(01)
(ⅰ)
1 (1) P→ Q A
2(2) P&~Q A
2(3) P 2&E
12(4) Q 13
2(5) ~Q 2&E
12(6) Q&~Q 45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅱ)
1 (1)~(P&~Q) A
2 (2) P A
3(3) ~Q A
23(4) P&~Q 23&I
123(5)~(P&~Q)&
(P&~Q) 14&I
12 (6) ~~Q 35RAA
12 (7) Q 6DN
1 (8) P→ Q 27CP
従って、
(01)により、
(02)
① P→ Q ≡PならばQである。
② ~(P&~Q)≡Pであって、Qでない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~(P→ Q)≡PならばQである。といふことはない。
② ~~(P&~Q)≡Pであって、Qでない。といふことはない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
「二重否定」により、
② ~~(P&~Q)≡Pであって、Qでない。といふことはない。といふことはない。
③ P&~Q ≡Pであって、Qでない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ~(P→ Q)≡PならばQである。といふことはない。
③ P&~Q ≡Pであって、Qでない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
P=すべての人間がある金額の金を私にくれる。
Q=私は幸福になる。
であるとして、
①(PならばQである。)の「否定」は、
③(すべての人間がある金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。)である。
然るに、
(07)
[2]命題「すべての人間がある金額のお金を私にくれるならば、私は幸福になる。」の否定はどれか、番号で答えよ、
(1)ある人間がすべての金額のお金を私にくれなければ、私は幸福にならない。
(2)すべての人間がある金額のお金を私にくれるならば、私は幸福にならない。
(3)ある人間がすべての金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。
(4)すべての人間がある金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。
(中内伸光、ろんりの練習帳、2002年、123頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
「答へ」を見るまでもなく、
①(すべての人間がある金額の金を私にくれるならば、私は幸福になる。)の「否定」は、
③(すべての人間がある金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。)であって、それ故、
(4)すべての人間がある金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。 が「正解」である。
然るに、
(09)
「答へ(202頁)」を見ると、
[2]xは「人間」の全体を動き、yは「金額」の全体を動くとき、「xがyという金額のお金を、私にくれる」という命題関数をp(x、y)とし、「私は幸福になる」という命題をqとすると、与えられた命題は、∀x∃yp(x,y)→qである。したがって、その否定は、~(∀x∃yp(x,y)→q)≡∀x∃yp(x,y)&~qとなり、答えは(4)である。
(中内伸光、ろんりの練習帳、2002年、202頁改)
然るに、
(05)により、
(10)
もう一度、確認すると、固より、
① ~(P→ Q)≡PならばQである。といふことはない。
③ P&~Q ≡Pであって、Qでない
に於いて、
①=③ である。
従って、
(07)(09)(10)により、
(11)
[2]命題「すべての人間がある金額のお金を私にくれるならば、私は幸福になる。」といふ「仮言命題の否定」を言ふ際に、敢へて、
[2]xは「人間」の全体を動き、yは「金額」の全体を動くとき、「xがyという金額のお金を、私にくれる」という命題関数をp(x、y)とし、「私は幸福になる」という命題をqとすると、与えられた命題は、∀x∃yp(x,y)→qである。
といふことを、述べる「必要」は、全く無い。