当」する。
従って、
(03)(07)により、
(08)
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理式」に「相当」する。
然るに、
(09)
「象x(xは象である。)」
のやうな「それ」を「xの命題関数(propositional function)」と言ふ。
然るに、
(10)
① ∀x(象x→P)
に於いて、
① Pは「xの命題関数」であるとする。
然るに、
(11)
① ∀x(象x→P)
に於いて、
① P=動物x
② P=∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)
といふ「代入(置き換へ)」を行ふと、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
従って、
(11)により、
(12)
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「述語論理式」は、両方とも、
① ∀x(象x→P)
② ∀x(象x→P)
といふ『文型』をしてゐる。
従って、
(08)(12)により、
(13)
「述語論理式」を「基準」にするならば、
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、両方とも、
① ∀x(象x→P)
② ∀x(象x→P)
といふ『文型』をしてゐる。
従って、
(13)により、
(14)
「述語論理式」を「基準」にするならば、
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
に於ける、
① 象は・・・・・。
② 象は・・・・・。
といふ「日本語」は、両方とも、
① ∀x(象x→ )
② ∀x(象x→ )
といふ『型』をしてゐる。
従って、
(14)により、
(15)
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」に於ける、
① 象は
② 象は
は、『述語論理の文法(文型)』を「基準」にすると、「区別」をする「必要」が無い。
従って、
(15)により、
(16)
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
に於いて、
①「象は」が「主語」であるならば、
②「象は」も「主語」である。