日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1037)∃x∀y(Fxy)⇒∀y{∃x(Fxy)}

2022-02-01 15:30:57 | 論理

(01)
(ⅰ)
1(1)∀x∀y(愛xy) A
1(2)  ∀y(愛ay) 1UE
1(3)     愛ab  2UE
1(4)  ∀x(愛xb) 3UI
1(5)∀y∀x(愛xy) 4UI
(ⅱ)
1(1)∀y∀x(愛xy) A
1(2)  ∀x(愛xb) 1UE
1(3)    (愛ab) 1UE
1(4)  ∀y(愛ay) 3UI
1(5)∀x∀y(愛xy) 4UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∀y(愛xy)
② ∀y∀x(愛xy)
に於いて、
①⇒② であって、尚かつ、
②⇒① である。
然るに、
(03)
(ⅲ)
 2(2)  ∀y(Lay) A
 2(3)     Lab  2UE
 2(4)  ∃x(Lxb) 3EI
といふことは、
{個体領域}={a、b、c}であるとして、
③  Lab から、
③(Lab∨Lbb∨Lcb) である。
といふこと(∨I)を「主張」してゐて、このことは、「妥当」である
然るに、
(04)
(ⅳ)
1 (2)  ∃x(Lxb) 1UE
 (3)     La  A
 (4)  ∀y(Lay) 3UI
といふことは、
{個体領域}={a、b、c}であるとして、
④  Lab から、
④(Laa&Lab&Lac) である。
といふこと(&I)を「主張」してゐて、このことは、「妥当」ではない
従って、
(03)(04)により、
(05)
(ⅲ)
1 (1)∃x∀y(Lxy) A
 2(2)  ∀y(Lay) A
 2(3)     Lab  2UE
 2(4)  ∃x(Lxb) 3EI
1 (5)  ∃x(Lxb) 124EE
1 (6)∀y∃x(Lxy) 5UI
といふ「計算」は、「正しい」が、
(ⅳ)
1 (1)∀y∃x(Lxy) A
1 (2)  ∃x(Lxb) 1UE
 )     La  A
 (4)  ∀y(Lay) 3UI
 3(5)∃x∀y(Lxy) 4EI
1 (7)∃x∀y(Lxy) 135EE
といふ「計算」は、「間違い」である。
従って、
(05)により、
(06)
③ ∃x{∀y(Lxy)}
④ ∀y{∃x(Lxy)}
に於いて、
③⇒④ であるが、
④⇒③ ではない
従って、
(02)(06)により、
(07)
① ∀x∀y(愛xy)
② ∀y∀x(愛xy)
③ ∃x∀y(Lxy)
④ ∀y∃x(Lxy)
に於いて、
①⇒② であって、
②⇒① であって、
③⇒④ であるが、
④⇒③ ではない
然るに、
(08)
{個体領域}が、{人間}であるとして、
① ∀x{∀y(愛xy)}
② ∀y{∀x(愛xy)}
③ ∃x{∀y(愛xy)}
④ ∀y{∃x(愛xy)}
といふ「論理式」は、それぞれ、
① すべての人は、すべての人を愛す。
② すべての人は、すべての人に愛される。
③ ある人は、すべての人を愛す。
④ すべての人は、ある人に愛される。
といふ「意味」である。
従って、
(08)により、
(09)
③ ある人がすべての人を愛するのであれば、すべての人は、ある人に愛される。としても、
④ すべての人がある人に愛されるとしても、ある人がすべての人を愛するとは、限らない。
といふ「命題」は、「真」である。
(10)
例へば、
③ 鈴木さんは、すべての人を愛す。
といふのであれば、
④ すべての人は、ある人(鈴木さん)に愛される。
といふことは、「真」である。
然るに、
(11)
例へば、
④ すべての人の半分が、鈴木さんに愛され、
④ すべての人の半分が、田中さんに愛される。
としても、
③ すべての人は、ある人(鈴木さんと田中さんの、どちらか一方)に愛される。
といふ、ことになる。
然るに、
(12)
④ すべての人の半分が、鈴木さんに愛され、
④ すべての人の半分が、田中さんに愛される。
といふのであれば、
③ 鈴木さんは、すべての人を愛す。
③ 田中さんは、すべての人を愛す。
といふことには、ならない。
従って、
(03)~(12)により、
(13)
③ ∃x∀y(Lxy)
④ ∀y∃x(Lxy)
に於いて、すなはち、
③ ある人は(自分自身を含めて)、すべての人を愛す。
④ すべての人は、ある人に愛される。
に於いて、
③ ならば、④ であるが、
④ ならば、③ であるとは、限らない
従って、
(13)により、
(14)
∃x∀yLxy⊃∀y∃xLxy・・・・・⑳「誰かが万人を愛しているならば万人はそれぞれ誰かに愛されている」
は常に真となる。しかし、⑳の逆:
∀y∃xLxy⊃∃x∀yLxy(万人がそれぞれ誰かに愛されているならば、誰かは万人を愛している)必ずしも常に真である訳ではない
(大窪徳行・田畑博敏、論理学の方法、1994年、137頁)
といふ「説明」は、「正しい」。